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ゾンビナイト  作者: むーん
閉幕編

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217/222

第217話 (203)喜劇

「1、2の3で、ボカァーン! 愛の爆弾チャンネルの〜シャクレですっ!」


「メガネですっ!」


「今日はウルパーの『垢擦り屋のはたけしごと』コラボイベントに来ましたーー!」


「これ、“垢”です……」


「いや、それ苗苗のせりふぅー!」


「そう言うシャクレはジョン氏様のコスプレしてるぅー!」


「あは! あは! あはははは!」


◆◆◆


「続いては、3ヶ月ぶりの登場かな? ノベルナイトのみなさんでーす」


「よろしくお願いしまーす!」


「髪切った?」


「はい……! 実は切りました!」


「なんかテーマパークでライブをやったんだって?」


「はい……! それから僕たちバンドも一体になって、活動できるようになって……。最初はちょっと後ろ向きだったんですけど、やって良かったなと思ってます!」


「はぇ〜、そうですか。じゃあ、スタンバイよろしくお願いしま〜す」


「えっ、もう?! よろしくお願いしまーす!」


「えーと……Rainのチョウチョちゃんも、テーマパークに遊びに行ったの?」


「んー、どうでしたっけ? 忘れちゃいました」


「あっはっは、すぐ忘れちゃうよねぇ……おっ、スタンバイが出来たようです。ノベルナイトで『ゾンビナイト』です、どうぞ!」


◆◆◆


『これのどこがクリスマスなんだ!』


『カントクちゃんの言う通り』


『昔のクリスマスショーはよかった……』


◆◆◆


『今年の、カウントダウン、では、オールナイト、でも、あったように、今までの、歴史を……』


『流石コツさん。迅速な考察シェアあざです』


◆◆◆


「おかーさーん! はやくー!」


「待って! 今用意してるから、カメラカメラ…」


「もう! カメラはいらないってば!」


◆◆◆


「あの……」


「どうしたんですか? ニンジャさん」


「パークで忍者見たことありますか?」


「え?! ニンジャは貴方でしょう?」


「いや、そうじゃなくて! 本物の忍者がいたって話聞いたことないですか?」


「本物の忍者……知らないわね。映画村じゃないんだから……」


「デイちゃんでも知らないのか……」


「え、忍者を見たの?」


「見たというか、見れなかったというか……」


「あの……僕もデイちゃんに聞きたいことが……」


「うわ! ラブさん、いつからそこに……」


「オールナイトの日に見たゾンビの女の子、あれから一度も見なくて……。あの日見たのは幻だったのかと……アイドルゾンビの幻影を追いかけてたのかも……」


「あーーもう! 二人とも! 私が何でも知ってると思わないで!!」


◆◆◆


「見た?」


「カルーアさん! テレビですよね? 見ました!」


「りゅうじん君のビジュやばすぎなんだが。オタク殺しにかかってるだろ」


「おーい、みんなーポテト頼んどいたよー」


「え……? サイズは……まさか……」


「Sじゃないよ! パーティサイズにしてます!」


「じゃあ、ゾンビナイトお疲れ様会を!」


「いやもう始まっちゃってるんだよね」


「いや、文子まだ始まってないから」


「ふふふ。文子ちゃん、おもしろーい!」


「カルーアさん、恐縮です……!」


◆◆◆


「タテノくん、今度休みの日一緒に遊園地行こうよ!」


「え、本当に?!」


「うん、今度こそジェットコースターリベンジだね!」


「そ、そうだね……あははは……」


「今度はシステム不具合で乗れないってことがないように、18個もコースターがあるところに行こうと思ってて!」


「じゅっ、じゅうはちぃ?!」


「お、タテノくんも盛り上がってきたねぇ〜」


「18回もコースターに乗るのか……」


「何言ってるの、タテノくん! 折角行くのに一回ずつじゃ勿体ないから、三回ずつは乗りたいよねぇ〜」


「三回ずつ?! さんかけるじゅうはちは……えーっと……」


「楽しみだねぇ〜!」


◆◆◆


「ビッグボスのネェちゃん、これ……」


「あれ?! これは無くなってたゾンビの衣装! 見つけてくれたの?」


「まぁ、せやな。オレは迷宮知らずの名探偵ってことや!」


「流石〜! 頼りになるわ〜。早速新しい事件なんだけど……」


「んなっ! またかいな!」


◆◆◆


チーン


「わざわざ来てくれてありがとうねぇ、ケンジくん」


「いえ、こっちこそ中々来れずにすいません」


「謝らないでよ! ユウも喜んでくれてると思うわぁ」


「あはは、そうですかね……」


「うん、きっとそうよ……。あの頃もいつもケンジがーケンジがーって帰ってくるたびに言ってたんだもの」


「僕もユウくんのこと、毎日考えて……」


ぐぅ〜


「あっ、すいません……」


「ふふふ、いいのよ。お腹空いたでしょう? オムライス食べない? 昔もよく食べてたでしょう?」


「え、いいんですか! おばさんのオムライス久しぶりだなぁ〜」


「ケンジくんが来るっていうから、たくさーん作ったのよ!」


「うわぁ、楽しみだなぁ〜」


◆◆◆


「先輩……すいません!」


「もういいって、ココロくん!」


「でも……俺が100悪いのに……」


「もういいよ、その話! 50:50って話になったんだから! どっちが悪いとかないから!」


「いや、俺が100悪いのに、当日も体調崩しちゃって……」


「それは仕方ないよ、ココロくんが体調悪くしたのも俺が怪我しちゃったのが悪いんだから……」


「確かにそれもそうですね? 先輩が怪我しなかったら、俺は体調を……いや、怪我したのは俺のせいなんで、俺が体調崩したのも俺が100悪いっす……」


「もう、いいよ! 何でそんなに100取りたがるんだよ!」


◆◆◆


「ふぅ……疲れましたね」


「毎回毎回こんな入念にリハーサルしなくても良いのににゃー」


「ハナさんはそうかもしれませんが、今回が初めてで慣れない者もいるのですよ。一人が完璧なだけでは、ショーは成立しませんから」


「相変わらずお固いなぁ、ゾンビさんは。ゾンビナイトの時はあんなに愉快なのに」


「愉快ではありません。ゾンビナイトではゾンビなだけです」


「今は何なのさ?」


「今は只のゾンビさんです」


「あぁ……愉快なゾンビさんよ、戻ってきてくれ〜! 今のゾンビさんを見たら、カッピーも驚くだろうなぁ」


「カッピー君……。会いたいですねぇ。もうゾンビナイトが昔のようです……」


「ふふふ、実は明日カッピーとデートなんだよね。ゾンビさんがよろしく言ってたって伝えておくよ!」


「ほう、それは良いですね……! 是非伝えておいてください。元気にしてますでしょうか」


「元気かどうか、私が確かめてきますよ! ゾンビさんは呻き声をあげて待っててください!」


「呻き声はあげませんが、楽しみに待っていますね」


「……。ゾンビさん、冗談だにゃー」


「そうでしたか。失礼しました」

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