7.動き出す者
ヌシとの戦いから1週間後、一気にレベルが上がり楽しくなりすぎてしまった俺はひたすらに魔物を狩り、レベルを上げまくっていた。
平原にいる魔物は主にイッカクラビットというウサギの魔物、それからオオナナフシというでっかい虫、ダマシタケというキノコに擬態した魔物などだ。
たまにプルダックという赤い鳥もいるが、どれも大して脅威ではなく、レベル上げにもかなり適した場所だった。
ひたすらに魔物を狩り、その肉を「フレイム」で焼いて食い、夜は平原近くの森の洞窟で寝て、また起きて魔物を狩る。その繰り返しだった。
「よし!!今日も最低ノルマの3レベルアップは完了!!...それにしてもゲーム同様でレベルが上がるほどどんどんレベルアップが遅くなってるな....。」
ついこの前までLv 1だったのに、気づけばもうレベルは72まで上がっていた。
ステータス
素野 犀味 Lv 72
職業:創造神の使い
称号:粉塵の殺戮者
HP:1920/1920
MP:1202/1202
攻撃力:810(+300)
防御力:847(+300)
魔力:1351(+600)
俊敏:973(+300)
運:550(+100)
スキル:「粉末生成」「創造神の加護」「鑑定」...etc
魔法:「フレイム」「ウォータ」「ボルト」...etc
なんか気づいたら物騒な称号も手に入れた。
「称号ボーナスがかなりデカいな...にしても魔力が異様に高く設定されてるよな俺って...。この”職業”が影響してるのか?それとも粉末生成なのか...?」
そして何よりレベルが70を超えたとき、とてつもないものをいくつか手に入れた。
まずは上位魔法。
「フレイム」は「インフェルノ」
「ウォータ」は「スコール」
「ボルト」は「テラボルテッカー」と順当に進化した。
さらに加えて、別属性と思われる魔法も手に入れた。「ライトニング」と「ダークネス」というものだ。おそらくだが、光と闇の魔法だろう。
さらにこれだけでは終わらない。次は粉末生成についてだ。もちろんスキルについての研究も死ぬほどしていた。
まずは手から出した粉を超密度の壁にする。これでなんとイッカクラビットの角も防げる”粉の障壁”が完成した。そしてついには自分自身を粉にして移動したりする”粉塵化”もできるようになった。え、俺って粉になれるの!?...まぁ手から粉出せるしそのくらいできてもおかしくないか。
「レベルにカンストとかあるのかわからんからちょっと不安だけどこの辺ももう狩場としてはかなり弱くなってきたしな...。よし!そろそろ冒険、とやらをしてみようか!」
ついにレベル上げという作業を終え、旅に出る決意をした。
「っとその前にミサに挨拶をしないとな...。あの子には世話になりっぱなしだからな!」
俺はそうして約1週間ぶりくらいにフロンタ村に戻ってきた。
「さ....サイミさん!!生きていたんですね...!! .....うぅよかったぁぁ.....」
ミサは俺の顔を見た途端にその場で泣き出してしまった。どうやら全く帰ってこないし平原の方で激しい戦闘音を聞いて、魔物にやられてしまったのではないかと思っていたらしい。
魔物がうじゃうじゃいる平原まで確認しに行くような自殺行為はできない為、祈るしかなかったとのことだ。心配をかけてしまったな。出会ってまだ数日程度の人間のことでこんなに泣けるなんて...本当に心からいい子だと思う。
「悪い、心配かけちゃったな。俺は大丈夫だ、ありがとうなミサ。」
「生きててくれればなんでもいいです!!おかえりなさい、サイミさん!!」
「.....あぁ、ただいま。」
少し照れながら挨拶を返した。ただいま、か。ずっと一人暮らしだったから久々に口に出したな。
しばらくして俺はミサの家で狩ってきたイッカクラビットを調理してもらっていた。
「すまないな、毎度ごちそうになっちまって。」
「いいんですよ!むしろこんなに食材いただいて感謝でしかないです!今日はうちに泊まっていってください!きっとお疲れでしょうし!」
「いやいや!そこまでしてもらわなくていいから!村の宿でも紹介してくれ!」
ちょっと献身的すぎて怖いぞこの子。
「お気になさらないでください!それにサイミさんお金は持ってるんですか??」
.......あっ。そういえば俺、この世界の通貨なんて持ってないぞ!?てかどんな通貨かも知らないし金という概念があることすら忘れてた!!なんという凡ミスなんだ..。
「あっ...いや...持ってない、な...。」
すごくダサい。死にたいくらいダサい。
「これだけのイッカクラビットのお肉をいただけたら正直1泊分以上元取れてるので本当に気にしないでください!!」
本心からそう言ってくる彼女の善意に俺は甘えることにした。
「わかった、ありがとう。一泊分世話になるよ。」
いつか世界を救ったら、この子を幸せにしてあげたいと本気で思った俺だった。
彼が村に帰る頃。
「お...おい、なんだよこれ!?」
彼が去った後の平原を見て紫色の肌に2本の角が頭に生えた男は驚いた。
「我らの知らぬ魔法か...?いずれにせよヌシは倒され他の魔物もほぼ全滅...。ついに頭角を現し始めたか、勇者....!!」
続けて人間の体に竜の頭のような見た目の男も話す。
「いや、そうじゃなくてこの平原の有様はなんなんだよ!?」
2体の魔族の前に広がっていた光景、それは。
無数に転がっている魔物の死骸と、謎の粉によって真っ白に染まっている平原の姿だった。
「クク...これは魔王様に報告をせねばならんな。急ぎ、城に戻るとしよう。」
「なんで粉まみれなんだよ...マジで意味わかんねぇよ...。」
2体の魔族は平原を後にして飛び立っていった。
語彙力に限界があります。わかりづらかったら指摘しちゃってください!!




