ハロルドからの攻撃
「すまん、ちょっと興奮した。」
うーん、と考える領主さん。
「でもさ、領主の私がやりたいと言ってるんだよ?今日初めて話をしたけどレンはいい娘じゃないか。他からの攻撃だって対策をちゃんと教えれば問題無いんじゃないか?私はレンの力で他を制圧するなんて事は全く考えていない。その能力があったとしてもレンには出来ないと思うぞ。異世界の物を研究すればこの領地、いや世界がより豊かになるだろうと思うんだが、それはそんなに駄目な事か?」
私は考えた。要するに私が対応出来れば問題解決なのか?
「すいません、皆さんは私の心配をしているから私の能力を隠せと言っているんですよね。それなら私が対策をちゃんとしていると証明出来れば良いのでは?実はジェロームさんからお借りした家に私の魔法で防犯対策をしているのですが、その魔法とほぼ同じ魔法を私にかけるので、大丈夫かどうか確認してもらえませんか?私も実際の効果に興味がありますし。ほらハロルドさんと防御について話をしたでしょ?私、ちゃんと色々考えたんですよ?」
「ああ、そういえばそんな話をしたな…。レン、お前の防御魔法を今自分にかけてくれ。」
私はあらゆる物理的攻撃と自分が魔法だと思う物を全て弾くイメージの膜を自分にまとわせた。
「出来ました。」
私がそう言うとハロルドさんは物凄い殺気?とにかく凄い勢いでナイフで私に切りかかってきた。
「ひっ!」
私は頭を抱えてしゃがみ込んだ。ナイフが私に切りかかる。
「うおっ!?」
ハロルドさんの腕がはじかれた。態勢を崩しながらハロルドさんが魔法を放つ。
「火炎弾!」
拳大の火の塊が何個も私に向かって飛んで来る。しかし火の塊は四方に弾かれる。ジェロームさんと領主さんは頭を抱えてうずくまった。
「っ!!ジェグラシム様、ジェローム、大丈夫か?!」
そう言ったハロルドさんに水丸の手が襲いかかった。
《レン大丈夫?水丸がやっつけてやる!》
水丸の手を床を転がり避けるジェロームさん。しかし壁際に追い詰められたジェロームさんを水丸の手が襲おうとする。
「だめ!水丸やめて!これは私に攻撃したんじゃないの!練習なの!」
《練習?あいつ悪くない?》
「ハロルドさんは悪い人じゃないよ。水丸も私を助けてくれてありがとう。」
水丸の手がハロルドさんの寸前で止まった。
《そっか!水丸びっくりしたよ~。ちょっと間違えちゃった~。》
「ううん、ありがと。水丸は悪くないよ。」
「ハロルド!いきなり何をする?!気でも狂ったのか?!」
領主さんがハロルドさんを怒鳴りつけた。
「ジェグラシム様いきなりで申し訳ありませんでした。ですが、攻撃は突然来るものです。私はレンがどの程度対応できるか確認したかった。そうでなければジェグラシム様の要望に同意などできません。」
突然過ぎる!とハロルドさんに迫る領主さん。ジェロームさんは青ざめた顔で床にへたり込んでいる。
「領主さん、私はハロルドさんの言い分も理解できます。ハロルドさんをそんなに責めないで下さい。お願いします。それにハロルドさんは私が防御魔法を使うのを待ってくれました。」
領主さんはそれでもしばらく納得がいかないようだったが、やがて諦めてくれた。
「まあ、みんな無事だったんだからいいじゃないですか!あはは。」
笑って誤魔化す私。
「いや、部屋が無事じゃないよ…」
ジェロームさんがそういいながら立ち上がった。なんか壁や天井が焦げてるし、高価そうな壺も割れてた。私は元の状態をイメージして魔法を使った。
「ほら、もう元に戻ったし、皆さん一旦落ち着いて座りませんか?そうだ、美味しい物でも食べましょうよ!」
そう言って私はテーブルにプリン(×5個)を出した。




