第九章 君のいない世界は 2
エリザベスと別れ屋敷を飛び出したレイドリックが向かった場所は、王宮の騎士団棟だ。その入り口でヒンティから降り、またすぐに出掛けるから出られるようにしておいてくれと、通りがかった従僕に頼んで、それきり振り返らずに廊下を進む。
騎士団棟に到着したレイドリックと真っ先に顔を合わせたのは、エリオスだ。どうやら彼がここに来ることを待っていたらしい。
「レイドリック卿。話は聞いているか」
「つい先程、レディ・エリザベス本人から伺いました。私事であることは充分承知していますが、どうかあなたのお力をお借りしたい」
「もとよりそのつもりだ。何の罪もない女性が泣く姿を見過ごすつもりはないし、何より幼馴染みの涙に弱いのは君だけではない」
「感謝します。このご恩はいずれ」
一つ頷いてエリオスは、真っ直ぐにレイドリックの瞳を見つめて寄越した。黄金の獅子のような誇り高い強い瞳を向けられると、それだけで身が竦むと言う者は多いし、それに関してはレイドリックも否定は出来ないが、この時は正面から見返した。
たったこれだけのことで怯えていては、これから先ローズマリーを救い出すことなど出来るわけも無い。ここ最近続いていた、迷いのような陰りが晴れたレイドリックの瞳に頷いて、エリオスが問う。
「それでどうするつもりだ。闇雲に探すのではあまりに無理がある。心当たりはあるのか」
「それをこれから、確かめるつもりです」
ただ、エリオスに協力を依頼するためだけにここまで来た訳ではない。もちろんそれも目的の一つではあるが、一番の理由はローズマリーの行方を突き止めるためだ。その情報を握っているだろう者は、恐らくここにいる。
基本的に王宮の騎士団棟は、騎士の資格を持つ者ならば所属に関わらず解放されている。その為シーズン時期や、王都に滞在の際にはこの場は騎士同士の交流場にもなる。互いに刺激し合って切磋琢磨することを、アルベルト三世が推奨してるからだ。
自分が探す人物も、頻繁にこの場に出入りしていることをレイドリックは良く知っていた。恐らく彼がアリバイを固めるために自分は無関係だとアピールするつもりなら、多くの人の目があるこの場所で友人達と共に過ごしているはずだ。
レイドリックの予想が間違えていなかったことは、談話室へと足を踏み入れた時点ですぐに判った。目的の人物は、共通の友人二人とカードゲームに興じていたのか、いつもと変わりない優雅な笑みを浮かべている。
その普段と変わらぬ様が、彼の自分に対する内心の闇の深さを教えるようで、心が焼け付く。ただ自分だけをターゲットとするならばまだしも、どうやら自分はもっと早くに彼と腹を割って話す必要があったらしい。
彼の自分に対する心の闇には、以前から薄々感じてはいた。ただ、まさかこれだけのことをされるほど自分が疎まれていたのだとはっきりと察したのはつい先程、エイベリー子爵家でのことだ。
内々に自分と、そして父のエイベリー子爵の手を借りて辿り着いた答えは、それだけでもレイドリックの心を沈ませた。かと言って今はのんびりと傷ついている場合でも無い。
噂の出所を調べれば調べるほど、可能性のある人間に絞られていくほど、まさかそんなと打ち消したかった事実が浮き彫りになってくる現実を、今のレイドリックは受け入れなければならない。
「お、レイドリック。お前も来たのか、丁度良い俺と代われよ、ローウェンもボリスもちっとも容赦なくて敵わないぜ」
「ケビンは何でも素直すぎるんだよ。いい加減自分が賭け事には向かない性格だって自覚したら? まあこっちはカモに出来るから別に良いんだけどさ」
「あまり正直に言うな、ローウェン。ケビンがふて腐れたら後が面倒だ」
