たすけることにしました。
むむむ
まとめて話すとこの少女、母親の再婚相手の紐男にナイフ片手にイヤンなことをされそうになり抵抗した結果、男をぐっさりとやってしまったのである。そんなわけで家に戻れるはずもなく橋の下やら公園やらで過ごすことを続けた結果、あの公園で江藤と出会ったというわけなのだ。
警察に追われているというなら差し出してしまうのもやぶさかではないのだがそうはせずにただただ看病を続けるのであった。
当然学校のほうをさぼるわけにもいかず分裂スキルを使い方や学校へ、残りが看病へということになり、こんな時ばかりはこの力に感謝だなんて思うものである。それから2,3日経つとほどでしっかりとしゃべれるようにはなったがまだ布団の中にいるため終始江藤とおしゃべりをすることになった。
2週経つと普通に暮らせるようになり、そろそろかと江藤はこの話を切り出すことにした。
「由香里さんの事情は大体把握しています。」
少女がサッと出入り口に目を向けるのを見て、話の切り出し方がまずかったかと思い慌てて
「別に警察に連れて行くというわけではありません、ただ提案があります」
いぶかしげな視線を浴びつつ、江藤はそっと右手の人差し指を立て、二人の間に持っていき
「私、実は魔法使いなんです」
この言葉とともに江藤の指先に温かな火が灯される。
「あなたが望むなら助けて差し上げます」
なるべく優しげな表情で微笑みかけ反応を伺う。
その時の少女の反応はというとそれはもうひどいモノであった、身の危険を感じ逃げようと思えば、提案があると呼び止められ、魔法使いであるなどという物語の中のような出来事を見せられ、助けてくれると言われたのだ、どこから理解してどうすればいいのかわからず百面相しながらあうあうと困っているうちにやっと事態が呑み込めたのか平静を取り戻し、じっとこちらの顔を見ながらゆっくりと話しかけてきた。
「助けて……ほしい…です。でも!あなたに迷惑が掛かる…なら私は、私のことは放っておいてもらって構いません。こんなに良くして下さったのにごめんなさい。」
それだけまくしたてるとサッと立ち上がり部屋から出ていこうとする。彼女の手を握り江藤はこう言い放った。
「貴方は出ていかなくていいんです。わかりますか?ここにいていいんですよ。江藤に任せてください、ささっと解決して見せます、なんせ私、魔法使いですから。」
江藤の言葉を聞いた彼女はほぅと呆けるような表情をした後、小さくこくりとうなずくと崩れ落ちた。
そうと決まればやることは簡単だ、江藤は傍らに犯罪者を置いておくような趣味はないためとりあえず彼女を無罪にする必要がある。ではどうするかというと、事件そのものをなったことにする。これが一番簡単で確実である、というわけでぱちんと指を鳴らし事件に関係するものを資料ごと人々の記憶から消してしまい、。死んだ人間が生き返るわけではないので、この子の父親の死因を適当にでっち上げ、必要なところにでっち上げた情報を認識させ、この件は一件落着である。
とある少女との出会いにより江藤の悩みは有耶無耶になるのであった。




