黒鉱仕込み
勉強回
爆弾発言だったのかなと、少しだけ後悔してるが。そんなこと日本で鍛えたスルースキルで問題無し。豆腐より硬いメンタルで切り抜けよう。
でも、ここに居る皆が、何言ってんだコイツ?ってなってるのは見てて少し楽しいかもしれない。
「どう言う事か説明しますけどね。今は、顔が人間じゃないですか。だから普通の食べ物を食べられるんですけど……」
実は赤ちゃんの頃に産まれてすぐ母乳すら飲まずに土食ってたんだよなあ金鬼だった時って。
とりあえずアバター操作して金鬼に変わって……
「この外見というか、金鬼っの食事って鉱物を含む土とか石なんですよね。」
そうなんだ、異質だろ?見た目だけじゃなくてさ、食べる物が石、土、鉱石なんかの赤ちゃん鬼とかさ……
自分でも変だと思うけど、これまで出会った全ての鬼さんから変な目で見られるんだよな。
「まあ、そんな感じなんで。食べて出す物と言えば鉱石に含まれるアレやコレなんですよね。鉄鉱石を食べたらウ〇コの大部分が鉄だったり、液体金属はオ〇ッコになって出て来ますし。」
「ちょっとニノにい、何言ってるかわかんないよ……オイラおかしくなっちまったのかな?」
カンタ君……そんなにか!
鬼さん達も理解出来てないね。今のうちにたたみかけよう。
「カンタ君、理解出来無くて普通だよ、だってこの見た目の人生って、産まれて2日目に川に流されて捨てられそうになったからね。親でも理解出来ないのが簡単に理解出来るわけ無いでしょ?」
そう言うとカンタ君が不思議な顔して、そうなのか?普通か?なんか騙されてるような、なんてブツブツ言ってる。
でも捨てられそうって言った後に鬼さん達の反応がやばい……
「ニノ様!あんた苦労したんだねえ。あたしゃ誤解してたよ。」
とは、ベニさん……
「ニノ様、そんな親などぶっ殺してしまえばいいのに!ぶっ殺したのですか?」
とはアオさん……
「アタイだったら、延々と魔法でも撃ち込んで消し炭やら氷漬けにでもしてやるね。」
とはハクさん……
等々、皆さん凄く怒ってらっしゃる。この人たちの子供を大切にする文化って良いな……
「殺すも何も、親の顔すら覚えていないですよ。捨てられそうな時に拾ってくれた人が居たので、その人の家来として、付き人として、その後生きてましたし。それに、その人に拾われてからは、結構幸せでしたよ。」
そう言ったらアカさんやクロさんなんかは、あの人を思い出したんだろうな、あれも幸せだったのか……わからんな……
とか呟いてる、そのうち号泣しつつ嗚咽してた時の動画でも見せてあげよう。俺の、目がぁ目がぁのシーンはカットして……
閑話休題
「因みにヒヒイロカネですけど、私の故郷に黒鉱ってのがありましてね、それがまた美味しいんですよ、このアバターだと。」
鬼さん達は黒鉱?ってなってるな。まあいい続けよう。
「それを食べたらヒヒイロカネの皮膚が今よりツヤツヤで分厚くなるんですよね。因みにお風呂入って垢擦りするとポロポロと古くなったヒヒイロカネが落ちて来ますし。私からすると簡単に手に入る物なんですよね黒鉱さえあれば。」
おっ!カンタ君が黒鉱を知ってそうな顔をしてる!んじゃカンタ君に説明頼もうかな。
「カンタ君、黒鉱の特徴って言える?」
「ん?オイラが教えていいのか?あんまり細かくわかんないけど大雑把に説明するくらいなら、たまに遊びで掘ってたから出来るよ。」
「大雑把っで十分だよ、んじゃカンタ君教えてあげて。」
カンタ君が黒鉱について、結構詳しく説明してる、希少金属の名前まで覚えてる、さすがに含有量までは詳しく無さそうだけど、そんな事まで知ってたら鉱物学者さんか石オタクだよな……
ある程度、こういう金属が含まれてて、こんな形の結晶があって見た目が黒かったり白かったり色々混ざってて。抽出する技術さえあれば、それなりに使える鉱石って感じで締めくくってた。でも1つ足りないね。
「カンタ君は、あっちの最新情報に少し疎いから付け加えておくけど。」
そう言ったらカンタ君もちゃんとこっちを見て聞いてくれる。今日は鼻くそほじらないようだ、さては真面目に聞いて現金を手に入れて課金するつもりだな!まあ良いけど。
「私が神になる前に暮らしていた世界の国だと、地面を掘って黒鉱を手に入れる事なんて、もうやってないんですよね。全ての鉱山が閉鎖されてます。」
えっ!それじゃヒヒイロカネ手に入らないじゃんとかカンタ君が言ってる。でも現在黒鉱が手に入らないとは言ってないだろ?
「わざわざ地面を掘り返して環境を破壊しなくても、海底1kmくらいにある海底火山から噴出する熱水鉱床って所から人工で結晶化させて作り出せる技術を開発済なので、そのうち希少金属を採取するのに実用化されるでしょうね。あの国だと。」
うひょーホントか?スッポンとかうなぎに場所教えて貰って取りに行こうとか言ってくれてるカンタ君と、話を理解しようとする鬼さん達。
「そんな事が出来る魔法があるなんて凄い世界だったのですね。」
そう言ったのはアカさん、でも無いよ魔法なんて。
「魔法じゃ無いんですよ、積み重ねた先人達の知恵に新しい技術に新しい考え方が乗っかって、作り上げた、ただの技術ですから。」
エンジさんが、なんか納得顔で頷いている。
他にも数人俺と一緒に何か作った事がある人達は、エンジさんと同じように頷いている。
変態日本の令和の技術ですから理解出来ないのが当然の事だよな、魔法とスキルのある世界だとさ。
どんな技術を使えば魔法を使わないで海底まで行けるのか、海底でどうやって作業するのか?なんて話し合いに発展してる。
まあそのうちタブレットでも使って、ドキュメント映画っぽく編集でもしようかな。
でもカンタ君、そんなのこっちじゃ無理だろ?課金出来ないよ。なんて呟いてたらお金の入手方法教えないからね。
今回出した黒鉱は、実在しますよ。
既に国内の全ての鉱山が閉鎖してるので、簡単には手に入りませんが。
とあるなんでも鑑定する番組だと、そこそこ綺麗な結晶がしっかりと付いているものだと百万円単位の値段になりますよ。
普通の人が見ても、ただの模様の入った黒い石なんですけどね。
貴金属たっぷり鉄も含まれてたりしてます。
勉強回でした。
読んで貰えて嬉しいです。