なんだよー、と既にふて腐れた声を上げるケビンの顔を素通りして、レイドリックが見つめた先は一番奥で座っている友人だ。目が合うと、彼は少しばかり怪訝そうに眉を寄せる。レイドリックの様子からして、いつもと違う何かを感じ取ったのかも知れない。
「カードゲームもいいけど、それはまたの機会に。…今はそれよりももっと大切な話がある、ボリス少し顔を貸してくれ」
「なんだ? 話があるなら、ここで聞くが」
「ここでは話せない。理由はお前も知っているはずだ」
すると、僅かに彼の瞳が細められた。それでも腰を上げようとしない彼を見据えたまま、淡々とレイドリックは告げる。
「嫌だと言うなら無理にでも引き摺っていく。自分の足で歩くのと、今ここで足腰が立たないくらいに殴られて引き摺られて行くのと、どちらがいい?」
物騒なレイドリックの発言に顔色を変えたのは、傍で聞いていたケビンとローウェンだ。彼らしくないただならぬ発言に驚いてケビンが声を潜める。
「おい、レイドリック。一体どうしたんだ、いきなりそんなことを」
「そうだよ、何かあったの?」
ただならぬ様子はとたんに、楽しげだったその場の雰囲気を一変させた。けれどレイドリックのボリスを見つめる眼差しの険しさは変わらないし、レイドリックを見返すボリスの眼差しも、この場に置いては不自然な程落ち着いている。
事情の判らないケビンとローウェンが戸惑うように目配せし合う中で、ボリスが腰を上げたのは、言葉よりも実力行使をして見せようかと無言で一歩近づいた時だ。
仕方なさそうに立ち上がった彼に目配せだけを送って、先に背を向けて談話室から出て行くレイドリックの後に続いたのは、ボリスだけではなかった。迷いながら、ケビンも、そしてローウェンもついて来る。その二人の同行を、レイドリックも止めない。
彼らならば話を聞かれても大丈夫だと信じたというよりは、ここで同行を断ってあれやこれやと揉める時間を惜しんだからだ。もちろん、彼らの口が堅いことも承知してのことだけれど。
この時間は殆どの人間が立ち寄ることのない、会議室の裏手に当たる廊下の一画で、ようやくレイドリックはその足を止めた。それを合図に、やれやれと言わんばかりにボリスが肩を竦めて見せる。
「一体どうしたんだ、レイドリック。こんなところまで連れて来て、私に何の話だ?」
「………ローズが、何者かに浚われたそうだ。俺の名で手紙が届き、その手紙に誘い出されたらしい」
「何だって…!?」
とたんに声を上げたのは、ボリスではなくケビンである。にわかには信じがたいレイドリックの言葉だが、しかしそれならば今の彼の様子が険しいのにも納得が行く。ボリスも幾分驚いた表情を浮かべて、口を開いた。
「それは……大変なことだな、理由は判らないが人手が必要なら言ってくれ」
「そうだぞ、レイドリック」
「もちろん僕も、協力するよ」
間断ない協力の申し出は、本来ならばとても有り難いものだ。もっともそれが、真実、心から言ってくれているのであれば。
「…ありがとう。実はその件で、ボリスに頼みがあるんだ」
「何だ?」
「ローズの行方を教えて欲しい」
瞬間、落ちた沈黙の種類を言葉で表現するなら、まさしく重苦しいと言う言葉が良く似合うだろう。まるで、一気に周囲の空気が重くなったような気配に、ケビンとローウェンの二人が何かを言おうとして、結局何も言えずに黙り込む。
二人とも察したからだ、何故レイドリックが浚われたというローズマリーの行方を、ボリスに尋ねているのか。それはつまり、ローズマリーを浚った犯人が、ボリスだとレイドリックは考えているからだと。
一人、妙に冷静なのはボリスで、数秒の間の後、とたんに彼は苦笑混じりに眉を顰めて見せた。
「それは、一体何の冗談だ? どうして私が」
「お前が俺のことを快く思っていないことは知っている。見習いとしてラザフォード伯爵の城に入った頃から、ずっとだ」
