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「ムタチオン」  作者: 使徒佐さとし
第七章 爆破テロ編
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第75話 愛利の作戦

 愛利は自分の能力に気付いた時から、能力を使ってあらゆる犯罪に手をかけてきた。催眠を使えばいくらでも金はくれる。堂々と窃盗も出来た。時には人を使って強盗などをした時もあった。これまでに愛利がかけた催眠は数え切れないほどの人がいる。愛利の催眠は一度かけられると、愛利自身が解除しない限り永久に効果は持続するのだ。効果が持続している間は愛利の指示が無いと動かなくなるので、これまでに催眠をかけたままになっている人はそのままになっていることが多いのだ。

 時々聞く事件などにも愛利の催眠が関わっている事が多く、仮に窃盗などをするように、命じた者はその催眠が解除されない限り永久にそれを実行し続けるのだ。愛利の能力を止めるには、愛利自身で解除するか死亡するかの二択しかないのだ。


 愛利の親は海外出張などの関係で、年に数回程度しか家には帰ってこない。収入がそこそこあるので、生活には困ってはいなかった。ただ愛利もさとし同様今まで友達も恋人もいなかった。しかしこの能力に気付いて自分に仲間を増やすことができると思い現在に至っているのだ。


 M部隊第3支部では、月に一度の定例会を行っていた。今回の議題は、近年増加するムタチオンによる犯罪である。高層部の里山健司は現在の状況が非常によろしくないと、危惧をしている。

 「近年どころか、今年に入ってわずか半年で昨年のムタチオンの事件の件数を超えている。今と全く同じセリフを1年前の今日にも言っていた。ということは、事件の発生件数が、2年前とくらべて4倍になっているという事だ。日本国内だけではなく、各国でもムタチオンによる襲撃やテロも増えている。公になっていない事件を含めると数え切れない。俺はこのままだと世界を巻き込むような大事件が起こるのではないかと非常に心配をしている。」

 

 中層部の吉川幸子も話す。

 「現在全世界においてムタチオンの危険指定は9人、ローリング・スマッシュ、トンジット・ギター、チャン・ジンクス、ロベルト・マスター、ジャイロ・コースター、ハバロ・グスク、この6人はいずれも懸賞金が掛けられていて未だに誰も捕らえられていません。先日は日本で指定されている吉本八郎が捕らえられ、現状では日本で最高額の賞金首でした。しかし未だに9人の危険指定がいて、さらにその上には重大危険指定がいます。」


 「重大危険指定は5人いますね。特にトーマスという男は世界最高額の懸賞金が掛けられています。先日金額がさらに更新され、日本円でおよそ40億円に相当します。」


 その金額を聞いた周りの部員はざわつく。

 「40億とか前例がないぞ。」

 「ええ、このトーマスという男はなかなか素性が掴めず衛星で探しても全く見つかりません。それに、支部の高層部ですら手に負えないほどの実力もあり、この男を捉えるにはムタチオン対策本部の全てを統括する統括最高層部が動かないといけないレベルです。」

 

 現在世界各国の支部が恐れているある大事件の引き金を阻止しようと、必死になっているのだ。


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