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ディサイド・デュラハン  作者: 星川レオ
第4部 「現」「冥」融合大戦 傀魔怪堕
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257章Side:深也 母の深き愛に『兆』あり

 セカンドディサイドにより、新たな姿となった【鉄絆(くろがねばん)法師】カサエルの登場で街中の風景は赤と青の空の下に雪が降り、花びらが舞うという破滅的でありながら幻想的でもある風景となった。


「芸者は味わった感動を独り占めにしたりはしないさぁっ!自分が得た感動を自らの行いで全身全霊で表現し、人々に夢を与える!それを体現したが我がこの鉄絆!今、お披露目に御座ぁ〜い!」


 【鉄絆法師】カサエルは高く跳び、宙に浮いて唐傘五本を展開して回転させる。


「大樹、ダガーたちが凍って身動きが取れない今が皆に夢を与えられるチャンスさぁっ!デバイスに大樹の想いを!」

「わ、わかったぞい!」


 大樹は右手に持ったデバイスを勢いよく前に出すと光が照射され、次々と唐傘に当たっていく。


「抽出し、映し出す場面は『家族との対面』!大樹が得た感動を今、あっしが分け与える!」


 発光した色とりどりの唐傘は回転しながらまるで意思があるように舞い、スポットライトのように大地を照らす。


「な、何だ、カサエルの奴…?」

「一体何をしようってんだ…?」


 深也とランドレイクは不思議そうに周りを見る。


(お父さん!)(あなた!)

「…!? お前たち…!何で…!?」


 デュラハン・パークに避難しているはずの司令の息子と奥さんが唐傘から発する光で映し出された。


(何だかわからないけど…今、あなたが戦っている場面が映し出されるみたいね…。無事で良かったわ…!)

(お父さん、がんばれぇ〜っ…!)

「…あぁ!父さん、頑張ってるぞ…!」


 司令は目を少し潤ませて妻と息子を見た。


(愛歌…!)

「…! お母さん…!」


 愛歌もパークに避難しているはずの母の姿が映し出された。


(大樹、しっかりせい!)

「爺ちゃん…!ははっ、もうクリスマスプレゼントは十分と言ったんじゃがの…!」


 同じくパークに避難している大樹のお爺さんも姿を見せた。


「おいおい、何だ?戦場で授業参観かよ?」

(深也…。)

「…ま、この流れじゃそう来るよな…。」


 深也の前にパークに避難している父親・北斗が姿を見せる。


「…気持ちは嬉しいけどよ、カサエル。俺の場合は…。」

(深也。)

「えっ…?」


 深也は急いで後ろを振り向いた。そこには深也の母・倫子が立っていた。


「母さん…?」

(お前、何で…?)

(ふふっ、来ちゃった。)


 倫子は両手を後ろにやり、笑みを浮かべた。


「これは…?」


 倫子はカサエルの唐傘による投影ではなく、薄っすら透明な姿でそこにいた。


「…!? まさか、あの時…!?」


 ダガー・デュラハンたちが街中に出現した際、深也は大樹たちと一緒に行動していて、そこで倫子の姿を見かけた。

 深也が倫子の後を追いかけた時、そこには北斗の姿があった。


(そうよ、深也。お父さんのところに案内したのは私。あの時はすぐに消えちゃったけどね。)

「母さん…。」


 深也と北斗は互いに倫子を悲しそうに見た。


(そんな悲しそうな顔しないの、せっかく再会できたのに…。母さんね、深也たちの事ちゃんと見てたよ?二人共、お互いに芽依の事を思って誕生日プレゼントを渡すはずだったのに病院内で喧嘩しちゃって…。もう、駄目じゃない。芽依を泣かせちゃ。)


 倫子は前屈みになり、右手の人差し指を立てた。


「そ、それは…。」

(め、面目ない…。)


 深也と北斗は互いに申し訳なさそうに下を向く。


(今度から二人共、仲良くするのよ?二人が仲違いする姿は見ていて心が痛むんだから。何より、芽依を悲しませるのが一番駄目!)

「芽依…。」

(芽依が深也たちと争う事になっちゃったのも私、知ってるわ…。せっかくまた会えたのに芽依だけこの場にいないのは残念ね…。)


 倫子はそう言うと身体が消え始めた。


「母さん!?」(倫子…!)

(また消えちゃうみたいね、私…。でも、良かった!二人とまたこう話せて!)

