プロローグ
君といるとこんなにスムーズに家に行けるんだね。
あんなに迷ったのは何だったんだ。あ、迷いの森だ。
一緒に並んで入ったらビリビリはこないんだ。ホッとしたよ。ほんのちょっぴりだけドキドキしたけどね。
ここに来るのもずいぶん久しぶりだよ。
それにしても君がいない間もオートビリビリなんだね?
家の周りで何匹か倒れてらっしゃいますが?
あ、焼き払うんだ。すげーな骨も残ってねーじゃん。
しかし、たった七日間の帰り道とはいえ、辛かったねぇ。
馬車嫌いって言ってた意味が分かったよ。なんなの、あの尻にダイレクトアタックされる振動は!敷物は敷いてたけど、なんの役にも立たなかったよ。低反発クッションでもないと無理だよ。
今までほとんど徒歩だから知らなかったよ。
君は嫌いっていてたわりには、平気そうだね?
「空気クッションを敷いてた」
「は?」
駄目元で聞いてみようかな?もしかしたら俺でも、できるかもしれないし。なんとなく確立低そうだけど、万が一ね!
「まずね、空気の層を作るでしょ?それを軽く圧縮するだけ」
「あ、うん。ありがとう」
知ってた。できないよね。
「……おまえにも作った方がよかった?」
「作れたの!?」
「七日ぐらいなら二個作っても平気」
「…………次の機会があったらよろしくね」
途中で聞けばよかったっ!!
そして馬車移動自体も辛かったけど、まあ俺だけだったけど。
なにより食事だよね!
うっかりにもほどがあったよね。仕立て屋から直接、馬車乗っちゃったもんね。
馬鹿だよね。
まさか一日目の夜が街道沿いの簡易宿舎なんてね。
食事持参だったね。乗り合った人たち。
俺たちも持ってたよ、食料。
三十日以上あの町にいたのに、まだ全然食べれることができるカッチカチの完全食をね!
美食の後に、あれはつらかったよねぇ。
君、涙目で食べてたもんね。




