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魔眼使いのおネエさん~魔眼と物理で問題解決~  作者: yatacrow


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第81話 思わぬ苦戦


―― 冒険者ギルド キターノ支部 ――


 フルンチングのせいでビガーの意外な一面を察したランスは集中力を大きく欠いていた。


「さ、さぁ、残りはビガー……あなただけ!!」


「この剣を出してから様子がおかしいなぁ? ビビったのか? ほぉら、ほぉら♪」


 ランスに見せつけるように、フルンチングをゆっくりと左右に振るビガー。


「や、やめなさい! はしたないわよ!!」


『マスター、どこを見て言ってるんですか?』


(だってぇ!! ビガーが剣を振るとビガーのミニビガーもぶらぶらしてそうなんだもん!!)


『ああ、それで気が散っていたんですね』


「いつもみたいな余裕がないっすよ!」


「おネエさん、僕がやろうか?」


「……ランス大丈夫?」


『おイ相棒、もっとまともな剣ト、戦わせろヨ』


「そんなこと言われてもっ!」


「どうした? かかってこないならこっちから行くぜっ! おらっ!!」



──ぶんっ ぶるんっ



「ちょこまかとっ! 【二段斬り】だ!」



──ぶんっぶんっ! ぶらんっぶらんっ!


『マスター、後ろの音はマスターの脳内でしか再生されてませんよ!』


「くっ、なんて恐ろしい剣なのっ!? 集中しなくちゃ!!」


『できれバ剣に触れたくなイ、見なイようニ、目を瞑って振れバいいだロ!』


「おらおらおらっ!」


「……そうねっ! 反撃よ! えいっ『ゲイ・ホルヨ』!!」


『あいホルヨ!』


 ゲイ・ホルヨの穂先から棘が飛び出し、ビガーのある一点を襲う。


 装備が薄い分、ビガーのお尻に深く棘が突き刺さる。


「ハノッホゥ!」


 若干、頬に赤みがさしたビガーはその場に剣を落としうずくまった。


 ──がらんっ


「勝負あり! だね。ねぇねぇ、おネエさん、僕があの剣って貰っていい?」


「えっ! ティラちゃんがっ!? あり……ダメっ! そんなの絶対ダメよ!!」


「えー! なんでさっ!!」


「ティラちゃんってどっち……違う、そういう問題じゃないわ! ちょっと……」


「えっ? なに? 」


 ランスはティラの耳元でぼそぼそと珍剣フルンチングのことを説明した。


「……ごめん、それなら僕は要らないや」


「良かった……、分かってもらえて」


「……聞こえなかった!」


「なんだったんす?」


『ほらほら、ビガー達を縛るお仕事が待ってますよ』


「……頑張る!」


「なんだか釈然としないっすが、自分は装備出来ないし問題ないっすね」


「アーリーちゃんがもし装備したら……、えっ? ちょわっ!!」


『おーい、マスター、戻ってきてくださーい』


(はっ!)


「よしっ、手分けしてビガー達を縛ったら次は町長達ねっ!!」


『この時間帯だと町長達はどこにいるんでしょうか? 帝国と繋がってるということは連絡係りも町のどこかに潜んでいるのかもしれませんね』


「そういえばユーナちゃんを見なかったわね」


「……匂いはあったよ」


「気配消して逃げたのかもしれないね」


「じゃ、町長と一緒かしら」


「……それじゃ」


「そろそろぉ」


「悪人狩りの時間よぉっ!!」


 ここに3匹の鬼が生まれた。



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