43.それぞれの道
前回のお話。
爆発音が響いていた。
ボスを倒す事ができたのか。
みんなはどうなったのか。
俺の体は動かなかった。
「復元」
…………眩しい。
目を開けると、結衣が泣いていた。
「結衣?」
「よかった……。ごめんね……私のせいで……!」
「結衣のせいじゃないよ」
「そうだよ! 結衣のせいじゃない!」
響!
「私達が勝手にやった事だから!」
寧々!
「大丈夫」
「え!? 知星!? 元の姿に戻ったのか!?」
「結衣のおかげ」
「てか兄ちゃん、いつまで膝枕されてんの?」
颯!
「えっ? うわっ!」
俺は勢いよく起き上がった。
「痛っ!」
結衣のおでこに当たってしまった。
「ごめん!」
「うぅん。痛いけど、みんな生きててくれてありがとう!」
結衣はにこっと笑った。
「あれっ、兄ちゃん顔赤いよ?」
颯はにやにやしている。
「今ぶつかったからだよ!」
「坊っちゃん、それくらいに」
「密ちゃん!」
「結衣さんが、みんなを助けてくれたんです」
「結衣、ありがとう!」
「こちらこそありがとう!」
「ところで……ボスは……」
!!
空間にヒビが入った。
「なんだ!?」
「きっとボスが死んで、ここが崩れようとしてるんです」
密ちゃんは言った。
「えっ、密ちゃん、どうしたらいいの!?」
「分かりません」
「嫌だ! 密!!」
颯は密ちゃんの手を握った。
「はいはいはい、密は坊っちゃんと一緒にいます」
「いや、そんなに事言ってる場合じゃ!」
俺がそう言った瞬間、空間が割れた。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「のぉあぁぁぁぁぁ!!!!」
落ちている!
どこに!?
どうしよう!!
「結界!!」
!!
俺達は、クッションのような結界に落ちた。
みんな無傷だ。
「みんな! 大丈夫!?」
「花音先生!」
「結衣! よかった!」
先生は結衣を見て笑っていた。
「きい!」
「知星! 元に戻ったの!?」
知星と稀星も笑っていた。
「先生、ボスは倒しました」
「ボスが死んだ?」
「はい」
「よく生きて帰ってきてくれた。おかえり」
「ただいま!!」
俺は笑った。
「ただいま!」
「おかえり、結衣!」
結衣も笑った。
「よくぞ帰って来た!! ミスター麻陽!!」
俺はミスターに抱きしめられた。
「どぅおっっ!! ミスター! 痛い! 筋肉が!」
「ふふふっ………………」
響は笑っていた。
「いるかい? チョコレート」
「いただきます、理事長」
「しっかし、ボスを倒してもギーラはまだいるし」
「あぎゃっ!」
後ろにいたギーラが、花音先生に倒された。
「炎」
技も出る。
「ミラストーンも、消える訳じゃないみたいだね」
花音先生は言った。
「あっ、そうだ!」
俺は寧々、知星、颯、響の方を向いた。
「解放!」
俺は、四人のミラストーンを戻した。
ミラストーンが光っている。
「私の力、戻ってきた!」
「私も」
「俺もー! また空を飛べる!」
「……音がまた聞こえる」
「よかった!」
「稀星ちゃん! 今元に戻すね!」
「結衣!」
「復元」
稀星の姿が、みるみると元に戻っていく。
「結衣、ありがとう」
「えっ! 男!?」
「やっぱり結衣の能力は、特殊タイプだね」
「理事長!」
俺は大きな声で言った。
「はいよ」
「俺、人間じゃありませんでした。ギーラと人間が混ざってます」
「私もです」
結衣は言った。
「俺は……元ギーラかな?」
颯は悩みながら言った。
「あんた達は学園に戻り、たくさんの研究者の実験対象となるだろう。拒否権はないよ。覚悟はいいかい?」
「のぞむところです!」
「ん? 俺も?」
颯は自分の顔を指さした。
「そうだね」
「えぇぇえええっ」
「坊っちゃん、私も行きます」
密ちゃんが前に出た。
「部外者は立入禁止だ」
「私は、ギーラのワクチンを持っています」
「よし、監禁だ」
「いやいや物騒だよ、ばあちゃん!」
稀星はつっこんだ。
「麻陽! 結衣!」
響の声で、俺達は振り返った。
「いってらっしゃい!」
「いってきます!」
――――
こうして、半年間の実験が終了し、俺達は解放された。
「くぅぅっっ!! 外の空気が素晴らしい!!」
俺は体を伸ばした。
「外のにおいがするねっ!」
結衣はウキウキしていた。
「俺、久々の光合成!!」
颯は両腕を広げた。
「坊っちゃん、それを言うなら日光浴です」
すかさず密ちゃんのつっこみが入る。
俺達はいろんな実験をした。
とりあえず無害であり、人間を傷つける事はないと決定した。
颯は人間に戻った。
カラコンを外せるようになった。
「麻陽、結衣、颯、密!」
花音先生?