「何を…」
「六年前と今と、俺を陥れる噂を流したのがお前だと言うことも、今はもう知っている。その為に必要な小細工をしていたことも、全てだ」
空気が、また違う種類の物へと変化した。先程が重苦しく締め上げられる類のものなら、今は少しでも触れれば、肌が裂け、血が噴き出るのではないかという程鋭いものへと。
「……言い掛かりは止してくれ、大体何の為に俺がそんなことを」
「なら、一つ一つ証拠を突きつけ、公然の場に晒そうか。俺はそれでも構わない」
「……」
「六年前と同じく、俺が黙り込んだままでいると思うなよ。俺だけのことならまだしも、お前は決して巻き込んではならない人を巻き込んだのだと自覚しろ」
レイドリックがボリスの自分に対する負の感情に気付いたのは、比較的早い時期だ。笑顔を浮かべて耳障りの良いことを口にしながら、何故彼の目は笑っていないのだろうと、随分長いこと疑問に思っていた。
けれど少なくとも表向きには特に率先して、何か嫌がらせをしてくるようなことはなかったし、互いに競い合いながら実力を伸ばしていく仲間であったのも事実だ。それにレイドリック自身が、他者から疎まれる理由は自分でも良く理解していた。
遅れて入った新参者が、目に見えて伯爵から目を掛けられれば誰だって、良く思わなくて当然だと。そう言った負の感情は付き合って、お互いの為人を理解していけばいずれ消えて行くのではないかと考えていた、期待もあった。
また、それだけではない。
「六年前、お前もマダム・ルイーザに好意を持っていたことも知っている」
これまで、さほど大きな変化を見せなかったボリスが、ここで初めてその顔色を変えて見せた。言葉にせずとも誰が見ても判る、レイドリックの指摘は事実だったのだと。つまりレイドリックはボリスにとって、ただの気に入らない新参者というだけではなく、恋敵でもあったということだ。
六年ぶりにレイドリックの前に現れたルイーザは、レイドリックだけでなく知らないうちにボリスの過去の苦い感情さえ思い出させてしまったのである。
それはもちろん、彼女の罪ではない。ルイーザ自身は自分がボリスに好かれていたことも、今になっても彼の視線が自分へと注がれていることにも気付いていないだろう。今も昔も、彼女が見つめる先にいるのはレイドリックだからだ。
再会した場所が、御前試合の後だったと言うことも、よりボリスの劣等感を刺激しただろう。どれ程自分が努力しても、騎士としてレイドリックの上に立つことは出来ず、ルイーザの視線をこちらに振り向かせることも出来ない現実を突きつけられたのだから。
「だが、俺たちの確執にローズは関係ない。お前も非力な女性を安易に傷付けるような真似は望んでいないはずだ。頼むからローズを返してくれ」
言い逃れは許さない。
惚けたとしても、相手が認めるまでレイドリックはたたみ掛けるような追求を緩めないだろう。こうしている間にも、ローズマリーがどんな状況にあるか判らないと思えば尚更にだ。
ケビンやローウェンも今は黙って、二人を見つめている。
そうした空気の中、はっと笑いの欠片を吐き出すように溜め息を付いて、ボリスは挑発的にレイドリックを見返した。その表情で、もう彼が偽るつもりがないことを周囲に教える。
相手がどう思っていようと、長く友人だと思っていた相手からの裏切りは、純粋に辛い。けれどそれを受け止めた上で前を見なければ、先へ進めない。ギリッと奥歯を噛み締めるレイドリックに、彼は嘲笑混じりの声音で告げる。
「頼むというのなら、お前は私に何を寄越す? 手足の一本でも寄越すか、それともその命でも捧げて見せるか? お前の恋人にそれだけの価値があるのか」
「ボリス…っ!」
