第33話 世界に届く瞬間
東京ディズニーランドに竜巻が襲うという題で各国の放送局が取り上げている。現在竜巻は客が避難している建物に向かっており、もはや諦めている人もいる。健太と涼太もほぼ運に任せている状態である。竜巻が徐々に建物に近づいてくる。距離はあと100mでもうどうしようもなかった。
竜巻に飛ばされて一時的に気を失っていたさとしは目覚めた。さとしは竜巻がまだおさまっていないところを見て時間はそんなに経ってないということが分かった。さとしは様子を見に行くと竜巻はもう建物に接近していて、たくさんの人が避難している建物に直撃しようとしていた。多くの人が諦めかけた瞬間、徐々に竜巻の勢いが落ちてきた。
中継しているテレビ局もそれに気付いた。
「竜巻の勢いがみるみる落ちていきます。」
世界中が竜巻の不自然な勢いの低下で釘付けとなっていた。
竜巻は建物に直撃する10m手前で落ち着いた。高速移動の勢いでその場からみゆは移動して別の建物に直撃した。それを見ていたさとしはみゆを追いかけた。
突然発生した竜巻の災害から半日が経って現在は夕方である。負傷者は多数でたが、幸いにも死者は出なかった。建物の損害も一部ですぐに復旧できた。
生徒たちはさとしやみゆの他6人が負傷し、東京の病院で入院している。いずれも命に別状はなく、1週間程度で退院できるそうだ。今回のことを受けて学校側は緊急時のマニュアルを作成し、今後の修学旅行のやり方を変えることにした。
たかしが新潟から戻ってきて、さとしの病室にきた。たかしは作戦が成功したことを告げて、家に帰っていった。健太たちが来て今回の修学旅行の出来事を話し合っていた。
「えらいもんだぜ。夜ホテルを抜け出してそれが見つかって、騒動にもなるし、竜巻やらで大変なことになったしな。」
「被害を最小限にしたのはみゆのおかげだ。」
この出来事は世界中で注目され、あの映像を何度も見る人が多勢出てきた。突然竜巻の勢いが無くなったのだから不自然に思う人も出てくるのは当然である。ネット上では竜巻の件はムタチオンが関連しているのでは、という噂も流れているほどだったからだ。涼太はネット上で竜巻の話題が出ているサイトをくまなく調べて、みゆのことに少しでも気付いた人物がいないかくまなく調べていた。健太は考えすぎだと言うが涼太はこう言う。
「今のネット社会を舐めたらいかんぜよ。この出来事は世界中に知れ渡った。そして映像も流れている。少し映像のプロが見たら竜巻が減少した理由を突き止めることくらいわけもない。しばらくはみゆの護衛とも言わんがそばにいたほうがいいぞ。」
「まあ涼太が言うことは大体当たってるしな。」
1週間が経って、生徒らは退院し、無事に新潟に帰ることができた。
「わざわざ記憶操作しなくてもチャラになったかもな。」
と呟くさとしであった。




