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1話 居場所なんてない

「私の名前はライ=アイリス、見ての通り勇者だ!魔王ドグマよ!その首、討ち取らせてもらう!」


この世界は剣と魔法、それと生まれ持って授かるもの、スキル

それと人と魔物、二つの相容れない生物が混在する。

私はその世界の勇者、魔王を討ち取る者


「よく来たな勇者よ!この魔王ドグマがお前を深き深淵に落としてやろう!」


魔王が放つ魔法と勇者が振りかざす剣が衝突し、その死闘はおよそ10分ほどという短時間で決着し、勇者の勝利で終わった。

この物語は、勇者のその後の物語である


勇者と魔王の戦いから3年後、勇者は魔王との戦いで記憶を失い、日々の記録を取っていた手帳を頼りに故郷である小さかった筈であった村に帰還する


「これは、なにがあったんだ…」


小さいと書かれていた村と呼ぶにはあまりにも大きくなっており、家の数も増え、遠くからでも村人の声が常に途絶えない事から推測するに、村の人口も増えているだろう


手帳によるとこの村を出て旅に出たのが14年前の私が7歳の頃、村の主な年齢層や動ける人の数から考えてみてもたった14年でここまで成長する訳がない、それに…



「なんか、みんなの目が冷たい気がするな…?」


記憶はないけど、手帳に書いてあった村からの印象」りも冷たいし、少なくとも勇者に対する反応じゃない気がする。

人が集まってきた…あれは、特徴からするに村長かな?


「今さら何をしに戻ってきたのじゃ」

「村長の言うとおりだ!村の飢饉の時に助けに来なかったクセに!皆んなが大変な時に救ってくれたのはユータ様だけだったんだ!」


悲しみよりも困惑がくる、ユータって誰なんだろう


困惑している私に村長が畳み掛けて喋り出す


「この村には村の仕事ができんやつはいらん、必ず働くのだぞ」


なんでここまで冷たい態度を取るのかわからない…村の危機を知りもしなかった私に対して多少は冷たい態度を取るのはわかる、でもここまでする理由はあるのか…?そんなにユータって奴が凄いのかな


「…?、どうしたの村長さん」


そう聞いてみるとあからさまに眉をしかめ、杖で強く地面を突く


「どうしたの?ではないわ!聞こえなかったか?この村には村には穀潰しを飼う余裕は無いんじゃよ」


飼う…手帳には口が悪かったと書いてあったけど、いつも軽い陰口だけだったと、それなのにこんな面と向かって…


村の皆んなの冷ややかな視線がアイリスに注がれる、村の外では勇者、救世主と持ち上げられても、この村では救世主はただ一人、スキル「成長」で村を変えた転生者だけだった

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