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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
3章 調味料が欲しいです
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ぶえん=お刺身

飯テロ回です続きです。


 カツオの腹皮と芋焼酎の組み合わせで目を白黒させているマルトさんを尻目に、ぶえんカツオを頂く。

ぶえん?なにそれ?って思うだろ……

お刺身って意味だ。

カツオはカツオでもハガツオだな。

知りたい人は、便利な箱や板で調べてくれ。


「玉ねぎのスライスとネギを乗せて、こう醤油に…………。」


ふふふふふふ……笑顔しか出ない。

お刺身を口に含んで咀嚼しながら……

芋の焼酎……

大事だからもう一度言う、笑顔しか出ない。


どうやらマルトさんも言葉にならないようで、向かいあったオッサン2人が黙々と目の前の料理をかきこんでいく。食べ終わった後のマルトさんの言葉がコレだ。


「見た目と匂いに騙されましたね。美味しいと言う以外の表現方法が無いです。」


でしょでしょ。俺も初めて食べた時は生臭いし磯臭いし少し苦手だなと思いながら食べたんだよ。

でもそこに芋の焼酎が加わると……

味のビッグバンが起こる。異論は認めない。


お店の人が、マルトさんの言葉を聞いて小さくガッツポーズをしている。

何一つ残さず平らげて。また来ますね。

そう言って会計を済ませて店を出た。

隣の席で、若い女の人がスマホで料理の写真を撮っていた。インスタばえしそうだよな。


うん、また来よう。

そう思いながら店を後にする。


「ふぁぁ。あのお料理であの値段ですか……いいんでしょうか?」


そんな事をマルトさんが言うけど、現地の人からしたら、この値段が普通だから良いんじゃないですかね。と答えておいた。

都会で食べると、一葉さんで足りない位の料理なのに、2人で一葉さんでお釣りが来るんだよな。英世さんくらいのお釣りがね。



 腹も満たされたので、目的のカツオ出汁を購入するのに漁港へと向かう。と言ってもすぐそこなんだけどな。


歩いてる途中で珍しい物を見れた。


「あれはカツオですね……」


「そうですね、冷凍されたカツオですね。」


ガコンガコンと音を立てながら大きな船から冷凍のカツオがベルトコンベアに乗って運ばれながら仕分けされて行く。これを見れるのはラッキーだな。


「うわあ凄いですね。カチンコチンになってますよ……」


大型の船から次々と運ばれる冷凍カツオを見ながらマルトさんと2人で並んで歩道を歩く。


「あんなので殴られたら大変な事になりそうですよね。」


こんな事を言いながら。


「あれだけの命が……」

「無駄では無いですよ……」


俺もマルトさんも日本神(にほんじん)だからな、命を奪うって事に凄い嫌悪感ってのがある。


「ほら、また珍しいものが見れますよ。」


そう言って俺が指さした先には、トラックが。


「なんですあれ?エラや内蔵、骨や皮ですかね?」


2トントラックの荷台に満載されたカツオの様々な部位を見ながら。


「ですよ、人間が食べれない内蔵やその他の部位ですね。魚粉になって肥料や飼料になる予定のものですね。」

「無駄な部分はひとつも無いんですね。」


そりゃそうでしょう、命を頂くんですから。


そう思いながら枕崎お魚セ〇ターを目指す。


途中でマルトさんが食べられない内蔵?あれ?って気づいたようだ。


ふふふ酒盗を食わせてやる……

そう思いながらニヤケた俺をマルトさんが見る。


「あのお、私って酒盗は苦手でして……」


そんな感じに、申し訳なさそうに言うもんだから。


「騙されたついでにもう一度騙されませんか?」


そう言って笑顔で答えておいた。


酒盗……カツオの内蔵の塩辛だな。

苦手な人は死ぬほど苦手、でもその苦手が好物に変わる瞬間ってのが目前に迫ってるぜ。


覚悟めされいマルトさん。






枕崎に行って魚の捨てる部位を満載にしたトラックを見た時に、すげえとしか思いませんでした。

後日調べたら魚粉になるとのことでした。

その時の衝撃を文書にしてみましたが。伝わらないでしょうね。知りたいのであれば、現地に行って見てください。


もう少し枕崎回が続きます。


ここまで読んで貰えて感謝です。

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