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ドラゴン、異世界の人と出会う

 ヘルドラゴンとの一戦は被害を結構与えたらしい。

 オレは翌日ギルドに行くと騒ぎが起きていた。


「オラの畑がこいつのせいで荒らされただ!」


 と、連行されていたのは見知らぬ男二人と女一人。

 妙な格好をしており、女は首元にスカーフを巻いてスカートを履いている。


「ここはどこなんですか!?」

「ここはファロファラル王国だっつってんべ! オラの作物を食い荒らしやがって!」

「あ、いや、お腹が減ってて…。その、竜と竜が戦ってる時そのふもとで気がついたっていうか…」


 あー、それはもしかして。


「白い竜と黒い竜か?」

「はい! 死にそうだったんで逃げてきたらこの人の畑で…お腹すいて倒れそうだったので」

「んなこたぁいいんだ! おいギルマスさんよぉ、こいつらどうにかしてくれよぉ…」

「黒い竜と白い竜…」


 ギルマスがこちらを見る。


「わかった。引き取ろう」

「頼むべー…。オラも騎士に引き渡したくねーし仕事与えてくんろ」

「努力するよ」


 ギルマスがそういうと満足そうに農場の親方が去っていった。

 オレは帰ろうとすると肩をガシっと掴まれる。


「ヘヴン、ギルマスの部屋へ」

「…はい」


 オレはギルマスの部屋に連れて行かれる。






 ギルマスとオレは隣に座り、男たちを目の前に座らせる。


「で、まず名前は?」

「え、えーと如月 祐です。こっちが篠原 芽愛(めあ)でこっちが和田 彰人(あきと)です」

「変な名前ねぇ。私はマーズでこっちがヘヴンよ。ユウにメア。アキトでいいわ。あなたたちはどこからきたの?」


 ふむ、その名前、か。

 白と黒の竜は紛れもなくオレとヘルだろう。


「え、えっと、俺たちは学校から帰っていたらこの世界にいて…」

「ふむ…戦闘訓練学校から…」

「せ、戦闘訓練学校?」

「違うの?」


 もしかして…。


「イセカイ、ってとこから来たやつか?」

「イセカイ?」

「ギルマスも聞いたことはあるだろ。遥か昔イセカイから勇者を呼び出した云々って話。アレだよ。多分オレとヘルのブレスの大爆発が時空を歪めて連れてきたんだな」


 うん、やっぱりオレらのせいだ。

 でもイセカイ。イセカイっていうのはいまいち信じがたいがどこから来たのかわからないこいつらは多分イセカイの住人だろう。


「イセカイがあるって言うのは聞いたことあるけど…この子たちがそうなの?」

「多分な。オレもイセカイには行ったことねーから知らんがイセカイから来たんだよ。なあ?」

「ここが日本じゃないのなら…はい」

「ああ。ここはファロファラル王国っつー場所だ」

「なら私たちは異世界から来ました」


 ほらやっぱり。

 見慣れない服装なのはイセカイの服だからだ。イセカイから無理やり連れてきてしまったんだろうな。

 イセカイ人。ほう、なかなかいい顔立ちしてるじゃん。オレも長年生きてきて初めて見た。オレイセカイってのは知ってたが見たことはなかったからな。


「なるほど…。にわかには信じがたいけど信じましょう。とりあえずどうするかを決めなければ…」

「…住むところを確保したいです。異世界となると我々は無一文なので仕事も欲しいです」

「なら冒険者で依頼をこなしてきなさいな。登録はしてあげるから…。まず薬草摘みとかがいいのだけれど…」

「呼びました?」

「テメェは呼んでねえよアリィ」


 薬草という単語に反応したのかアリィがひょこっと顔を出す。


「あの子が大半の薬草を毟り取るから足りてるのよね」

「それにもう夜遅いから仕事はなさそうだぞ」

「そうねぇ…。まあ今日は仕方ないからギルドに泊まりなさい。私は考えておくから」

「あ、ありがとうございます!」


 と、話がまとまったので帰ることにした。

 イセカイというなは何なのだろう。イセカイというのを調べてみたいがいけないもんな。


「ふあーあ…」


 ねみーや。

 細かいことは明日考えよう。



















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アンダーワールドクロニクル
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] おぉー、異世界人か、テンプレだとチート能力を持ってたりするんだよね。
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