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結局彼は孤高に立つ  作者: ◾️
第一章 一学期
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第十二話 中間テスト

私と彼、と言うより帰宅部としての最初の活動から早三週間が過ぎた。本庄さんは軽い精神崩壊を起こしていたが、何とか崩壊する前に自制できたらしい。現に今も彼女はクラスの人と仲良く話している。そして、坂口恵美は━━━━━━━、



「あかりん聴いてる?」


「え、えぇ。聴いてるわ」



いつも崩れない笑顔と柔らかく優しい口調で今日を生きている。あの病室で彼女と本庄さんが何を話したのかは知らないし、聞く気もない。だが、そこで何かを決断したのは聞かずともわかった。初めから大神君の掌の上だった事に対しては否めないが、それでもハッピーエンドにはなったのではないだろうか。少なくとも私はそう思う。



「どうしよ、あかりん!中間テストが返ってくるー!あと五分で私死んじゃう」


「たかが中間でどれだけ騒いでいるのよ。テスト後の部活じゃバッチリーとか言ってたじゃない?」


「だ、だって!ライライが言ってる答えと私の言ってる答えが全然違うがったんだもん」



つい先週の金曜日に高校一年最初の関門である中間テストが終了した。あの時の坂口さんはもう素晴らしいほどの自信に満ち溢れていた。だがその日の部活で、彼女の絶対なる自信は大神君に完膚なきまでに叩き潰された。確かに彼女の言っていた答えは間違っていたし、それに自信を持っている彼女を笑ってしまうのは仕方がない。けれど、黙っていたら良いものをちゃんとした解答を言ってしまうのもどうかと思う。それも計算式から何から何まで。その時の彼女が今にも泣きそうだったのは鮮明に覚えている。



「ま、まぁ欠点にならなかったらいいんじゃないの?」


「そうなんだけどさぁ……」


「━━━━━いや、欠点回避は無理だろ」



そんな話をしていると、彼女に現実と言うモノを教えた重宝人が話に割って入った。ふわぁ〜っと大きなため息をし、相変わらずの眠たそうな顔で彼はそう言った。



「えっ!?嘘ッ!マジで?!」


「昨日言ってた答えをそっくりそのまま書いたんならまず無理だな。よくて28、悪くて15とかそんな感じ」



彼は悲壮と言うより最早絶望の淵まで彼女を叩き落とした。改めて現実を押し付けられた彼女は、悲痛な断末魔をあげながら机に突っ伏した。流石にそれは、と彼の方を見ると大神君は今にも大笑いしそうな表情で坂口さんを見下げていた。



「大神君。ホントの事を言ってあげたら?」


「ホントの事だぜ?お前も聴いてて思っただろ?半分以上間違ってるって」


「あかりんも思ってたの!?」


「ま、まぁね。間違っていたのは認めるわ」


「あかりんまで!!」




そんな風に三人で話をしていると、ガラガラとドアが開きてっぺんハゲのおじさんが入って来た。もうダメだぁぁ、と呻きをあげる坂口さんを他所に私は澄ました顔で教科書を取り出した。今何を言おうが結果は決まっている。それが良い方向だろうと、悪い方向だろうと。












ーー



「あざぐらぜんぜ〜い!!」


「お、おい!どうして坂口!大神に何された!?」


「なんで俺がやった前提なんですか」


「君しかいないだろ。こんな他人の精神だけを破壊していくような人は」


「どう言う意味ですか、それ」



部室に入るや否や、部屋にいる先生へ猛突進する坂口さんにこちらはため息を溢すしかない。時間は午後四時過ぎ。六時限目の授業が終わり、今は部活の時間だ。



「見てくださいよ、先生!点数!」


「あぁ、えっと。君の数学の点数は確か……」


「34点ですよ!」


「あぁ、そうだったな。ギリギリで欠点回避してた」


「そうじゃないです!今日の朝、大神君が私になんて言ったかわかりますか?!」


「お、お前それを言うなって!」


「あー、どうせ君の事だから『お前のテスト全部欠点だぞ』とか言ったんだろ?」


「凄い……」


「えっ、当たり?」




思わず感嘆の声を漏らしてしまった。まだ彼との付き合いは短いと言うのに、そこまで正確に読み取るとは。流石先生、としか言いようがない。まぁ彼の名前が出た時点で察しはつくだろうが。



「そうなんです!そうやって人の寿命を縮めようとして来たんですよ!もう犯罪でいいじゃないですか!!」


「お前はどれだけ俺を牢に入れてぇんだよ。それにちょっとからかっただけじゃねぇか。ぐちぐち言うな」


「そうですか!なら先生、もう一つ聞いてください。今回の数学のテストで天宮さんと大神君の点数は何点でしたか?」


「100点だったような」


「喧嘩売ってますよね、それ!あかりんも結託して私を弄んで来るんですよ!私もうダメです……」


「いやまぁ、大神だって他の教科は全て91って微妙な点数を取ってたし。天宮に至っては全教科100点だからなぁ……」


「数学のテストはアホみたいに簡単だったからな。わざわざ点数調整して遊ぶのも面倒だった」


「目の前に34点がいるんですけど!!」


「知らん」



私の点数は置いといて、大神君も遊べるほど頭が良いのは初めて知った。と、言うよりも平均60点あったテストで34点を取る彼女の方が凄いのかもしれない。



「まぁ坂口のかわいそうな話は置いといて、テスト後の新しい仕事だ」



そう言って、朝倉先生は紙を一枚テーブルの上に置いた。














はい!どうも!■です!


あれ?恵美ちゃんがツッコミ役じゃなくて、いじられ役になってるのは俺の見間違い!?


まぁ、その内ツッコミ始まるでしょ。気楽にいこう!( ̄∇ ̄)


次回は……月曜日の夜9時です!お楽しみにー!

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