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おっさん家!  作者: サン助 箱スキー
3章 調味料が欲しいです
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お腹の皮

飯テロ回です。


 枕崎市街に到着して最初にマルトさんにお願いしたのは。


「マルトさん、窓を開けてみて下さい。凄いですから。」


なに言ってるんだ?って顔をしてるが、開けたら驚くぞ。

(いぶか)しげな表情のまま、クルクル取っ手を回して窓を開け、外の空気が車内に入って来ると。


「ふぅわぁ!なんですこのお出汁の香りは!凄いじゃないですか!」


訝しげな表情が一瞬で(ほころ)んだよ。


「そうなんですよ、暦の休日に観光に来た所で、ここまで香りがしませんが。平日昼間だと凄いでしょ。私の知り合いは、この香りだけでお茶碗三杯いけるって豪語した人も居ますよ。」


鹿児島県枕崎市って言えば日本有数の鰹節の生産地なんだけど、それなりに観光客も来るけどさ……

本当に鰹節を感じたいなら、平日昼間に来るべきなんだ。凄いから。


「街全体が鰹節の香りなんですか?」


「ええ市街地近辺だと何処でもこの香りしますね。枕崎出身の人に言わせると、鰹節工場の香りを嗅ぐと久々に帰ってきたって思うらしいですよ。」


街の至る所に鰹節工場があって、平日の昼間なら工場が稼働しているから……

お出汁大好き人間にたまらない香りがするんだよ。


「来て直ぐに鰹出汁を買って帰るのもなんですから、食事でもどうです?お食事処から先は歩くつもりで少しやりませんか?」


そう言って左手で飲む仕草をすると、マルトさんの顔がさらに綻んで。


「カツオのタタキですか?」


違うんだな!


「ふふふ、内緒です。」


さらにビックリさせてやる。



 枕崎漁港の雑魚市場からそんなに遠くない場所にある地元の人達が来るようなお店に到着、マルトさんは既に少しソワソワしている。


「ここですか?なんというか、そんなに老舗って感じもしませんし、逆に新しすぎるって感じもしませんね。」


まあ、お店の外観は普通のお食事処だな。


「今回は全て私に任せてください。ビックリさせますから。」


そう言って暖簾をくぐる。いらっしゃいの声がかかって2人ですと言えば、テーブル席で良いですか?と聞かれたので、もちろんですと答えて2人用のテーブル席に座る。

通路側が俺、壁にくっ付くように据え付けてある長椅子にマルトさんに座って貰った。


「あっ!頼む物は決まってるんで注文良いですか?」


そう言って。


「カツオの腹皮定食と、ぶえんカツオのお刺身を2人前ずつお願いします。飲み物は黒の方の焼酎の水割りを2つ、料理と一緒にお願いします。」


マルトさんがカツオのタタキじゃないの?腹皮?お刺身?なんて混乱している。


「騙されたと思って食べてみてください。ふふふ。」


俺も最初は騙されたと思ったね、田崎和信時代に数回来ている枕崎市だけど、初めての食事が漁業組合の食堂なら今の時間でも開いてるし、誰でも行けるよ、と聞いて行って食べたのがこれなんだ。



 焼酎と腹皮定食とぶえんカツオ盛りがテーブルに到着!素晴らしい、この時点で素晴らしい!


「えーとこれはお腹の皮の部分ですよね……匂いが……

それにこっちはカツオの刺身ですか?刺身って……。」


さっきまで綻んでいた顔が少しだけ情けない表情になってるけど。


「とりあえず焼酎で乾杯しましょう。」


そう言ってグラスに焼酎5水5の割合で用意された物をマルトさんと軽くグラスを合わせてから、舐めるように飲む……

そこにカツオの腹皮を放り込む……

お口の中がセカンドインパクトや!!←表現力が乏しいとこうなります。


マルトさんも観念したようで、焼酎を少し口に含んで、あれ?ってなった後にカツオの腹皮を口に放り込む……


「あわあわあわあわあ」


ふふふ、美味いだろ……旨いだろ……




次回も飯テロ回です。

カツオの腹皮って食べた事ない人多いかもですね。美味しいですよ。


本当に枕崎市は鰹節の香りがする日がありますよ、薪で炊いてるカツオの香りなんですが、風向き次第で結構な距離までお出汁の香りが漂います。


読んで貰えて感謝です。


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