第35話・わたしは麻美、ちょっとイケナイお姉さんなの!
わたしが中央駅を破壊している頃、麻美は住宅街で暴れ回っていた。
「みなさ~ん!今日はァ、わたし達ジーパンレディースの女子会なんで~す!」
「だからァ、わたし達の女子力をタップリと見せてア・ゲ・ル!」
「今暴れているちょっと優しくて色っぽいお姉さんはァ、わたしっ、紺野麻美と申しま~す!」
腰に手を当てて足元の住宅を踏みにじりながらなまめかしい口調で叫び続ける麻美。
「可哀想だけどォ、わたし麻美様のブーツからはァ、逃げても無駄よ!」
「だって、わたしっ、ちょっとSなオンナなんで~す!」
住宅街の細い道を逃げ惑う住民達を見つけては、いつになく優しい口調で
語りかけ、それでいて無慈悲にブーツで踏みつける彼女。
❝ズヴ~ン!ズズズッ!ズリズリズリッ!❞
これでもかって言うくらいに麻美のベージュグレーのロングブーツが唸りを上げて住宅街に襲い掛かる。
すると、麻美は町の一角に6cm四方くらいの広場を見つけた。
よ~く見ると、そこには逃げ遅れた人達が100人位ぎっしりと集まっている。
「アラアラッ、こんな所にみんな集まっちゃってェ。」
「もしかしてェ、わたしに降伏するつもりなのかなァ~?」
「そういう事なら、わたしも酷い事をするつもりはありませ~ん!」
「これがァ、わたしからの気持ちで~す!」
「カッ、カァ~~ベッ!」
「ぺッペッ、カァ~ッベッペッ!」
優しげな口調の後に強烈な音が響き渡った。
その音は住民達を恐怖で震え上がらせるのには十分だった。
ニヤついた麻美が喉を鳴らしながら巨大な痰唾の塊を吐き掛けたのだ。
黄色く気泡の入り混じったネットリとした麻美の吐いた痰唾は数十人の住民達を飲み込むように覆い尽くした。更に手加減することなく彼女は口に溜まった唾を何度もひっかける。
わずか6cm四方のスクエアはあっと言う間に麻美の吐き掛けた痰と唾でヌルリと覆われ、そこにいた住民達は逃げるまもなく唾池の中で溺れ死んでいった。
「ホラァ~、わたし麻美様の濃厚な痰唾だよォ!」
「ありがたく、もっとタップリ飲みなさいヨォ~!」
面白半分に小人達をいたぶって楽しむ麻美。
しゃがみ込んでゴム手袋をはめた指で唾まみれの小人達を小突き回している。
「ホラホラッ、ペッペッ!」
「せっかく、わたしの唾をご馳走してあげてるんだからァ、もっと飲めっつーの!」
語気を強める麻美が小人を小突く度に、唾が糸を引きまくっていて見るからに汚い。
すると麻美は自分の指に付いた唾の臭いを嗅いでみた。
「ヤダァ!結構臭いじゃん!わたしのツバってェ~!」
「このクッサイわたしのツバにまみれるなんてェ、も~サイアク!でもいい気味!」
唾は粘液だから水と違ってそのヌメッたネバネバから逃げ出すことは不可能だ。
特に麻美の履きかけた唾はドロドロの痰が混じっているから余計に粘り気があった。
100人近くいた小人達もさすがに生き残っている者はいないようだった。
指で小突いても反応しないのを見て麻美は吐き捨てるように言った。
「な~んだ、もう全部死んじゃったんだァ、つまんね~の!」
「わたしに逆らうとこうなるって事、よ~く分かったかヨォ!」
❝ズ~ン!ズズズズ、ズリリーッ!❞
立ち上がった麻美は痰唾まみれのその一角目掛けてブーツで踏みつけると、半円を描くようにブーツを滑らせた。そしてブーツのつま先で丹念に痰唾を広げ始めた。
「ホラホラホ~ラ!後で乾くととってもいい臭いになるんだからァ。」
「このあたりはァ、わたしの女子唾ゾーンに認定しま~す!アハハッ!」
「わたしのツバ、乾くとマジでヤバイ臭いかも、アッハッハッハッ!」
痰唾をを吐きまくって大量虐殺を楽しんだ麻美は笑いながら冗談まじりの独り言に酔いしれている。
ブーツで根こそぎなぎ払われた彼女の足元はすっかり更地の状態になっていて、そこには引き千切れた小人達の遺体が混じった麻美の痰唾が広範囲にわたって塗り広げられていた。
満足そうな顔の麻美は再び住宅街の破壊を再開した。
「お遊びはこのくらいにしてっと、まだまだ暴れ足りないわたしなんですゥ~!」
「え~い!それそれ~!これでもか~!」
❝ズッヴ~ン!ズッヴ~ン!❞
❝グリグリグリ~!❞
足元を見つめながら、ちょっとダンスのステップでも踏むように踊りだす麻美。
巨大な麻美のブーツが住宅街を切り裂いていく。
まるで巨大な粉砕機のようなベージュグレーのロングブーツは白い壁の美しい家々を粉々に吹き飛ばしていく。
「♪わたしの名前は紺野麻美~♪!」と節をつけながら鼻歌まじりに踊り続ける彼女。
「なんかっ、今日のわたしってェ、気分スッキリ~・・みたいな!」
麻美が踊りながらステップを踏む度に、彼女のブーツが家々を粉砕するだけでなく地表をも鋭くえぐリ取っていく。
なので麻美のブーツはどす黒く汚れ始めていた。
しばらく踊り続けて足元の住宅街をグチャグチャにした麻美はやっと立ち止まってこういった。
「ちょっと、疲れちゃったなァ!」
「コマっちい住宅街って、踏み応えが無いんだよねェ!」
広大な住宅街の7割りはすでに麻美によって破壊し尽くされていた。
「みなさ~ん!わたしのブーツが散々活躍したのでェ、今度はこのチョー汚れたゴム手袋の出番で~す!」
そう叫ぶと麻美は地面に膝をついてしゃがみ込み、手当たり次第に両手で家々を押し潰し始めた。
水アカで真っ黒に変色した麻美の白いゴム手袋が住宅街に襲い掛かかる。
踏みつけ攻撃だとブーツの堅いソールで踏み応えもあまり感じなかったが、ゴム手袋越しに押し潰す感触はちょっと気持ちが良かったようだ。
「結構、イイ感じじゃん!このゴム手攻撃!」
「ホラホラ~!早く逃げないと、わたしのゴム手袋でひねり潰しちゃうゾ~!アッハッハッ!」と笑いながら破壊を続ける麻美だった。
もはや麻美の頭には破壊する事と小人達を殺す事しかなかった。




