55.卒業
前回のお話。
ボスは結衣、稀星、颯を食べてしまった。
「あっ……そ……んな……」
俺は膝から崩れ落ちた。
「はぁー……っ……あ……はっ……はっ……」
密ちゃんは、過呼吸だ。
「結衣……稀星……颯……」
ボスがこっちを見ている。
だめだ。
何も考えられない。
「防御!!」
「防御!!」
寧々と響は、俺を守ってくれていた。
「麻陽!! しっかりしなさい!!」
「麻陽!!」
二人とも涙を流している。
「壊れる!」
「きゃぁぁぁぁぁっ!!!!」
俺達は吹き飛ばされた。
横には、結衣の体があった。
頭だけ食べられている。
「おぇっ……!!」
酷すぎる。
結衣がいれば、この戦いは何とかなったかもしれない。
でも、もう勝てる気がしない。
どうしたら……。
……結衣のミラストーンはどこだ。
小さい頃に食べてしまったから、体内にある。
まだ残っている可能性がある。
それさえあれば!
「吸収!!」
どこだ!?
あってくれ!!
「……!!」
俺はボスにぶっ飛ばされた。
だめだ。
視界が……。
ボスがくる。
死ぬ。
「雷雨!!」
知星!!
「麻陽! 諦めるな!」
そうだ。
諦めるな!!
「吸収!!!!」
何かが入ってくる。
「あった!!」
「破壊!!」
気づかれた!
「防御!」
「防御!」
「防御!」
みんな!!
「「「麻陽!!!!」」」
「復元!!」
……三人の体が元に戻ってきた。
あとは、生きているのかどうか!
「貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ボスは叫んでいた。
頭に色々な文字が浮かんでくる。
「若返り!!」
「はっ! こんなもの、結……!!」
密ちゃんの注射器が、ボスに刺さった。
俺の攻撃は、結界で効かなかった。
「なんの真似だ」
ボスは密ちゃんをにらんでいた。
「私のワクチンに決まってるでしょう」
「こんな量で私が倒せると思っているのか」
「いいえ。でも刺さりましたね」
「だからどうした」
密ちゃんは、にやりと笑った。
「呪術」
密ちゃんは、自分のお腹に刀を刺した。
「密ちゃん!!」
「デスマーダー!」
密ちゃんの血が刀に吸収されていく。
「……滅びろ!!」
密ちゃんは、ボスに刀を突きつけた。
「はっ! 結界!」
「ぐぁっ……っ」
密ちゃんの体は、ボスの手で穴が開いていた。
ボスはにやりとしたが、密ちゃんの手には刀が
なかった。
「……お前っ!!」
ボスの後ろから、もう一人の密ちゃんが、ボスの体に刀を刺し込んでいた。
本体の密ちゃんも一緒に刀で刺されていた。
「私の……得意技を……お忘れですか……? 分身に……気がつかなかった……でしょう」
密ちゃんは口から血を出しながら言った。
「こんな刀っ!!」
体が、再生しない!
「私の血液を吸いとった刀……あなたを殺す為の能力!!」
やるなら今だ!
「若返り!!」
俺はボスに能力を発動した。
「結っ……! くそっ!」
ボスの体が衰えてきている!
結月さんの口から、人魂が出てきた。
「逃がすかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「重々しく!!」
「氷柱!!」
「雷撃!!」
「爆破!!」
だめだ!
動きが速い!
「吸収!!」
人魂は、なかなか吸い込まれない。
でも、逃げられてもいない。
絶体に負けない!!
「荒々しく!」
「白魔!」
「雷撃!」
みんなが人魂を押し込んでくれている。
「いけぇぇぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!」
人魂は、吸収された。
「よしっ!! ……がはっ!!」
俺は吐血した。
そうだった。
このままじゃ、前みたいにギーラになる!
