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010 リタ、旅立ちの日



「すごーい。本当に何でも入るのねそのカバン」

「うん、流石はマジックカバンだよ」


見た目は本の形をしたカバンに、私は旅立ちに必要な荷物を入れた。

このカバンは院長先生達からの贈り物だ。

魔道具師さんが作った特別なカバンで、見た目のサイズとは関係なく何でも仕舞う事ができる、旅人や旅行者にはうってつけのカバンだ。


「お金は大丈夫なの?」

「それも院長先生がお餞別で結構くれたよ。あとバイトやおてつだいで貯めた貯金も少しあるし」


お陰でお財布の中はあったかい。

でも大事に大事に使わなきゃ。


「いよいよ明日出発なのね」

「うん。今からどきどきしちゃうよ・・でも頑張るって決めたから」

「怪我や病気には気を付けてね」

「ありがとうアンジェリカ。そういえば例の剣士さん達からのお誘いの返事、もう決めたの?」

「ま、まだ考え中・・・・」


アンジェリカは剣士さんの話を出すとすぐに真っ赤になる。

考え中だとアンジェリカは言うけど、何となくアンジェリカの中で答えは決まってるような気がした。


「まあまだ時間はあるからね。でもアンジェリカ、、アンジェリカがどの道を選んでも私はアンジェリカの味方だからね!」

「リタ・・・ありがとう。私もずっとリタの味方よ」


私達はお互い手を握り合って笑った。

う~ん、麗しき友情・・・!




次の日、孤児院の前では皆がお見送りしてくれた。

スキルの事では皆笑ってくれたけど、別れとなると泣いてくれる子達もいた。


「院長先生に怒られたの・・リタ、ごめんね、スキルの事で笑って・・」

「ごめんなさい・・」

「もう良いよ。気にしてないから」


私は謝ってくれた子供達の頭を撫でた。


「元気でねリタ。頑張ってね」

「ありがとうアンジェリカ。貴方も頑張って!」

「うん」


もしかしたらアンジェリカは有名な冒険者になるかもね。

有名人になって私達の友情は変わらないよ、アンジェリカ!


「リタ、貴方の幸せを心から願っていますよ」

「ありがとうございます院長先生・・お母さん」


院長先生が私を優しく抱きしめてくれた。

大好きな院長先生、今までほんとうにありがとうございます。



「それじゃ、いってきます!!」


鞄を背負って、私はついに孤児院を出た。

さようならアンジェーロ孤児院。

またね、皆。

もしお金をいっぱい稼げるようになったら、私もアッシャーさんみたいにお金を送るからね!


「さあ、新しい人生の幕開けだ!」

閲覧ありがとうございます!

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