第二十四話 王都の裏側
王都の裏路地にある、荒れた建物のひとつに数人の男達が集まっていた。
部屋中央の広めのソファーにどっかりと座った燃えるような赤い髪の男。壁により寄りかかり、目を閉じている者や、樽の上に座って退屈そうにあくびをしている者、手の中の魔道具で遊んでいる者など数名が、赤い髪の男を囲んでいる。とても表の人間とは思えない独特の雰囲気を出している。一人の男が話し出した。
「頭。最近、見慣れない連中が増えましたね」
「ああ、妙な連中が入り込んでやがる」
「探りますか?」
「深入りはするな、どうも普通の連中じゃないみたいだからな、お前らも暫くは派手に動くな」
数人の男が、話を聞いて頷いているが、少し残念そうな顔をした男が呟く。
「えー、暫く動けないと退屈なんですよねー」
「お前、いつも派手に動きすぎなんだよ。頭が言ったんだから、暫く大人しくしとけよ」
「チッ」
別の男が男を嗜めるが、納得はしたが不満そうだ。
「変な奴らの正体も分からねえからな。貴族の連中も最近おかしな行動をとるやつがいるみたいだ」
「そういえば、変な薬が貴族連中の間で流行ってるらしいですよ」
「ああ、らしいな。専用の夜会を開いて広めてる奴がいるらしい」
「何が目的なんすかねー」
「分からん、ただ言えることは、警戒を怠るな。それと、最近人が消えてる。…子供達に注意しとけ」
子供の話が出たところで、少しピリッとした空気が流れる。
「この後、俺が一度様子をみに行く。暫く昼も夜も見回るようにしとけ。異常があったら知らせろ」
赤い髪の男が命令をすると、他の男達は頷く。
そのままいくつか雑談した後、男達はそれぞれ部屋を出て行った。
残った頭と呼ばれていた男も立ち上がる。
「なんだか知らねえが、面倒くせえ事が起きなきゃいいが…。面白えことなら大歓迎なんだがな」
そう言うと、男も部屋を出た。
王都の裏側には日々暮らして行くのもやっとなもの達が存在する。
中には子供もいる。この裏路地では、大人でさえ生きるのがやっとだ。子供ならなおさらだ。、そんな子供達を影ながら守っている者もいる。
男が歩いてると、突然現れた子供がぶつかってきた。その拍子に、子供の腕からパンが転がり落ちる。
「また、表から盗ってきたのか。俺が持ってきてるだろうが、自分達だけでやるんじゃねえよ」
ぶつかった子供は一瞬驚いた顔をしたが、男の顔を見ると、ホッとして、次は言い訳を始めた。
「!だって、いつも持ってきてもらってるけど、俺達だってもう自分でなんとかできるよ!それに成功すればその分を小さい子に回せるんだ…だから…」
「……だからって表でやり過ぎると、次はもっと厳しくなるぞ。そうするといつか捕まる奴が出てくる。その時お前達はそいつを見捨てられるのか?」
「……」
「とにかくもう自分達でやるんじゃねえ。ほら、今日の分持ってきてるから、ちゃんと全員で分けんだぞ。変な奴らもうろついてる。警戒をしとけ、知らない奴とは話すな」
「…わかった」
「最近変わったことはないか?」
「…そういえば、この間、悪いけど悪く無い貴族を見たよ!」
「悪いけど悪く無い貴族?なんだそりゃ」
「前は意地悪?だったけど、この間見た時は人を助けてた!」
「へえ…」
詳しい話を聞き出すと、男は面白いものを見つけたと言わんばかりの顔をしていた。
「……面白ぇ。悪くねぇ貴族ってやつを、この目で見てみるか」
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