39.由芽
前回のお話。
過去に戻った俺。
お母さんはギーラ、俺はギーラと人間のハーフだという事が分かった。
ははっ……。
頭がおかしくなる。
「いてっ」
頭痛がひどい。
もしかして、2月29日だから?
「へぇ……あなた人間じゃなかったんだ」
!!
「今、全員の記憶を見てるんだけど、あなたのが一番おいしそう」
おかっぱの女の子は言った。
「おいしそう?」
「私は人の記憶を食べるの。他人の記憶を入れると拒否反応で脳が痺れるの。それがたまらなく快感なのよね~」
「なんだただの変態か」
「失礼ね! ちゃんと選んで食べてるって言ってるでしょ!?」
「みんなも今、記憶の中って事?」
「そうよ」
「じゃあ、今、俺があんたを倒したら?」
「ずーっと出られないわね」
「そっかぁ……」
「……え? なんとか言いなさいよ」
「それもいいのかなと思って」
「あんた変態なの?」
「お前に言われたかねぇわ」
「お前じゃない。私の名前は由芽。お腹すいてるの。さっさといただくわ」
食べられれば記憶をなくすんだろうな。
「夢食い」
これで嫌な事を忘れられる。
「痛いっ!! 結界!?」
由芽は弾き飛ばされた。
「え?」
俺、何もしてないけど……。
もしかして……。
「麻陽、ごめんね」
お母さんが目の前に現れた。
「お母さん!」
「死なないで、お願い。みんなを助けて」
「そんなのわがままだよ」
「そうだね。でも結衣ちゃんを助けてあげて」
「そうだ。結衣を助けないと」
「あの子も人間じゃないの」
「え? どう言うこと!?」
「夢の人物が勝手にしゃべらないでくれるかなぁ!? せっかく生きる希望を消してるのに!!」
由芽は怒鳴った。
「お前っ……俺の家族を二回も殺しやがって!!」
「あぁあ~面倒くさい。もう死んで」
「……っ! 炎」
「悪夢」
「チェンジ!!」
俺は別の場所へ移動した。
いつのまにかお母さんは消えていた。
「気にくわない気にくわない気にくわない気にくわない気にくわない気にくわない気にくわない気にくわない!!!!」
やばい雰囲気しかない。
目からは血が出ている。
「はぁぁっ……! はぁぁっ……! はぁぁっ……!」
口からは、よだれが出ていた。
急に目の前が明るくなった。
さっきの場所だ!
目が覚めたんだ!
みんなは!?
「ん? 私寝てた?」
「寧々! |知星を起こして! 速く!」
「あれっ?」
「響! 颯を起こすんだ!」
よし!
知星も起きてる!
あとは颯だけ!!
「まだ……眠たい……」
「モスキート」
「うわっ!! 耳痛い!!」
これで全員起きた!
あれっ、結衣がいない!
「ドリームキャノン」
由芽の手に、大砲が出てきた。
「メモリーセット」
何かカードのような物をセットしている。
「オン!!」
何か飛んできた!!
「うわっ!」
「颯!」
颯に当たってしまったけど、けがはしていないようだ。
「俺なんていなくなっちゃえばいいんだ」
颯は呟いた。
「え?」
「俺なんていたところで誰からも必要とされていない。何をやってもだめ、だめ、だめ、だめ……ひーっひひひひ……ひゃひゃひゃひゃ……あひゃあひゃ」
「おい、大丈夫か!?」
俺は近くに行った。
「っ!」
腕をがっちり捕まれた。
なんて力だ。
目がギョロっとしている。
これは誰だ!?
「一人は寂しいよぉ……一緒に死のうよぉ……」
「やめろっ、離せ!」
「死んでくれないなら殺してやる」
まずい!
「かまいたち」
「防御!! いっ……つ……!!」
技を出すのが少し遅れてしまい、体から結構血が出てしまった。
「オン!」
由芽は、知星の方へ向けて打った。
「逃げろ!!」
「防御! ……がぁはっ!!」
「なんで!?」
「私のメモリーに防御は効かないよ」
由芽はにやりと笑った。
でもさっき結界で……!
……結界だと跳ね返せる?
俺のミラストーンに、お母さんの能力が吸収されているのなら、俺だって結界が使えるはずだ!
でも今まで頭の中に、結界に関する呪文は出てきていない。
どうやったら使える?
お母さんの結界だから使えないのか?
「熱い!! 熱いよぉぉ!! 痛いぃっ!」
「知星!」
「水……水!! 足がっ……!!」
「つむじ風」
颯は俺に向かって攻撃をした。
「やべっ!!」
「モスキート!!」
!!
響の能力で、知星と颯は倒れた。
「これ以上苦しめたくない」
響はそう言うと、深呼吸した。
敵は一人。
こっちは三人いる。
大丈夫!
「いくぞ!!」
「オン! オン! オン! オン!」
「チェンジ!」
大丈夫、よけれる!
「氷雨!」
寧々は由芽に攻撃した。
「夢遊病」
夢遊病?
由芽がそう言うと、知星と颯は、由芽の前に立った。
「防御」
知星は寧々の攻撃を弾いた。
「電光石火」
「えっ!? 防御!」
寧々は急いで防御した。
「雷電」
知星と寧々じゃ相性が悪い。
ぎりぎり防御してるけど、このままじゃ……。
「つむじ風」
しまった!
「防御!」
「激しく」
響は由芽に攻撃した。
由芽は颯を蹴り飛ばし、身代わりにした。
響の攻撃は颯に当たった。
「がっはぁっ……!!」
あいつ迷う事なく、颯の体を蹴りあげた。
「危ないなぁ、けがしたらどうするの?」
由芽は、倒れている颯の頭をわしづかみにした。
「メモリーテクニック」
まずい!
颯がまた、夢の中に引きづりこまれる!!
「!!」
由芽は、颯の頭を離した。
血が出ている。
「俺は……人間じゃないから……無駄だよ」
颯は呟いた。
そうか、ギーラ同士は戦えない。
「メモリーテクニック」
そう言うと、由芽は颯の体に、自分の腕をぶっさした。
「うっ……ぶぇおはっ……っ」
「そんなの私には関係ない。ギーラ同士でも戦える。そうメモリーに作り替えればいい」
「颯!!」
――――
「氷刃!」
「電流」
「っああああああああああ!!!!!!」
寧々に知星の電流が流れる。
由芽を早く倒さないと!
「荒々しく!」
「炎! 」
俺と響は、由芽に攻撃をした。
「……かまいたち」
え!?
由芽は、颯の能力を使っていた。
「防御!」
響は防御した。
由芽は、颯の体から腕を抜いた。
その手の中には、石が握りしめられていた。
次回。
密ちゃん再び。




