表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾンビナイト  作者: むーん
オールナイト編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

215/222

第215話 (201)???、はじめてのウルパー大満喫日記-2

——ふぅ、お腹いっぱいだ


 ピザはとても美味しく、まるで本格イタリアンのようでした。あまりのおいしさに無我夢中で食べてしまったので、写真を撮り忘れてしまいました。反省。食べ終わった後の空のお皿だけ載せておきます……。


「ゔぅ……ゔぉあ!」


 ピザ屋さんを出て、私を待ち受けていたのはゾンビでした。そう、今日は10/31ハロウィン当日。ハロウィンイベントのゾンビナイト真っ只中の日です。正直、最初はゾンビがストリートを歩いて何が楽しいんだと思ってましたが、実際見てみると……これはハマる! ゾンビと言っても可愛いゾンビからかっこいいゾンビまで様々な種類のゾンビがいて、それぞれが個性的なのです。私のお気に入りのゾンビはこの人です!


「おぉ……。闇よ……」


 この闇がどうとかずっと言っているゾンビ! 発言や行動がなんか癖になってずっと見ちゃいました! そうこうしていると突然園内にサイレンの音が鳴り響きました。


『ウォォーン、ウォォーン』


 その音を聞いたと同時に私のお気に入りゾンビが叫び始めました。


「おぉ…闇よぉぉ!!!」


「うわ!びっくりしたぁ!」


 私は思わず声を上げてしまいます。だって急におっきい声出すんですもん。更にゾンビ達は次々に叫び声を上げていきます。


「時はきたぁあ!!闇の祝祭だぁあ!」


「ゔぅぉおおおおおお!!!」


「ゔぅ…!!ゔぉぉああ!!」


ザッザッザッ


——何が始まるんだろう


 気になった私はそのゾンビさん達に着いていくことにしました。


——あ、ここさっきのステージだ


 そのゾンビさん達が向かった先は、先ほどのピザ屋さんを教えてくれたスタッフさんがいたステージのある公園でした。先程は人はそこまで多くなかったのですが、今はもう人で一杯になっていました。ステージの上にもキャラクターとバンドの人も出てきていて、ショーはもう始まっているようです。出遅れてしまいました!


「あ、さっきの……! ピザは食べられましたか?」


 私が戸惑っていると、先ほどのスタッフさんが気づいて声をかけてくれます。ピザ美味しかったですと伝えると、笑顔で良かったと喜んでくれていました。ショーを見る場所がないかと尋ねると、少し空いている場所まで案内してくれました。そのスタッフさんのおかげでステージをよく見ることができました! ありがとうございます!


 ショーはノベルナイトの演奏があったり、色んな種類のゾンビが出てきて踊ったり、初めて見る私でも楽しめるものでした。中でも、軍服を着たゾンビが昔の曲で踊ったりしているゾーンは周りの人が大盛り上がりしていました。どうやら、昔のゾンビが復刻していたようです。昔からのファンを大事にしているパークは素敵だなぁと思いました。


 しかし、ここからショーは怒涛の盛り上がりを見せ始めます。ノベルナイトが何やらセッションのような演奏をし始めて、1人のゾンビが登場した瞬間……きゃぁぁあという割れんばかりの歓声が上がりました。どうやら、人気のゾンビが出てきたようです。私も少し遠いながらも、そのお顔を見て、あまりのかっこよさに見惚れてしまいました。これが国が傾く顔……傾国顔ってやつか……と思いました。しかも、顔がかっこいいだけでなく、ダンスも素敵で魅了されてしまいました。


『貴様らも踊る阿呆にならNight〜!』


 先ほどの傾国ゾンビを見送った後に、ナイトベアーちゃんという可愛いクマの着ぐるみが出てきて、ダンスのレクチャーをしてくれました。このナイトベアーがとにかく可愛い……。あまりの可愛さにショーの後にショップに駆け込みましたよ、私は。散財に次ぐ散財でお財布が悲鳴をあげております。


ちゃんちゃらら〜


 ナイトベアーちゃんが帰った後に、ノベルナイトが今年のテーマソングを演奏し始めます。それと同時に、花道の方に2人のゾンビが登場しました。そして、ステージの周りに集まっているゾンビ達も音楽に合わせて踊り始めます。私も一緒にダンスを踊るらしいということで、何となくの振り付けを練習してきていたのですが……。


——恥ずかしい……


 先ほどのナイトベアーもダンスを教えてくれたので、サビの振り付けは頭に入っていましたが、やっぱり1人で来ているということもあって、踊らずにもじもじと手拍子だけしていました。近くにいた親子は上手にダンスを踊っていて、すごいなぁと思って眺めていました。特にお子さんはプロ顔負けくらいキレキレで踊ってました。私のダンスなんて、それに比べたら……。そうこうしているうちに曲が終わりました。


——結局踊れなかったなぁ


 そう少し後悔していると、ステージからギターの音が……! 何だ……と思っていると、近くにいたゾンビさんが叫び始めます。


「終わりなき闇が始まるぅう!! さぁ、闇だぁ。闇を喰らわせろ、もっと……もっとだぁ!」


 お気に入りのゾンビさんが咆哮します。それに呼応するように周りのゾンビも叫びます。


「ゔぅ……!! ゔぉおおお!」


——乗るしかない! このビッグウェーブに……!


「ゔぉあ!! ぐぅあああ!!」


 私もゾンビの真似をして叫んでみました。そうした瞬間、先ほどまでの恥ずかしがっていた自分が消え去ったのを感じました。私もこのゾンビと一緒に踊るんだ、次こそ。


 再び、ノベルナイトが演奏を始めます。曲は先ほどと同じ曲。振り付けは頭に入っている。よーし。


『ゾンビ ゾンビ 踊らにゃゾンビ』


——この歌詞、踊らにゃ損とかけているのか


 無我夢中で踊りながらそんなことを思っていました。いや、この時は何も考えてなかったかもしれません。後でこの曲を聴いた時にそう思ったのかも。この時はとにかくゾンビと一緒に踊るのが楽しくて、ただただ踊っていました。


「ありがとうございました、ノベルナイトでしたー! ゾンビ達にも惜しみない拍手を……!」


 曲が終わり、ステージの人たちが帰っていきます。あぁ、終わってしまうのか。少し悲しくなりました。しかし、オールナイトはまだ終わらないのです! そう、朝5時まで続くオールナイト。まだ閉園までは何時間もあります。私はそれからストリートのゾンビ達と朝まで踊り続けました。こんな楽しいことがあったなんて!


 流石に朝5時が近づくにつれて、体力の限界を迎えたお客さんもいるようで、道端には座ったり、横になって眠ってしまったりしている人が沢山いました。そんな人を横目にゾンビが闊歩している風景は本当に映画のゾンビの世界に入ってしまったように感じました。


 精一杯楽しんでいると、時間はあっという間に過ぎてしまい、朝5時の閉園時間になりました。私はゲートをくぐり、少し白んできた空を背にして家路に着きました。


 ウルパーのアンチをしていたことを悔やむほど、パークは素敵でキラキラとした時間を私にプレゼントしてくれました。秋のゾンビナイト以外にも、春夏秋冬に様々なイベントがあるようです。私はまた必ずウルパーに来ることを決意して、電車に揺られていました。次は冬のイベントの時かなぁ。


 長くなってしまいましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました! 是非パークに足を運んでみてくださいね! お勧めです!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