第36話・わたしは里奈子、ちょっと優しい女の子!
わたしと麻美が街破壊を続けている頃、里奈子も工場地帯で暴れようとしていた。
「わたしはちょっと優しい女の子、五月女里奈子で~す!」
「今日のわたしって、とってもセレブな気分なんで~す!」
「なのでェ、上品に暴れさせて頂きます事ヨォ~!」
人格が変わってしまったんじゃないかと思うくらい能天気な彼女。
工場地帯の外側には線路が何本か走っていて、ちょうどわたしが破壊した中央駅につながっている。
どうもここで完成した戦車を積み込んで中央駅から各方面に輸送されているようだった。
ちょうど里奈子が市内に足を踏み入れた時に、戦車や装甲車を満載した20両編成の列車が中央駅に向かって出発した所だった。
そして不運にも里奈子の足元を通過しようとしていた。
その事に気づいた彼女は早速行動にでる。
「アラ~?わたしの足下に電車が走ってるわ~!」
「ラッキー!わたしに見つかったのが運の尽きだよ~!」
「わたしのブーツが逃がしません事ヨォ~!え~い!」
❝ガッシャ~ン!ヴォヴォ~ン!❞
あまりにも巨大な里奈子の足元では全速力で走る列車もゆっくり走って見える。
そんな列車に狙いをつけて彼女は軽~くブーツのつま先で3両目あたりを踏みつけた。
出来立ての戦車が3両積載された貨車を、里奈子の履いた巨大な黒いロングブーツがグシャリと踏み潰した。
突然踏みつけられたので列車は脱線し機関車は横転した。
「やったねっ!わたしのブーツがビンゴっ・・みたいな!」
両手でガッツポーズする彼女。
「わたしのブーツが、もっと踏み潰したいって言ってま~す!」
「なのでェ、1台残らず踏みにじらせて頂きますねェ~!」
「えいえいえいえいえ~い!」
❝グシャ!グシャ!グシュ!グシュ!❞
可愛らしい掛け声と共にブーツで次々とひっくり返った戦車や貨車を踏みにじる彼女。
麻美のように乱暴に踏みつけるのではなく、一つ一つ狙いをつけては丹念に踏み潰していく。
しかもご丁寧に踏みつけるたびにブーツを回転させてにじりを入れている。
里奈子的にはかなり手加減してチョコンと踏みつけているだけだったが、何しろもの凄い大きさだ。
そのパワーは凄まじく黒光りした皮製ロングブーツが全てを押し潰して地面にめり込ませていく。
里奈子が列車を踏みつけたエリアは、バラバラに踏み砕かれた戦車や貨車の鉄片とグニャグニャに折れ曲がった線路と土とが入り混じった状態で踏み荒らされ、地形が変形するほど無残な状態になっていた。
「わたしィ、優しく踏んであげてるのにィ、なんで~?」
彼女が優しく語りかける分、メチャクチャな惨状が残酷度を増していた。
「とりあえず、最初の任務完了・・みたいな!」
「さァ~て、次はどれをぶっ壊してあげようかなァ!」
列車を散々踏みにじった彼女はそのエリアをまたいで工場地帯に向かっていく。
「まずは、この辺からぶっ壊しちゃおうかな~。」
❝ズッヴォ~ン!ヴォッヴァ~ン!❞
手前に林立していたタンクやパイプラインの走ってるコンビナートをブーツでなぎ払った彼女。
残ったタンク類も逃さず丹念に踏み潰す。
コンビナートはあっと言う間にペシャンコの残骸になっていた。
最初のひと蹴りで爆発炎上が起こったが、里奈子が何度も踏みつけたから火災もブーツで踏み消されていた。
「火事を消してあげたんだからァ、少しはわたしに感謝してよねェ!」
とつぶやく彼女。
コンビナートの向こう側には大きな倉庫のような建物がたくさん並んでいた。
高さが6~7cmくらいで30cm四方の建物だ。
踏みつけるのにはちょうど良い大きさである。
でも彼女は建物群の前に仁王立ちするとこう言った。
「わたしィ、ちょっと休みたいのでェ、ジーパンのままで失礼しま~す!」
そういうと彼女は足元の建物を一旦またいでからドッカリと腰を下ろした。
「よいしょっと!」
❝グッシャ~ン!❞
凄まじい轟音と共に里奈子の履いているジーパンが一瞬でこの建物を2棟丸ごと押し潰した。
「イェ~イ!わたしっ、これがやってみたかったんで~す!」
「も~、マジで最高の感触かも~!」
よほどジーパン越しに建物を破壊した感触が快感だったのかウットリとした表情の彼女。
すると今度は座ったまま両足をVの字に広げて一旦持ち上げ、残った建物群に向かって打ちつけた。
❝ズッゴ~ン!❞
もの凄い粉塵が舞い上がり、あたり一面が見えなくなるほどだった。
粉塵が収まると里奈子の両足が見事に大型倉庫を3棟づつ押し潰していた。
彼女の黒いロングブーツとブーツインしたジーンズがホコリまみれになっている。
それでもそんな事はお構い無しに、更に打ち下ろした両足を左右に滑らせる彼女。
「それ、それ~!」
❝ガガガガッ、バリバリバリ~!❞
粉塵で白っぽく汚れた黒いロングブーツとジーパンが左右に残った建物群を粉砕しながら瓦礫を空中に吹き飛ばしていく。
「ちょっと、やだァ~、気持ち良すぎ~!」
両足で周りの建物を吹き飛ばした爽快感に思わず叫んでしまう彼女。
この一連のジーパン&ブーツ攻撃で工場の中心街は壊滅状態になった。
建物群を破壊し尽くした里奈子は立ち上がってジーパンに付着したホコリを“パンパン”と振り払い残った細々とした施設を睨みつける。
「わたしのブーツで大掃除!・・みたいな感じかなァ~!」
黒いブーツを踏み鳴らしながら工場施設を踏み潰し始める彼女だった。




