2章プロローグ1
2章突入です。
その日は、こっちに来てから何も変わらない平和な朝だった。配属されて1年ちょい経ったカラフル曜日、日本で言う日曜日の事だ。
最近スキルオーブを生成するのもビー玉を保管しておく場所に困ってきたし、建材を作るのも乾かす場所が確保出来てないし。仕方ないから今住んでる聖域の平野部を探索したり、ガンモと遊んだりしている。ちなみに家具も色々増えていたりする。
この聖域に住んでる動植物なら俺が星神である事を本能的に理解出来るらしく、今の所襲われたのは、最長老の1回だけである。突撃スズメの突撃は遊んで貰いに来ていただけだったらしい。
藪蚊すら俺の血を吸わない、素晴らしい。
いちおうこの聖域も食物連鎖があるようで、そこは弱肉強食らしいのだが、外界と比べるとゆるい感じである。
聖域の動植物の殆どが直接食べ物を食べるより、エーテル素粒子(日本人にわかりやすく言うと魔力)を吸収しているらしく、たいして食物を必要としないとの事だ。
ただ出産の時だけ、エーテル素粒子だけで足りなくなるので、そんな時に食べ物を確保する必要があるらしい。それも殆ど解決済だったりする。
聖域の冬は、日中24℃前後、夜間で20℃前後で、これで冬かよ?ってくらい過ごしやすい。
それでも、山の頂上付近に雪が積もっているのも見た事がある。高い所は寒いみたいな、そこら辺の法則なんかは、地球と変わらないようだ。
今日も今日とて何も変わらないと思っていたのだが、突撃すずめが普通に近付いて来る。
こんな事は、初めてで普段なら突撃してくるのに。
「ナメッコ最長老が呼んでるよー!呼んでるよー!」
と声をかけてきた。ちなみに聖域に生息する動植物の声は、タブレットを操作すれば全て聞き取れた。もちろん喋る事も出来る。
最長老が俺を呼んでいるなんて珍しいなと思いつつ1人がけの椅子に座る。
移動するのに椅子に座るのは、変だと思うかもしれないが。実は、最近歩くのをサボっていたりする。
浮いて移動すれば楽だなと思っていたのを椅子に座って浮いて移動すれば超楽じゃね?と考えたのが始まりだ。だんだん慣れてきて、自転車くらいの速度なら出せるようになってきた。
そんな感じで森まで辿り着き椅子から降りる。最長老が生えている場所まである程度起伏があるので歩かないとなのだ。
いちおう森に入るという事で長袖長ズボンにトレッキングシューズを履いている。
最長老の近くまで来たら。
「来てますぞ!迷い子が!しかも珍しく団体ですのじゃ。こちらで対応しましょうかのう?それとも主が対応してみますかの?」
そんな事を聞かれた、考えてみれば外界の生き物に出会うのは、これが初めてなのだ。サボっていた訳ではない。少しコミュ障が入っているだけなので聖域に引きこもっていたって感じだ。
この惑星の生態系なんか理解出来てるし。各大陸で使われている言語等も習得済である。
いつまでも引きこもっているのもダメだよなと思い。意を決して、外界の生き物と話してみる事に決めた。
最長老から聖域を荒らすような外界の生き物なら慈悲もかけずに消滅させる事をオススメされたけど。
タブレットのマップを確認してみると、どうやら30人程の人型の生き物のようで少し安心した。
意思の疎通くらい出来そうである。
距離的にまだ2km程離れているので、今のうちにアバター操作で色々準備する。
ここ最近は、色々と便利だからとコウロギの触覚を額から生やしている。これの感度は、とても良好で少しでも空気が不自然に揺らいだら何かあると感知できる。主にガンモや突撃すずめ、いみしかトンビ対策として使っている。
それ以外だと、服装を森を歩くのに適した感じに変えた。
誰かと話す時にタブレット操作しながらだと失礼かなと思ってタブレットをしまっておく。
準備完了したので、全身透過を解除しておく。何となく透けてると化け物扱いされそうで、出来るだけ平和的に話し合いをしたいと言う理由だ。
そして30人程で固まっている集団の方に向かって歩き出した。
300mくらい後ろでガンモがソワソワしながらこっちを見ていた。
出来るだけ毎日数話投稿したいと思っています。
ある程度話を進めないと、させたい事に辿り着かなさそうなので。
読んでくださってありがとうございます。




