第5話 見習い騎士アメリア登場
―― ランスの家 ――
「いいわよ」
「おい、我らに逆らうのなら……いいの?ホントにいいのか?」
「私もちょうどゴランちゃんに話があったし……、じゃ、準備してくるから少しここで待っててね?」
「お、おう。早くしろよ!」
───
──
─
「……大丈夫?」
「ふふっ、大丈夫よ。リルガちゃんも一緒に来てほしいんだけど……、そうだ天狐族なら【変化】使えるわよね?」
──ぼふんっ!
「……コンッ!」
「ああぁ……」
「……コンッ!?」
「あ、リルガちゃんの子狐モード、破壊力ありすぎて」
『気持ちはわかりますが、リルガさんが怯えています』
「うん、ごめんね? じゃ、リルガちゃんは私の襟巻きになってついてきて。さ、化粧しなくっちゃ♪あ、その前にお風呂入って半身浴ね。リルガちゃんも入る?」
──ふるふるっ
「そっ?じゃ、ちょっと待ってね♪」
──30分後……
ふんふんふんふんふん♪
ざばぁー
ふんふんふんふんふん♪
──1時間後……
ぱしゃっ、ぱしゃっ じゃー きゅっ♪
──3時間後……
「あーっ!さっぱりした♪それじゃ今から化粧水を--」
「遅おおおぉぉぉっいぃっ……!!!!!」
「きゃー!不法侵入&覗きの現行犯で逮捕するぅ♪」
「男が恥ずかしがるなあぁっ!!ぐ、早く服を着ろっ!肌をちらっと見せようとするなぁっ!!」
「ひっどい!アメリアちゃんはだからモテないのよっ!あっ、そうだ、ねぇねぇ、そろそろお昼だしご飯食べてく?」
「貴様……来る気ないだろ?」
「もう、貴様とかそんな言葉使って!ね、アメリアちゃん、私のことは前みたいにランスおネエちゃんって呼んでほしいな?」
「呼ぶかぁっ!だいたい貴様に軽々しくアメリアちゃんとも呼ばれたくないっ!!」
『あー、思春期におネエさんと遭遇したせいでトラウマが拗れてますね』
(っ! 誰がそんなひどいことをっ!?)
『マスターですよ。あ、優雅に昼ごはん食べてますけど…、そろそろアメリアさん本気でキレそうですよ?』
(肩がぷるぷるしてて可愛い。素材はいいのに、騎士団なんかに入っちゃって残念ねぇ)
『父親の影響もあるでしょうが、マスターの影響が強いと思いますよ?アメリアさんにとってマスターいえ以前の……』
(キンちゃん、そこまで!)
「んー、そんなに怒った顔しないでよ。せっかくの可愛い顔が台無し」
「騎士に可愛いなど不要っ!!だいたいなんで貴様はそうな風になったんだ……。私の初……返せよ」
『初恋、ですね』
(そこは拾わなくても描写でわかるわよねっ!?)
「ああんっ!!可愛いは正義なのよぉっ」
──ぷちんっ
しんっ…、空気が変わる。アメリアの頬に赤みがさしていく。
「貴様の顔で……、貴様の口で……、女々しい話し方するぅぬあああぁぁぁっ……!!!!!」
──びゅんっ!!
「ちょ、ごめんね?アメリアちゃん、私はこの生き方を選んだの。だから許してっ、ね?」
──ぱきーんっ!
『あっ、これで騎士団の剣……何本目ですかね?』
アメリアがキレて剣で斬りかかる、ランスが真剣白羽取りで受けて剣を折る。
ここまでが、毎回騎士団から呼び出されたときのランス側の勝手なお約束だった。
もちろん正当防衛なので剣の費用は騎士団の負担になる。
リルガちゃんは子狐モードでいつの間にか寝ていました。




