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結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第二章 二学期
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第三話 夕暮れは少し寂しい

冬から春に季節が変わる時、人は三寒四温だ立春だと言ってその時その時の気温を楽しむ。

しかし一方で秋はそんな楽しまれる事など一切ない。寧ろ『今年は寒い秋だ』、『今年は暑い秋だ』などと言って秋の話などまるでない。

冬に近いか夏に近いか、秋とはそれだけで判断されるようなモノへとなって来てしまったのだとも思う。


つまり、だ。端的に結論を言えば、


秋ってある意味あるの?


以下下記上記全て認めない。もちろん異論反論口答えも含む。


私からの個人的な意見では、秋と言うのは『夏と冬の境目に春みたいな何かをしゃーないから入れようぜぇ!』的なノリで作られたようなものだと思う。いや、だってこんなにしんどい季節早々無いでしょ?


体育祭とか文化祭とか!!

何が楽しくて赤の他人と協力しないといけないのだ。それならいっそのこと全て個人競技にして欲しい。体育祭の出し物は個人競技一種目のみ、文化祭は一人一店舗のみ、みたいなの。


それならば私の、と言うより多くの人の支持を得れると思う。

「……まぁ、無理なんだけど」



ため息を一つ吐いて気持ちを落ち着かせる。

隣に広がる秋空を眺めながら、机に顔を付けた。

そしてまた、ため息を吐いた。

今日はいつも以上にため息が多い日である。














ーー




「さてさてさて!ライライ、今日は何の日でしょー!」


「一年で最も最悪な日だな、うん」


「何で!?」


「あー違う。今日は一番最悪な日パートワンだ」



ドヤ顔でそう言う大神君へ、坂口さんは「馬鹿なの?」みたいな視線を送っている。

確かに馬鹿なんだけど、青い春を送っている坂口さんにはわからない思想なんだよ。

そんな視線が刺さってる彼から明らかな同情、いや同類を見るような目がコッチを向く。



「あなたと一緒にしないで欲しいのだけど?」


「いやおい待てよ。お前だって一緒だろ!友達いねぇじゃん」


「あかりんの友達は私ですからー!ボッチなのはライライだけだし!」



まさかの友達宣言。驚いて目を丸くしている私なんかを放っておいて、彼女はここぞとばかりに大神君を畳み掛ける。



「前から思ってたんだけどさ、ライライって学校で何してるの?あ、部活以外でね」


「何って……授業、とか?」


「寝てるじゃん」


「うぐっ!ど、読書!!」


「あーそれはしてるかな?」



命からがら逃げる大神君に、彼女は嘲笑する。その笑みには、いつもの明るい笑顔とは違う笑みが浮かんでいた。

例えるとするならば、悪巧みを実行しようとしている大神君のあの悪魔的笑みだ。

そのまま彼女は前屈みになって、椅子に座る大神君に顔を近づけて最後のとどめを刺した。


「それ、友達いないじゃん」



突如彼の体が真っ白になるのを感じた。

まるでバチバチと燃え上がっていた焚き木が燃え尽きたように。



「あー言っちゃった」


「あかりん、私この学校の生徒全員の意思を汲み取ったよ!!私崇められるんじゃないの!?」


「なんでよ……」


「ほら、だって!みんなライライにボコられてるから、ヤバイ人達の恨みが凄いって」


「あーあの地面に埋められたヤンキー達か」



四月に埋められたのに、まだ根に持っているらしい。

それよりも彼が未だ負け無しと言う猛者な事に心底驚いた。

よくもまぁそれで浮かれない事だ。



「……ハッ!ンな事でやられっかよ。友達いないのなんて幼稚園からずっとだしな!」


「私が今まで聞いてきた自慢の中で、最も酷い自慢だと思う」


「最早自慢する意味すらないわね。同情して欲しいの?」


「片腹いてぇわ。俺は孤高だ。一匹狼だ。ほら、見ろよ。漢字からしてカッコいいだろ?」



そう言って、カッコよく締めくくっている彼はどこか遠くに置いといて一つ言いたいことがある。

しかし、私が口を開く前に隣で坂口さんがパッと言った。



「今のダジャレ?」



またしても焼け終えた炭のようになった彼を私は面白く見守りる。

完全下校を告げるチャイムが校内に鳴り響き、私達の活動終了が言い渡された。



今日もまた秋の夕暮れが綺麗な日だった。

衣替えの時期か、などと思いながら鞄を取り教室から外へと出た。

















明けましておめでとうございます!

本年もどうぞよろしくお願いします。


次回は土曜日の夜九時です!お楽しみに!

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