車
車です。
九州に入ってしばらくしたくらいに、御手洗に行こうと思って付けていたアイマスクを外したんだけど……
スーツを着た白い毛のイノシシの被り物?を被った人が……なんだあれ……
そんな事を考えたら、マルトさんが。
「天満天神様ですよ、南の視察でも行かれるんじゃないですかね。あの方結構シャイなんで、見えてない振りしてくださいね。と言うか、同じ新幹線に乗るなんてですね。ハハハ……」
「普通の人間サイズでもあの頭なんですね。」
「すっぴんで面と向かうのが苦手らしいですよ。」
そうなんだ……と思いながら、座席の後ろのドアから出て1つ隣の車両を抜けてトイレまで行って来た。座席に戻ってマルトさんの横に座ってアイマスクを付け直して寝たフリをしながらの九州の旅……1度行ったことがあるなら出来るはずだから、次は転移してこよう。そう心に決めた。
鹿児島中央駅に到着したんだけど、中にカスタードクリームの入ったお菓子とつけ揚げ(さつま揚げ)を買って、飲み物を自動販売機で購入してレンタカー屋さんに向かう。
駅前の大きなレンタカー屋さんじゃなくて、なんだこの路地?って所に入って行く。
「人間用のレンタカー屋さんじゃなくて、こっちの……神用のレンタカー屋さんで借りましょうね。」
と言って案内されたのは、解体屋さんに見える車が積んである所だった。
「え?と言うか、ちゃんと車検とか保険とか大丈夫なんですか?ここのって、わナンバーでも無いですし。」
「そりゃもちろんちゃんと車検や保険が付いてる車両しか貸してくれませんよ。まあ付喪神も付いてますけどね。」
マルトさんがプレハブに向かっていくので、全て頼るのもと思い俺も着いていく。
「ごめんくださーい。」
マルトさんが挨拶すると、さっきのイノシシ頭……
今度はスーツじゃなくてツナギ姿だ。
「やっと来たな!借りて行くのは人力車か?牛車か?それとも……これかい?」
イイぃぃぃぃインタ〇セプターだと!無理無理無理無理!古い外車じゃん!めちゃくちゃ高そうじゃん、と言うかスーパーチャージャー付いちゃってるよ……
何処のマッドなマックス仕様だよ!無理無理!
マルトさんが困った顔をして普通乗用車で。なんて言ってくれたから、ちょっと古いけど十分キレイな国産車に案内された。
「こいつはこんな見た目だけどよ、中身はまるっきり違うんだぜ。RB26を積んであるんだ。加速も最高速も日本の道路は狭すぎるぜ!」
ジト目で見たら、軽い舌打ちと共に軽トラを出して来てくれた。
返却はしなくていいらしいです。勝手に戻ってくるらしいので……日本なのに不思議だ。
鹿児島市の産業道路から枕崎市に向かう道に入り、のんびり山道を軽トラで走り抜ける。
運転は俺、マルトさんは免許証持ってないから助手席。ちゃんとシートベルト付けてるよ。
「そう言えば、天満天神様ってレンタカー屋さんもやってるんですか?」
マルトさんにさっきの事を聞いてみたら。
「あれですね、ニノさんを見に来たんじゃないですかね。以前ビニール袋いっぱいに貰った仙桃を1つ太宰府天満宮に奉納しましたから。」
ふむふむ
「ああ、そうだったんですね。しかしアレが仙桃だなんて全く知らなかったですよ。あっちで鑑定するとナメッコの実としか出ないですから。」
「アカシックレコードの違いなんでしょうね。ただ欲を言えば、お礼にと渡して貰える物の値段をもう少し気楽に受け取れる値段設定に見直して頂けませんかね?」
ん?あれ?ナメッコの実って高いの?
「種無しでお幾らくらいしそうです?ナメッコの実って?」
「熟した種無し仙桃1つで5万円程ですね……」
すげえよ最長老……
あんたの左右の幹に生ってる果実……
数億円分あるぜ!もぎ取って売り払いたい衝動に駆られる値段だな。しないけど。
「うわあ、すいません。手軽に手に入るので、そこまで気にしてませんでした。」
こんな事言ってもニノさんは贈り続けるんでしょうけどね、なんて苦笑いで言われた。もちろんと心の声で答えておく。
さあもう少しで枕崎市到着だ。待ってろよカツオの町!
インタ〇セプターは、とあるメルと言う俳優が有名になるきっかけになった作品で乗っていた車ですね。
RB26とは、NIS〇ANのスカ〇ラインGTRに搭載されてたエンジンです。
憧れますけど、軽トラがいいです。
後書きまで読んで頂けて感謝感激雨あられです!




