131:勝利の咆哮
「ス、スキンヘッドお前……味方になってくれるのか?」
「おうよ。――ただし、勘違いするなよ」
スキンヘッドは片手で俺の腰を抱き寄せると、もう片方の手で首を掴み上げてきた……!
「『女神側』とかいう邪魔者どもを排除するまでだ。そっからは、オメェとオレ様だけの時間だぜぇ……ッ!」
「っ、あぁッ! 戦ろうッ! 全部片づけたら、二人で朝まで盛大にっ!!!」
俺のライバル……俺の宿敵……! これほど頼もしい援軍があるか……!
俺たちは顔を見合わせ、ニッと親友同士笑い合うのだった。
「って待つでゴザル待つでゴザルッ!? なんか納得いかないんだがー!?」
とそこで。敵プレイヤーの首をスパスパ切り落としながら、ザンソードがプンスカと近づいてきた。
いやなんだよザンソード。せっかく頼れる男が仲間になってくれたのに。
「みっみっみっ認めんぞォーッ! この筋肉ダルマめッ! 拙者だって、これまでユーリの敵だった立場を翻して仲間になったというのに!
なのに拙者とは違って、こんな……なんかっ……めちゃくちゃイイ感じの場面で参戦しおってッ! さては貴様、出るタイミングを計っていたな? そこまでしてユーリを自分のモノにしたいか!」
「はァ? んなわけねェだろうが馬鹿ザムライ。つーかとっくにユーリはオレ様のモノだろ」
「なっなっなっ……!?」
……なぜか崩れ落ちるザンソード。
突然キレたかと思ったら、今度はショックを受けた表情で「とっくに……貫通済みか……」と意味わからんことをほざき始めた。なんか知らんがキモ面白いヤツだ。
あ、今度は泣きながら俺のお腹に抱き着いて頬ずりしはじめた。なぜか慈愛に満ちた瞳で「ならば拙者は武士らしく、次世代の命を守ろう……」とか言ってる。やっぱただのキモいやつだ。
――まぁとにかく。
「それで、ペンドラゴン。本番前に今からやっちまうか?」
スキンヘッドとザンソードを側に置き、さらに背後にはハイになった『魔王側』プレイヤーたちを侍らせ、俺は敵将に問いかける。
するとヤツは両手を軽くあげ、苦い表情で「降参だ」と呟くのだった。
「ははっ……完敗だよ、ユーリくん。『女神側』の勝利を決定付けるための映像公開だったのに、キミたちのいい宣伝になってしまった」
「なぁに、お前たちのほうが数で勝ることは事実なんだ。そう不利になることはないだろう。
――まあともかく、今日のお前は負け犬だ。あと三秒で逃げ帰らないと公開処刑にしてやるぜ?」
「ッッ……! いいだろうユーリ、本戦ではこの屈辱を千倍返しにしてやるさ……ッ!」
そんな意外にも子供らしい捨て台詞を吐き、ペンドラゴンは白き光となって走り去るのだった。
ってなんだあの技? あの全身ピカピカになるのも異世界のアーツってやつなのか?
「……まっ、いっか。これからはどんな敵がどんな技を使ってこようが、全部味わってぶっ殺してやるだけだからな……ッ!」
決意も新たに、空中に浮かんだ巨大ウィンドウを見上げる。
あそこにきっちり映り込んでいたことだろう。俺たちが数多の敵を殲滅し、大将を敗走させる光景が。
「見ていたか、全プレイヤーよ? 理解したか、『女神側』の連中め」
天に向かって呼びかける。
敵兵の死骸散る戦場の中心で、仲間たちと共に高らかに――!
「これが、俺たち『魔王軍』の力だッ! 敵対する奴は全員ぶっ殺すから覚悟しておけよォーーーーッ!?」
『ウォオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!』
全員で中指をビッと掲げ、俺たちは勝鬨を上げるのだった――!
・これより、最終章に突入します――!
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