さすがに黙っていられなくなったのか、ケビンが低く声を上げる。けれども、告げられたレイドリックは表情を変えないままに、首を横に振った。
「それは出来ない。死んでは彼女には会えない。足を失っては助けに行けないし、腕を無くしても彼女を守れなくなる。何より俺が傷つけば、ローズが泣くから」
例え自分を助けるためだったとしても、容易く身体を傷付けるような真似をすれば、一生その事実を彼女は心の傷にするだろう。それは出来ない、レイドリックは五体満足の姿のままで、彼女の元へ行かなければならないのだ。
「だからどうしてもお前が俺を気に入らず、何かを寄越せと言うのなら代わりに、騎士の称号を返上する。騎士でなくなれば、もうお前の目に触れることも滅多になくなるだろう。目の前から俺の姿がなくなれば、お前にはそれで充分のはずだ」
ぎょっとしたのはボリスだけではなかった。例え内心はどうであれ、レイドリックが幼い頃から騎士となるべく、様々なことに耐え、我慢し、努力に努力を重ねて今の立場にあることは、同じく騎士を目指して今までやって来た者なら誰だって知っている。
二度と戦場に立てない身体になってしまったというのならばともかく、何の不都合もないのに騎士を返上すると言うことは、これまでやって来たことの全てを無に帰す行為だ。
まして現在のレイドリックは騎士として、一定以上の評価を受けている立場でもある。
努力すれば努力しただけ、望めば望んだだけ、手放し難いもののはずである。それをレイドリックはあっさり捨てると言う。その未練のない口ぶりに、何を感じたのか。
「出来もしないことを言うな…! 私を馬鹿にしているのか」
「何故? 六年前の俺は騎士になるという夢に縋ることで、あの時期の辛さをやり過ごした。でも今は騎士の称号よりも、ローズの方が大切だ。どちらかを選べと言われるなら、迷う理由など無い。騎士でなくとも、生き方はいくらでも存在する。彼女を連れて田舎にでも引っ込みながら、これから先のことを考えるだけだ」
もちろんこれまで目指していた目標を失うという心許なさは存在するだろう。これから先、何度も過去を振り返り、その度に苦い思いもするかも知れない。けれどその時に、隣でローズマリーが笑って寄り添っていてくれるなら、自分はきっと過去は過去のこととして、これから先の未来を見つめて行ける。
それは戦場で勇名を馳せ、多くの手柄を成して英雄と持てはやされるより、幸せな生き方ではないだろうか。少なくとも自分にとっては。
だから、その為にも。
「ボリス。もう一度言う、ローズマリーの行方を教えてくれ。彼女には何の罪もない、お前が気に入らないのは、俺一人だけのはずだ」
再び沈黙が訪れた。そのまま永遠に続くのだろうかと思わせるような沈黙の中、根気強くボリスの返答を待つレイドリックの瞳には、迷いは見えない。代わりにこれまでに散々迷って、目を背けて逃れようとしてきたことを直視しようとする覚悟が見える。
覚悟を決めた人間ほど強いものはない。例えその力が劣っていても、知識が劣っていても、何かが足りなかったとしても…足りないものを全て補って、前に進んで行く者が持つ強さだ。
一方こういう時に弱いのは、覚悟のない人間の方だ。レイドリックの言葉が再び彼の劣等感を刺激したのか、ボリスの表情が見る間に苦々しいものへと変化を遂げて、忌々しげに負の感情が吐き出される。
「……私は、お前のそう言うところが嫌いだ…!」
「ボリス」
「私や他の者が、喉から手が出るほど欲しいものをいつも先に手に入れて、なのに今のようにあっさりと手放そうとする。それを見せ付けられる者が、どれ程みじめな思いがするか、お前は考えもしない!」
そうかも知れない。精神面では不器用であっても、そう言う技術面ではレイドリックは確かに、他者よりも器用な方だろう。そう言う意味でも、妬まれていたことも事実だ。だが、それだけではない。