「寧々! 目薬は!?」
響は叫んだ。
「ないのよ!! 結衣は!?」
「心音は聞こえるけど、でも麻陽、能力返してないよね!?」
「嘘!? どうすんのよ!!」
意識が遠退く。
俺、乗っ取られるのかな。
「がっ……はぁっ……!!」
密ちゃんが、俺の体に刀を刺した。
「あんた!!」
寧々は驚いていた。
「……麻陽さん……ボスを殺すんです!! ここで殺さないと……また生き返る!!」
密ちゃんは血まみれだった。
そうだ。
俺がここで殺さないと。
密ちゃんの血液が、流れてくる。
ワクチンは完璧ではないが、少しでも意識が回復すれば、こっちのもんだ。
「……消滅」
俺は唱えた。
「あがっ……がっ……はぁっ……あぁっ!!」
俺の中で、ボスが暴れている。
自分の意思とは関係なく、体が動く。
「麻陽! 頑張って!」
「麻陽!!」
分かってる。
今、頑張って……。
「がはぁっ!!」
まずい!
なかなか人魂が消えない!
速く!!
体が勝手に動く。
手から炎が出ている。
違う。
俺じゃない。
俺は攻撃をしようとしている。
違う!
誰か助けて……!
「麻陽?」
結衣?
「結界!!」
花音先生!
先生が、上から飛んできた。
「麻陽! もうちょっと頑張れぇ!!!!」
結界が、バリバリ音を鳴らしている。
それでも勝手に体が動こうとしている。
「重力!!」
悠真!
俺は、重力で地面に倒れた。
「頑張れ!! 麻陽!!」
いける……!
もう……出てくるな!!
……俺は意識を失った。
――――
俺は……ボスは?
「麻陽!!」
「結衣」
結衣は抱きついてきた。
「よかった……!」
そうだ、生きてる。
みんなは?
「ちい!」
「きい!」
知星と稀星は、元に戻っていた。
「密?」
密ちゃんは倒れていた。
全身血まみれ。
お腹には刺し傷。
「密ちゃん!」
俺は急いで向かった。
「元気回復!!」
出ない!
なんで!?
「麻陽! 結衣に能力返して!」
寧々は言った。
「解放!」
出ない。
「出ない! なんで!?」
「雷撃……でない」
「氷刃! なんで出ないの!」
「救護班! 救護班! 反応しない」
「密!!」
「……坊っ……ちゃん……」
「密!」
「ボスが……死んだから……能力を使えなく……なったのでしょう……」
「やだよ! 死なないで!」
「……坊っちゃん……ありがとう……さようなら」
「密? 密! やだ! 密!! 密!!」
密ちゃんは死んだ。
俺も刀で刺されていたが、傷はない。
能力が使えない。
じゃあ、結月さんは……。
「……結衣、結月さんのところに行こう」
「……うん」
俺達は結月さんの所へ移動した。
結月さんは、血まみれの状態だった。
死んでいる。
「お姉ちゃん……あ……」
「ん?」
「笑ってる」
結月さんは、笑った状態で死んでいた。
俺達は、手を合わせた。
「帰ろう、麻陽」
「あぁ、帰ろう」
――――
ミラストーンも消え、能力も使えなくなり、俺達は自分の家に帰る事になった。
ルークス学園も閉園だ。
「みんなルークス学園を卒業だね」
「花音先生、これ卒業って言うんですか?」
「そうだね!」
俺と結衣は笑っていた。
みんな自分の家に戻る。
稀星と美雪先生は、知星のレストランで一緒に働く事になった。
「みんな、今までありがとう。元気で!」
「花音先生もお元気で!」
「今までありがとうございました!」
「じゃあ、さよなら!!」
「「さようなら!」」
俺は振り返らなかった。
見なれた道を、走って帰る。
残党もいない。
全て消えた。
俺は、ただの麻陽になった。
それはいい事だ。
帰ったら何をしよう。
考え事をしていたら、あっという間に家に着いた。
俺はドアを開けた。
「ただいま!」
完。
ここまで見ていただきありがとうございました!
私の初めての作品でした。
どのキャラも思い入れがあり、終わってしまうのが悲しいです!
感想や評価などいただけたら嬉しいです!
そして、新しい作品も投稿しています。
お時間あれば、ぜひ見て下さい。
よろしくお願いします!




