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結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第一章 一学期
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第二十八話 遊園地

雀の鳴き声が窓から聞こえてき、夏の暑い朝日が部屋の中へと差し込んでいる。私はボーッと眠たい目をこすりながら布団の中から起き上がった。昨日は散々眠れないと言っていたが、最後はアッサリと寝付いてしまったらしい。ポケーとしながらいつもとは違う周りの風景に魅了されていると、寝起きの声が聞こえて来た。



「……おはよぉ〜。今何時?」


「おはよう。今は七時よ。今日は確か遊園地に行くのよね?」


「うんー。時間通りかぁ……我ながらタイミングはバッチリ過ぎる」


「そのバッチリ過ぎるタイミングをもっとマシな場所で使えたらいいのにね」


「どういう事!?」


「そのまんまよ」



例えば、前に帰宅部の人達で夕食を食べに行こうって話になった時、大神君と柊木君は定番だとか食いたいからとか何とか言い張り、全員の雰囲気的に行く場所はラーメン屋の空気になっていた所で、彼女が口を開いてしまった。



『私、カレー食べたい!』



この時の空気はもう忘れようにも忘れられない。男尊女卑だ、女尊男卑だとかお互いに言い合っている社会だがやはり『女子の意見』っと言うだけで曲がり通ってしまう物があるのだ。そのいい例がコレだ。私的にはラーメンだろうがカレーだろうがどちらでも良かったので口を挟む事はなかったが、男達の『何も言えねぇ……!!』っと言う空気だけはものすごく感じ取ってしまった。そして結局カレーとなったし。



「うん、タイミングと空気は読もうね?」


「?」


「やっぱり無自覚か……」



二人でそんな会話をしながら、着替えを始める。隣の部屋にいる大神君と柊木君は起きているのだろうか。全く連絡もないし、ドタバタ騒ぎまくっている様子も聞こえてこない。最悪二人は放って置くとしても、チェックアウトがあるからそれまでには起こさないといけない。などと考えていると、ふと誰かを忘れている感覚に陥った。なんか忘れていたらダメな感じがするが、パッと頭に浮かばない。っと一人で考え込んでいたらまだ夢の中にいる人からの伝言が意識の無い口から出て来た。



「酒〜!酒〜〜!」


「「・・・・・・・」」


「起こす?」


「いいんじゃない?生徒が目の前にいるって言うのに酒に溢れている夢を見ているんだから」



全く。大人も男も皆問題だらけだ。そう思いながら、坂口さんと二人で酒に呑まれている朝倉先生を起こす事に専念した。

















ーー


「遊園地ーーーーー!!!」


「ヤッフゥゥゥッ!!」


「お前らは子供か」


「高校生はまだ子供ですーー!」


「……坂口、お前何にも乗らずフリフォールしやがれ」


「それじゃあ上がれないじゃん!」


「「そっち!?」」



まだ遊園地の券売機の前だと言うのにこの盛り上がりよう。この後どうなってしまうなかと考えると、ただの地獄絵図しか浮かんで来ない。一体このグループで行動するとどんな迷惑がかかっているのだろうか。



「喧嘩するなよー。あー喧嘩じゃないか」


「蹂躙ッスね」


「蹂躙されかけてます」


「ホントお前ら何してんの?」


「さぁ?」


「ライー!見ろよアレ!何とかサンダーマウンテンだぜ!」


「なぜそこがわからないんだ……!!」


「「・・・・・」」



破茶滅茶、破天荒……などなど。坂口さんと柊木君に関しては本当に言葉が尽きない。女の子はお砂糖とスパイスと素敵な何かでできている、と人は言うが彼女は素敵な何かが多過ぎると思う。いやまぁ、ボロ切れやカタツムリ、子犬の尻尾でできている男の子なんかよりは百倍マシなんだが。それはそれ、いつものヤツだ。



「で、先生。こっからは自由行動っスか?」


「あぁ、そうだな。まぁ一緒に来たんだ、みんなで遊ぼうじゃないか」


「それはそうですけどね」


「それじゃあ先ずは!ジェットコースターに乗りましょうか!!!」


「えっ……」



思わず声が漏れてしまった。遊園地なのだから覚悟はしていたつもりだったが、いざ目の前に見てしまうとやはり萎縮してしまったらしい。この日、初めて私は大神君に欠点らしい欠点を見せてしまった。これから最後の日までずっとイジられる原因を。



















次回は火曜日でーす!

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