表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第一章 一学期
23/44

第二十三話 綿密なら計画

「合宿?」


「That's right!合宿だよ!合宿!」


「えっ普通に勘弁なんですけど。家空ける事になるし」


「なっ……」


「俺は別に良いぜ!ほら、雷一緒にな?」


「だって、合宿って言ったって何をするんだよ。山でサバイバルなんて勘弁なんですけど」



いつもの様に大神君は冷たく拒否する。最早何も言うまい。と、言うか坂口さんはちゃんと考えて物を言っているのだろうか。合宿なんて言うものの、所詮は宿泊行事。つまりそこそこのお金が必要だ。それに日程や宿泊施設の予約などで、時間も取られる。一高校生では無理な計画だろう。



「つかお前、どこにどれだけ泊まるとか、その場所で何をするとか、費用はいくらなのかとかちゃんと決めてんのか?」


「えっ、うん。そらまぁ……」


「「?!」」


「あかりんまで驚いてる事に凄く苛立ちを感じるんだけど」


「ご、ごめんなさい。本当に驚いたわ。まさか坂口さんにそこまで考える知恵があったなんて」


「おいコラ」


「明日は核ミサイルでも降ってくんじゃねぇの?」


「それ俺達死ぬじゃん!」




坂口さんは驚く私達に、顎を少し上げて見下すような体勢をとってニヤニヤと笑った。彼も私も、その勝ち誇った表情に少しの苛立ちと屈辱を覚えるが、実際に心底驚いているのでぐうの音も出ない。



「じゃあ、その計画を見してくれよ」


「ふ、ふ、ふ。もちろん良いとも!えっと、確かここに……あ、朝倉先生が持ってるんだった」


「あぁ、これか。まぁ計画としての不備はないし、部費の範囲で抑えられてるから問題は無いと思うよ」


「お、おぉ。そこまで完璧に仕上がってるのか」


「えっへん!どう?どう?ちゃんとできてるでしょ?」



朝倉先生からA4用紙数枚を受け取り、写真と文字でビッシリと詰まったその紙を三人で分かれて読む。日付は夏休みのど真ん中の八月十七日。宿泊期間は一泊二日。朝一番に学校に集合し、そこからは先生の車で施設まで向かうとの事だ。内容は未だ考え中、と書いてあるがそこは後々埋まって行くだろう。あとは費用の方なのだが、そっちは先生が言っていた通り部費の範囲で抑えられてる。まぁ、行きと帰りのガソリン代は考えられていないが、そこはそれ。先生の優しさで免除してもらえるだろう。



「まともにできてる……」


「あぁ。ちゃんと計画は練られてるな。確認なんだが、この施設の予約は取れてるのか?」


「えっと、今日みんなの行くか行かないかを決めてから電話するよ。先生が」


「そうか。まぁそれなら良いんじゃねぇの?俺も行くとする」


「特に用事もないし、私も行くわ」


「よーし!第一関門ならぬ最終関門突破!!あとは予約するだけ!!」


「ここしか関門無かったのかよ」


「そら、ね?この二人だし」


「心外だなぁ。そこまで無粋な奴じゃねぇだろ?俺」



何やら、とんでもない自己否定が入ったが私は特に口を挟まないで済ます。あとは朝倉先生が予約を取って、了承が得れるとこの計画は完全な物へと変わるだろう。少し私はそれが楽しみだった。














ーー



「ふぅ……予約は取れた」


「よっし!」


「部屋は二つ、チェクインは昼の三時だ。荷物は私の車の中に詰め込んどけば何とかなるから、これで全部OKだな」


「よしよし!」


「まぁ昼飯は捨てれる容器の弁当を持って行けばさして問題はないでしょ。ゴミはゴミ箱に捨てればいいし」


「あぁそうだな。宿泊施設って言っても、そこそこちゃんとしたホテルだし野外活動のような面倒くさい事もしなくていい。精一杯羽目を外してくれよ?」


「いやっほぉ!」


「何しよっかな!何しよっかな!近くに遊園地もあるし!」



はしゃぎ回る坂口さんと柊木君を横目に、大神君は何やら深く考え事をしていた。その光景がどこか不思議と、彼の少なくある人間らしい部分に私は感じた。













次回は来週の金曜日です!


最近投稿頻度が落ちててすみません。何しろ、ラスボス(クリスマス)前の裏ボス(中間テスト)と戦っていまして、あまり時間がないのです。すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