「…母さん、芽依は絶対に俺が助け出す!必ず助け出す!だから、その時はまた姿を現してくれよ…!」


 深也は右手で作った握り拳を震わせ、涙を我慢した。


(深也…。)

「絶対だ!今度また会う時は四人一緒でだ…!」


 倫子は深也の言葉を聞いて笑みを浮かべた。


(倫子、すまなかった…!俺、お前とこうやって奇跡的に出会えて、お前の本心が聞けて良かった…!俺、お前の気持ちを勝手に決めつけてたんだな…!お前は俺たちを見守ってくれてたって言うのに…!深也、お前もだ…!父さん、今度からは芽依の手術費に文句なんか絶対に言わない…!金が羽を生やして飛んでいったって構うものか…!)

(もう、二人共?言葉遣いが何だか物騒…。ふふっ…そんなところが、親子なのよねぇっ…。約束よ、二人共…。)


 そう言うと倫子は深也と北斗の前から姿を消した。


(倫子…!)

「…ったく、ずるいな、おい…!本人がそう言ってんなら、言う事聞かねぇ訳にはいかねぇだろ…!ったく…!」

(深也…。)

「とりあえず、だ!親父、芽依が戻って来たら、二人で今までの事、全力で謝る!んでもって、三人で仲良く暮らす!見守ってくれてる母さんのためにもな!」

(あぁ、墓参りにも行こう…!ぴっかぴかにしてやらないとな…!)

「おう!」


 深也が満面の笑みを浮かべると北斗の姿は消えた。


「大船長、どうだい?プレゼントの中身は?」

「あぁ、俺が今まで生きてきた中で最高のクリスマスプレゼントだ…!ありがとよ、カサエル!」


 深也は宙に浮かんでる【鉄絆法師】カサエルに向かって両手を口に当てて叫んだ。


「いや、あっしはまだまださぁっ…!博士や海音たちには何もしてあげられなかったさぁっ…!」

「いや、もうわしはクリスマスプレゼントを貰う歳ではないわい!むしろ、あげる方じゃ!じゃから、お前たちが家族と対面している間、わしらが戦っておった!」


 フィールドウイング零型はディアスとダーバラと共に飛び回り、竜鳥亀虎黄=五征王たちの相手をしてくれていた。


「ふっ、博士から見たら私は子供扱いか…。受けた恩の分は変えさせてもらおう!行くぞ、ディアス!」

「あぁ!」


 ディアスは卒間の喜びが伝わったのか、ビーム死神たちと舞うように鎌を振り回して見せた。


「はい、私たちは遠目で皆さんが幸せそうにしているのを見ただけでも十分です!」

「ただよ、プレゼントを貰って喜んでた分、見合う働きは要求させてもらうぜぇっ!」


 高速移動して戦う海音と暴れ回るグゲンダルがダガー・デュラハンたちの破片を次々と宙に舞わせる。


「それでも芸者は満足しないさぁっ!更なる喜びを皆に与えてみせるさぁっ!」

「ほほっ、上昇思考があってなかなか見どころのある者じゃ。」


 トナカイのデュラハンを戦わせているサンタクロースが【鉄絆法師】カサエルの姿勢を誉めた。


「大船長、行くぜ?」

「おう、やる気は超全開だぜ…!」

『警告。危険。本来想定されていない状態でオーバー・ディサイドが発動しようとしています。』


 深也のデバイスから今まで聞いた事がない音声が鳴り響いた。


「上等ぉっ!さっきまで美味しい思いをさせてもらったんだ!多少の揺り戻しは覚悟の上だぜ!」

「一緒に荒波を突き進もうぜ、大船長ぉっ!」

『オーバー・ディサイド、擬似展開。』


 ランドレイクはまず、セカンドディサイドをしてワイルドパイレーツランドレイクの姿になった。


「そこから更に纏え、ランドレイク!」


 深也のデバイスがディサイドビーストデバイスになり、オルカダイバーとヘビー=アサルトホエールヘッドが姿を現す。


「親父、母さん、芽依…!そして、俺!家族との再会を誓った俺の鼓動を…!」


 深也はディサイドビーストヘッドを胸に当てた。

 ワイルドパイレーツランドレイクにビーストヘッドであるヘビーアサルト=ホエールヘッドが装着されていく。


「行くぜ、オルカダイバー!」

「いいとも!」


 深也とオルカダイバーは共に跳び、ランドレイクと一体化した。


「四心まとめてオーバー・ディサイド【兆】!ディープシーランドレイクってなぁっ!」

「し、深也が合体してしまわれました!?」


 あまりの驚きに海音は高速移動を解いてしまった。


「行くぜぇっ、ランドレイク()!クリスマスパーティーの開幕だぁっ!」

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