跳ねた
辞典を時々確認しながら歩く。足元に気をつけながら。急な斜面はないが木の根がボコボコしていて歩き辛い。でももうすぐ森を抜けられそうだ。やがて視界が開けた。目の前には草原が広がっている。私はリュックからテントを出して休憩した。ショルダーバッグからスライムを出しベッドの上に置く。まだ寝ていた。私は椅子に座りカップに入ったホットコーヒー(ミルク砂糖入り)を出して一息ついた。ベッドに目を向けるともぞもぞ動くものがある。スライムが起きたようだ。こちらを見てピョンとベッドから飛び降りそのままピョンピョンと跳ねテーブルの上に乗った。
驚いた。飛び跳ねる事ができるのか。昨日はそんなことなかったのに。
「おはよう、スライム」
『きゅ~!』
「昨日は魔石をありがとう。」
『きゅ~!』
返事した!かわいいじゃないか!
私は空のコーヒーカップ、朝使った湯飲みと大福餅をイメージして出した。
「これどうぞ。」
『きゅ~!』
スライムはそれらを次々と消化した。色がまた少し濃くなった。
「おいしかったか?」
『きゅ~!』
たぶん返事はイエスだ。左右に揺れているし。
「んじゃそろそろ行くから鞄に入ってくれる?」
『きゅっ!きゅっ!』
ん?鳴き声がさっきと違う。
「いやなの?」
『きゅ~!』
「ん~、ちゃんとついてこれる?」
『きゅ~!』
まあいいか。やってみて無理なら鞄に入ってもらおう。私とスライムはテントから出て目的地に向かって歩きはじめた。辞典を確認しながら目的地に向かって歩いた。スライムはピョンピョン跳ねながらちゃんと私についてきている。たまに私の肩に乗ってきたりする。かわいい。
草原の真ん中付近までついた。この辺りで薬草を探してみようかな。私は辞典を開いてきいた。
「この辺に薬草って生えてる?」
[はい。怪我に効く薬草と食あたりに効く薬草が生えてます。薬草の写真と生えている場所を案内しますか?]
「よろしく」
辞典に写真と生えている場所が点滅する赤円と黄色い星印で表示される。この周囲に割と生えているので案内に従って40本ほど鎌で刈り取った。スライムは気に入った草を食べているようだ。かごをイメージして出し刈り取った薬草を入れリュックにしまう。ビニール袋はこの世界にはないかもしれないからね。
「ふ~、んじゃそろそろ目的地に向かおうか。」
『きゅ~!』
再び歩きはじめてしばらくすると左斜め前からガサガサッと何かが動く音がした。




