コミックス11巻 発売記念SS
アニメ、無事放送されました!!
見てくださった皆様、ありがとうございましたヾ(≧▽≦)ノ゛
親愛なるアイーダへ
あなたがルビーニ王国へ帰ってしまってから二週間が経ちました。二人きりで遠乗りしたときの風のにおい、商店街で立ったまま食べた美味しいクレープの味、寝る前にベッドの中でこっそり話した内容。今でもはっきりと覚えているというのに、どうしてアイーダだけが傍にいないのかしら。一緒に過ごした日々が昨日のようにも思えるし、ものすごく昔のことのようにも思えるの。
私は、今日も姉さんたちと一緒に鍛錬ばかりの一日だったわ。私だけ朝練もあるし、公爵家の後継としての勉強もあるし、午後からは山へ登って下りてくる鍛錬もあったし。だから、夕方からの家庭学習の先生の顔を見たら急に眠くなっちゃって、つい居眠りしたら怒られちゃった。でもね、数学のアイーダが教えてくれてところだけはスラスラ解けたからとっても褒められたの。私、天才かもしれないわ! アイーダのおかげよ。
来年からは姉さんたちと一緒に学校の中等部に通うから、アイーダを見習って頑張って勉強しなきゃ。弟子以外の人たちと、かけっこやサッカーしたことないからそれが楽しみ。運動会や野営とかもあるのかなあ。
お父さんは今日も態度も顔も口も声も大きかったわ。お母さんには、しっかり隅々まで歯を磨きなさい、って怒られちゃった。顔は笑ったままだったからよけいに怖かったわ。イデア姉さんは編み物にチャレンジしてるけどなかなかうまくいかないみたい。きっと今年の冬には間に合わないと思う。そうそう、屋敷に犬が迷い込んできてニーナ姉さんが走り回って5頭全部捕まえたの。一人でよ? すごくない? サンドラ姉さんはピアノの大会前だからピリピリしてるわ。もちろん優勝なんか狙ってなくて、最下位回避のための練習よ。ジョンナ姉さんは食べすぎたからダイエットのために朝練に参加するって言ってたのに、ずっと寝坊してまだ来ないの。いつ来ると思う? 私は、結局もう来ないと思うわ。
弟子たちも大きなケガもなく(小さなケガはいつものこと)、鍛錬に励んでいるわ。そうそう、ゴッフレードっていう弟子がいたの覚えてる? ひときわ体がでっかくて、ごつくて、ほら、湖の近くで私が木登りしてる時に探しに来た人よ。彼が紺色の制服に昇格したの。お父さんの従僕になるための勉強もあるみたい。うちは公爵家とはいえ、それほど貴族らしい暮らしをしているわけでもないからあんまりやることはないんだけどね。
長くなっちゃったわ、ごめんね。要するに、私たちはみんなとっても元気です。
アイーダは体調いかがですか? 咳は出てない? 近所で買ったはちみつの飴はまだ残ってる? 無くなったら連絡ちょうだい。すぐに送るわ。籠いっぱいに。
アイーダがいなくてとってもさみしいです。来年の夏休みもまた、ムーロ王国に来てくれるでしょう?
あんなにたくさんの時間を一緒に過ごしたのに、まだ足りないくらいよ。
雨が降って行けなかった川辺の公園、今度こそ行きましょうね。魚の採り方教えてあげる。
また手紙を書くわね。会えるのを楽しみにしています。
親愛なるミミへ
お手紙ありがとう。速達で送ってくれたのね。
私はムーロ王国を出てから、二週間をかけてルビーニ王国へ戻ってきました。途中で何度も休みながらゆっくりと帰ってきたのだけれど、やはり少し疲れてしまったようです。二日間ほどベッドで横になって過ごしていましたが、あなたの手紙を読んだら元気が湧いてきてすっかり体調も良くなりました。
私が二週間をかけた道のりを速達はたった三日で駆け抜けてきたのですね。きっと、ミミと一緒に行った湖に映っていたような澄んだ青空の下を、夏草の香りのする風を切って届けてくれたのかと思ったら胸がいっぱいになりました。
ご家族の皆さんもお元気そうで安心しました。滞在中は大変お世話になりました。弟子の方々も含め、皆さんにもよろしくお伝えください。感謝のしるしとして、何か美味しいものでも送りますね。ああ、でも全員が平等に食べられるものって何かしら。何百人もいるんだもの。やっぱり少し待っていてくださいね。じっくりと考えようと思います。誰かを喜ばせるために頭を悩ませるって、なんて幸せなことなのかしら。
ミミも学校に通えるようになるのですね。こちらの学校とそれほど変わらないのであれば、運動会はあるけど野営はないと思います。かけっこやサッカー、楽しみですね。ミミが先頭を走っている姿が目に浮かぶようです。
それはさておき。実は、ミミに謝らなければならないことがあります。
体調が回復したので、今日は父と一緒に王城へ行ってきました。父が国王陛下に謁見している間、私は王妃様のお庭で待たせてもらっていました。王妃様のお庭は、思わず圧倒されてしまうほどたくさんのバラが咲いています。そこで、ミミからの手紙を読んでいたら、偶然、第二王子殿下がいらっしゃったのです。殿下が見たいっておっしゃるので、ごめんなさい、手紙を見せてしまいました。知られて困るようなことは書いてないからいいかと思ったけれど、やっぱりいけないことでした。書いた手紙を他人に読まれるのって恥ずかしいことよね。でも、ベッドの中で話した内容を聞かれたけれど、言わなかったわ。私たちだけの内緒話だもの。
殿下は、ミミの字がとてもきれいだって褒めておいででした。同じ年なのに読みやすくてバランスが良い字だ、って。そういう殿下も、とても美しい字を書かれるのですよ。それから、ニーナお姉様が犬を捕まえた件ではすごくお笑いになっていました。私も殿下の様子を見て気づいたのですが、犬が5頭も屋敷に入ってきたのですか? 同時にですか? もしかして、5匹ではなく5頭って書いてあるってことは、それって本当に犬だったのでしょうか。
ゴッフレード様、もちろん覚えていますよ。昇格したのですね、喜ばしいお知らせに心が弾みました。彼とマッキオ様にはとりわけお世話になりました。二人で木を揺さぶって、木登りしていたミミを落とした時には驚いて心臓が止まるかと思いました。ダメと言われている木に登るのはもう止めましょうね。
こちらへ来てからは、咳は出ていません。お医者様も、完治したわけではないけれどかなり良い結果が出ているとおっしゃっていました。父もまたムーロ王国へ行くことを許してくれると思います。もしダメって言われても、何とか説得して必ず行きます。
私もミミに早く会いたい。
会いたい。
来週から学校が始まります。ミミが同じクラスにいてくれたらきっと、いえ、絶対に楽しいのにと思います。
あなたに会いたいから、淑女教育も頑張ります。ミミも後継者になるための鍛錬を頑張ってください。けがはほどほどにね。
私もまた手紙を書きます。またね、ミミ。
7/7(火)コミックス11巻発売です。
レナートとミミの結婚式、全く無事ではありませんでしたが、皆に祝福されてあげることができました。
皆様お誘いあわせの上、結婚式に参賀していただけると幸いです。
どうぞお釣りあげよろしくお願いいたします!




