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第六話 ゴスロリ少女
「ちょい、そこのお兄さん」
家路を歩いていたとき、何者かに後ろから声をかけられ、高見は振り返った。ゴスロリファッションの少女が立っている。身長は高見より頭ひとつぶん小さく、雰囲気から小学生ぐらいに見えたが、子供には出せない妖艶な笑みを顔につくっていた。
「お、俺を呼び止めたのかな?」僅かに動揺しながら高見は訊いた。
都会から離れた住宅街で、ゴスロリファッションの人間を見るのははじめてだった。声をかけられるのも同様だ。
「あなた以外に人はいないでしょ」呆れた口調で少女がいった。
通りには人影はなく、高見と少女は電灯の明かりから離れた場所で向かい合っていた。少女は心の奥を覗き込むような目で高見を見ている。
何かの勧誘だろうか。トラブルの臭いが漂ってくる。用件を言わない少女に業を煮やし高見はいった。
「急いでるから、行くよ」
背を向けてさっさと歩きだす。突然、肩を掴まれ強引に振り向かされた。
「なにを………!」
少女が高見の額に人差し指を押し当てた。突然の出来事に言葉を失う。
「いってらっしゃい」
少女はそれだけいうと高見の前から立ち去った。