何の努力もせず、今の自分を手に入れている訳では、決してない。そしてあっさりと手放そうとしたわけではない。ボリスにもそれが判らない訳はないのに。
「お前など、六年前のあの時に、潰れてしまえば良かったんだ!!」
感情のままに叫んだ直後、ケビンが動いた。その右腕をボリスに向かって振り下ろそうとしたところで、横から伸びた手に拳を止められる。
何をする、止めるなと彼が言うより早くに、入れ替わってその拳をボリスの頬に叩き入れたのは、ケビンの拳を止めたローウェンだった。
遠慮容赦のない一撃に、全く身構えていなかったボリスは無様に廊下の床に倒れ込み、思わず咽せた拍子に口から赤い血の雫を吐き出した。
殴りつけられた時に、口の中を切ったのだろう。苦痛に表情を歪ませて口元の血を拭うボリスへと、向けるローウェンの瞳はここにいる誰もがこれまで、見たことのない程冷たく冷えている。
「さっきから黙って聞いていればぐちぐちと、言いたい放題だね。自分の劣等感をそんなにアピールして、一体何が楽しいのさ。自分はこんなに可哀想なんだと同情されたいのかい。君はそんなだから、いつもレイドリックに勝てないんだ」
「……っ…」
「ねえ、ボリス。僕たちが君と同じようにレイドリックを妬まず、ただ純粋に友情だけを抱いていられたと思っているのかい? 突然後から現れて、なのに伯爵に可愛がられ、さっさと騎士の階級を駆け上がって、今や王宮騎士。賭けで言えばレイドリックの一人勝ちだ、近くにいればいるだけ、その姿を間近で見せ付けられれば僕だってケビンだって悔しいし、妬みもするさ」
だけどね、と一言区切ってローウェンは握った拳を降ろす。
「近くで過ごして来たからこそ、レイドリックが黙々と、どれだけの努力をしていたのかも知っている。そんな風に自分を正当化して誰かを陥れようとする前に、君には他にするべきことがあったんじゃないの?」
「………ボリス。俺からも聞くぞ、ミス・ノークは今どこにいる。お前に僅かでも騎士としての誇りがあるなら、隠さず正直に答えてくれ」
懇々と諭すようなケビンの言葉にも、ボリスはすぐに答えなかった。けれどしばらく続いた居心地の悪い沈黙の後、血にまみれた口から、諦めたようにぽつりと返答が返ってくる。
「……何処かは知らない。ただ、恐らくザンピエール伯爵の郊外の別邸だろう。…お前の泣き面が見られると誘いかけたら、一も二もなく頷いていた」
レイドリックの名を騙った手紙を書いたのはボリスだ。長く付き合ってきた友人の文字を真似ることは、さほど難しくはない。彼から受け取った手紙を寄せ集めて参考にしながら、それらしく書くだけで良かった。
そう告白を耳にした直後、レイドリックは物も言わずに身を翻すと外に向かって駆け出した。後にはケビンとローウェンの二人がついて来る。
途中でエリオスと合流し、四人はそれぞれに己の騎馬の元へと向かう。騎士団棟の外には、命じていたとおり従僕がヒンティの手綱を握ってレイドリックが出て来るのを待っていた。
主人の姿を認めて軽くいななくヒンティの横面を撫でその背に跨った。その手綱を握ったか握らないかの内に、こちらの事情を察しているのか急くようにヒンティが走り出す。
既に外は暗い。宵闇の中を、四騎の騎馬が地面を削る勢いで駆け抜けて行った。
以前、ローズマリーに問われた言葉を思い出した。
自分との未来を想像したことはあるか。どんな未来を望んでいるのか、と。
そのことは、尋ねられる前もその後も、何度も何度も想像してみた。けれどいくら考えても想像は、いつも同じ場所に辿り着く。
例えどんな未来を思い描こうとも。
君のいない世界は、もう想像することも出来ないのだと。




