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第一話 流れ星
「今日の雨、すごいなぁ……」
朝だというのに空は夜のように暗かった。
灰色の雲が空を覆い、激しい雨が窓を叩いている。
そんな中、私はスマートフォンの記事を見つめていた。
今日の夜は流星群。
本来なら絶好の観測日和だった。
「この雨じゃ無理かな」
そう呟くと、母が笑った。
「そうね、仕方ないわ」
私も苦笑する。
星なんて見えるはずがなかった。
◇◇◇
放課後になっても雨は止まなかった。
教室では流星群の話題で持ちきりだ。
「楽しみにしてたのに」
誰かがため息をつく。
その時だった。
窓の外がふわりと明るくなる。
雷ではない。
もっと柔らかく、美しい光。
ざわめきが広がる。
私は窓へ駆け寄った。
そして息を呑む。
雨雲の向こう。
本来なら見えるはずのない空を、無数の流星が流れていた。
まるで星の川。
夕方なのに。
雨なのに。
ありえない光景だった。
「綺麗……」
その瞬間。
流れ星の一つがこちらへ向かってきた。
大きく。
近く。
まっすぐに。
――落ちてくる。
世界が白く染まる。
最後に見えたのは、優しく手を差し伸べるような星の光。
そして私は――
知らないはずの空へ落ちた。




