4.再会
3話では、拓弥と光がグリフォンの世界へと踏み出しました。
そして4話――。
活気ある昼の町。しかし夜になると――小悪魔たちが闊歩する、闇に支配された顔を見せる。
情報収集のために訪れたパブで、拓弥は思わぬ人物と再会する。
――グリフォンの世界/ゲートの先で
光「眩しい……!」
光は目細めた。そしてゲートの先には
光「町ですね」
目の前には活気ある町が広がっていた
拓弥「こっちの世界は昼かな?なんだ意外と活気あって明る町じゃないか……」
拓弥「光、今日は疲れたし宿屋でも泊まるか」
光「そうですね。洞窟内も歩きまわりましたし」
拓弥「すいません。旅のものですが宿屋ってどの辺にありますか?」
拓弥は町の住人らしき人に尋ねて宿屋に向かった。
その日宿屋の夜で
光「夜なると急に静かですね」
光は少し不思議な感覚になり拓弥に言った。拓弥は窓の外見た。
拓弥「見ろ……光。小悪魔達が町をうろうろしてやがる」
光は窓を閉めたまま外を見た。
光「昼間はあんなに賑やかだったのに……」
拓弥「ああ、まるで別の町みたいだな」
昼間の活気とは裏腹に、夜の町は不気味なほど静まり返っていた。灯りの消えた路地では、小悪魔たちが影のように動き回っている。まるで夜になると本性を現すかのように。
光「やっぱり、この町はナイトメアの支配下にあるんですかね……?」
拓弥「だろうな。普通の町なら、あんなふうに小悪魔どもが自由に歩き回ることはない」
拓弥は腕を組み、考え込む。
拓弥「……明日は少し情報を集めるか。パブとかに行けば、何か聞けるかもしれない」
光「そうですね、昼間のうちに話を聞いておいた方が良さそうですね。」
そうして二人は、警戒を怠らないようにしながら休むことにした。
そして翌日――ユニコールの町のパブで、拓弥は10年ぶりの再会を果たすことになる。
翌日、昼。
太陽が高く昇ると同時に、町は昨日と同じように賑わいを取り戻していた。子供の笑い声や露店の呼び込みが響き、まるで夜の静けさが嘘のようだった。
拓弥「……このギャップ、やっぱり気味が悪いな」
光「ですね。じゃあ、情報収集に行きましょうか」
2人は情報収集のためパブに来ていた。
拓弥「ここなら色んな情報が集まるだろう…」
拓弥と光は早速中入っていった。
拓弥「あれ?」
入ると拓弥は1人の男性の方に歩いて近づいて行った。
拓弥「雪?……雪じゃなあか。懐かしいな」
その男は驚いた顔で応えた
雪「お前……?どうしてこんなところにいるんだ?」
拓弥「こっちのセリフだよ。まさかこんなところで会うとはな……」
雪「……10年ぶり、か」
二人の間に沈黙が流れる。
光は状況がよく分からず、そっと拓弥に尋ねた。
光「拓弥さん、この方は……?」
拓弥「ああ、紹介するよ。こいつは――俺の双子の兄の雨川 雪だ」
光「えっ⁉︎ 双子の兄弟だったんですか⁉︎」
光が驚くのも無理はなかった。拓弥と雪は雰囲気こそ似ていたが、どこか違う空気をまとっていた。
雪「……そっちの少年は?」
拓弥「光だ。色々あって一緒に旅をしてる」
光「あ、希龍 光です。初めまして」
雪「……希龍?……そうか」
雪は静かに頷いたあと、拓弥をじっと見つめた。
雪「それで、お前は何の目的でこの世界に来たんだ?」
拓弥「ナイトメアを追ってきた。それと、俺自身の記憶を確かめるために」
雪「……そうか」
雪はグラスの酒を一口飲み、ふっと息をついた。
雪「お前とはいずれ再会する気がしていたよ。ただ、こんな形になるとはな」
拓弥「俺もだよ」
二人の視線が交差する。
10年の時を経て再会した兄弟。その間に交わされる言葉には、昔の感情だけではなく、それぞれが歩んできた道の重みが滲んでいた。
光「えっと……お二人とも、久しぶりの再会なのにあまり感動とかはないんですか?」
拓弥「……まあな」
雪「別に、泣いて抱き合うような関係じゃない」
あまりにも冷静な二人のやり取りに、光は少しだけ苦笑する。
雪「それより、さっきナイトメアを追っているというのは本当か?」
拓弥「ああ。そっちも何か知ってるのか?」
雪「多少な。……過去に何かあったのか?」
拓弥「過去言うか、前世なんだが……」
雪「ん?」
拓弥は雪に前世の覚えてるところ話した。
雪「なるほどな……偶に前世の記憶を持つ者がいるとは本で読んだことがあるが、それがお前だったとはな」
雪はグラスを指でなぞりながら、考え込むように目を細めた。
雪「……それで、お前はその記憶をどうしたいんだ?」
拓弥「どうしたいか、か……」
拓弥は少しだけ考え、静かに言葉を紡いだ。
拓弥「正直、思い出したくない部分もある。でも、完全に目を逸らすこともできない。ナイトメアとの因縁が、俺の記憶と繋がっているなら……俺は向き合わなきゃいけないと思ってる」
雪「……ふむ」
拓弥「……なあ雪手伝ってくれないか?」
雪「お前がそこまで言うなら、俺も少しは手を貸してやる」
拓弥「いいのか、……ありがとう」
雪「俺にもナイトメアを追う理由がある。それに、情報を集めるなら単独で行動よりも効率がいい」
拓弥「……そういうことか」
拓弥は少し肩の力を抜き、苦笑した。雪らしい、と。
光「それじゃあ、雪さんよろしくお願いします。」
雪「ああ。しばらくはお前たちと行動を共にさせてもらうよ」
拓弥「雪、ナイトメアの情報っていうのは何を知ってるんだ?」
雪「ここから西に向かったら森があるんだがその先の洞窟にナイトメアはいるらしい」
拓弥「充分過ぎる情報量だ。」
雪の情報をもとに、拓弥たちは次の行動を決めた。
拓弥「よし、ナイトメアの居場所がわかったなら、早速向かうか」
雪「……まさか、今すぐ行く気か?」
拓弥「他に何か策があるなら聞くが?」
雪「……お前な」
雪は深くため息をついた。
雪「ナイトメアは、単なる竜人や魔族のような相手じゃない。少なくとも、何らかの準備はしておくべきだ」
拓弥「準備ねぇ……」
光「確かに、ここまで来るのも結構大変でしたし……ちゃんと休んでからのほうがいいかもしれませんね」
拓弥は少し考えた後、腕を組んで決断した。
拓弥「……わかった。今日はこの町で準備を整えて、明日出発しよう」
雪「それがいい。ナイトメア相手に無策で挑むのは無謀すぎる」
光「じゃあ、道具屋や武器屋も見ておきますか?」
拓弥「ああ。装備の見直しも兼ねてな」
こうして、三人は明日に備えてユニコールの町で準備を整えることになった。
***
夜になり、宿の一室で拓弥は窓の外を眺めながらふと呟く。
拓弥「……まさか、こんな形で雪と再会するとはな」
ベッドに腰掛けていた雪が、淡々と答えた。
雪「俺もだよ。でも、お前は昔からこういう運命に巻き込まれる体質だったろ」
拓弥「……かもな」
拓弥は小さく笑い、夜空を見上げる。
ナイトメアとの決着をつけるために――そして、自分の過去と向き合うために。




