第二話:気になる青は青い魔女?
第二話
気になる娘が…
「とうっ」
「いたっ…」
誰だ?今俺の頭に消しゴムぶつけた奴は。
「…こほん」
気になる人がいる。
気になると言っても、土器が胸胸するような相手じゃあない。
その人は通称『学園の青き魔女』と呼ばれているそうな。
何でも、『未来を見る事が出来る』そうだ。タロット占いとか、星座占い、根性占い等で未来を見るのだろうか。
ちょっと、気になる相手なので会ってみることにした。
どこに居るのかわからなかったのでクラスメートに尋ね、その場所へと行こうとすると教室の扉が勝手に開いた。
「ここって自動ドア…じゃなくて、向こうから誰かが開けたのか」
「貴方」
「はい?」
「見えないわ」
「あ、すみません」
教室が見えないからどけという意味かと思えば、違ったようだ。
クラスメートたちが『群青様!』と呼んでいる。
どうやら、この人が有名人の群青藍先輩みたいだ。
「グンジョー?」
「群青藍」
「え?あ、はい」
差し出された右手を掴もうとすると、どうやらタイムアップらしい。ひっこめられて空気をにぎにぎしてしまった。
「名前は?」
「え、あ、俺っすか?俺は白取冬治です」
「転校生ね」
「はい。昨日から来てます」
「やっぱり、見えないわ」
「はぁ?」
良くわからないけど、呑まれる雰囲気。
自分の部屋に女性用の下着を被ったライオンが鎮座している…そう言えば伝わってもらうと思う。
「え?転校生君の未来、見えないんですか?」
女子生徒がそう言うと群青藍先輩はこっくりと頷いている。
「う、嘘!」
「凄い!見た目は平凡なのに!」
クラスメートたちが本人であろう、俺を押しのけてどういう事ですかと群青藍先輩をもみくちゃにしている。
「…いいなぁ、おれも女子に成りたい」
「群青先輩をもみくちゃにしたい…」
ひとしきりもみくちゃにされた後、解放された群青先輩は再び俺のところへとやってくる。
非常に静かな口調で笑ってらっしゃる。
「保護下に入れたわ」
「保護下?」
一体何から保護してくれるんだろう。
「えーっと…」
せっかく、有名人と知り合いになれたのだからもうちょっと会話に花を咲かせてみようと思う。ああ、でもこれっきりになるだろうなぁ…。
「定期的に会いに来るから」
きゃーすごーい!わたしたちの未来ももっとみてください!女子生徒からはそんな声が、男子からは…え?オーラとか一切感じない転校生があんなにちやほやされてるだと?と言った驚きの声が上がっていた。
当の本人である俺は、頭の中が『?』で一杯だ。
「私はこれで」
「え、ああ…はい。さようなら」
良くわからない人だった。
ただ一つ、わかった事は…胸が、大きかったと言う事だ。