「悪いけど教室に戻ってくれないかな?」
「えぇぇえええ! せっかく外に出られたのに!」
颯は叫んだ。
「悪い悪い! ちょっと伝えなきゃいけない事があって!」
「ここじゃダメなんですか?」
結衣、よく言った!
「ごめん!」
俺達は教室に戻った。
教室のドアを開けると、クラッカーの音が響いた。
!!
「みんなお疲れ様ー!!」
急に寧々が目の前に表れた。
「うわっ! えっ!?」
俺は驚いて尻もちをついた。
「おやぁ? あなた達は今日解放された。そうですよね?」
クラッカーをマイク代わりにし、俺に聞いてくる。
「そう! そうです!」
「だーかーらー……」
寧々は横にずれた。
「じゃじゃーん!」
教室の真ん中には、肉やポテト、ケーキなどがバイキングのように置かれていた。
「すごい!」
「いくらもあるー!!」
「うひょー!! これ全部食べていいの!?」
「坊っちゃん、毒が入ってるかもしれません!」
「だぁれの料理に、毒が入っているだぁ!?」
稀星は睨みながら歩いてきた。
その横で、知星はなだめていた。
「きい落ち着いて」
「この私のスペシャルバイキングに、毒なんて入ってる訳ないでしょうが!! まぁ、また食べたくなるような、中毒性のある料理かもしれないけど?」
「みんなおかえり」
「響! 耳大丈夫だったか?」
「イヤーマフしてたから大丈夫」
「あっ! またおいしそうなチョコ食べてる!」
「はいはい。結衣にもあげるよ」
「やったー!!」
「肉だ! 密! 肉!」
「はいはいはい。おいしそうで……まっ! 抹茶モンブラン!!」
「密、抹茶好きだもんねー!」
「私に作れないものはない!」
稀星はにやりと笑った。
「あっち盛り上がってんな」
「ふふふっ。早く食べよう」
俺と響も移動した。
「さぁ!! 召し上がれっ!!」
「いただきまーーーーーーす!!!!」
こうして、俺達は乾杯もせずに食べまくった。
廊下には先生方、研究者の方が暖かい目で俺達を見ていた。
「よぉーっし! 先生も食べるぞー!!」
「ミス花音、そこは廊下で見てるだけでいいではないですか!」
ミスターはつっこんだ。
「いやいや、あんなおいしそうな料理、私も食べたい!」
「そうですね」
「美雪先生まで!」
ミスターは焦っていた。
「そいじゃ、わたしらも参加しようかね」
「はい、理事長」
副理事長は笑った。
この日はみんなで食べて、飲んで、笑い声が響いた。
――――
数日後、俺はまた旅に出る事にした。
「みんな気をつけてね」
「はい、先生!」
知星は古里のレストランに戻り、料理長として働く事にした。
ギーラが表れても、知星がいれば安心だ。
稀星は、理事長の……いや、みんなの希望で学園での食事担当となった。
そして、美雪先生と結婚するそうだ。
寧々も古里に帰り、温泉経営をするそう。
功見さんの報告によると、あの温泉には大量の回復成分が含まれていた。
若返らせる事はできないが、ほとんどの疾病は治す事ができるそうだ。
響は、寧々のところの温泉が気にいったみたいで、一緒について行くそうだ。
仲良くやっていけるかな?
颯と密ちゃんは、二人で旅行に行くそう。
おいしいものを食べまくる旅だそうだ。
颯は元々アミナスではなかったが、ミラストーンをゲットした為、そのままアミナスとなった。
家に帰宅したとき、両親は泣き崩れたそうだ。
俺は、密ちゃんのミラストーンも吸収していた事が分かった。
密ちゃんに、無事戻す事もできた。
またアミナスとしてやっていける。
とても喜んでいた。
そして、俺と結衣……。
「結衣!」
結衣は、結月さんのお墓の前にいた。
結月さんの遺体は見つからなかった。
「麻陽?」
「俺と一緒に来てくれ!」
「……もちろん!」
俺達はまた旅に出た。
次回。
ギーラの残党を倒していると、重力を操る男に出会う。
その男は俺達を攻撃してきた。
――――
ここまで見ていただき、ありがとうございます!
一区切りつきました。
でもまだ続きます!
引き続き見ていただけたら嬉しいです!
よろしくお願いします!!
そして最近、寝落ちしてしまい……。
誤字とかあれば教えていただけたらと思います。
すみません!!




