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心のゆくえ  作者: ゆきのいつき
3章
109/124

番外編.個室病棟の眠り姫

遅くなりました。

しかも番外編だったりします。

 その子との出会いはまだ短い看護師経験の中とはいえ、一際風変わりで……きっと一生忘れる事のない出来事になるに違いなかった。


 3月も残すところあと10日となったというのに、未だ身を切るように寒かったあの日。多少遅くなってきた夕暮れから日が暮れるまでのわずかな時間。ようやく外来患者さんたちの喧騒が無くなろうとするころ、その子は運び込まれてきた。

 救急隊、そして県警からの連絡でここに運び込まれてくることは事前にわかっていて、受け入れ体制も整えていたとはいえ……実際その子を見たときの驚きは、落ち着いた今でも私の記憶から薄れることはない――。



 担架に乗せられた物言わぬその子は、病院に入ってからですら周りの目から被い隠すように運び込まれ、救急の処置室へと運び込まれた。何でもこの子は、つい数時間前に起きた篠原製薬の研究所内での爆発騒動とそれにかかわる事件……の被害者だと聞き及んでいた。

 休憩の合間に見ていたTVでも繰り返し報道されていたけど、篠原の研究所内でどうやら違法な行為が行なわれていたらしい。まだ詳しい内容まで報道はされておらず、よくわからないけど……この子は爆発による怪我などではなく、いまだ明かされていない何らかの違法行為の被害者ってことのようだ。

 看護師わたしたちは、医師の指示に従い子供を周囲の目から隠すべく覆われていたシートを剥ぎ取り、更にその下に掛けられていた薄いシーツも取り払い、そのかわいそうな被害者、まだ10才にも満たないんじゃないかと思えるその小さくてやせ細った女の子の姿をあらわにする。その子の姿はなんとも特徴的で、そしてとても痛ましかった。検査のため患者衣の前を開けられ直接見ると更にひどく、肋骨が浮かび上がったその様は見るに忍びない。

 でもそれにも増して驚いたのはその体毛の色だ。毛髪はもちろん、眉毛やまつ毛、産毛ににいたるまで全てが白かった。そしてその肌も病的に白く、毛細血管がいたるところで透けて見え、やせ細った体と合わせ、見ていると涙が出てきてしまいそれを抑えるのが大変だった。そんな様子を見ただけで篠原製薬がとんでもないことをやっていたに違いないと思うことは容易に出来る。


 処置室ここで外傷がないか確認し、一通りの検査を終えたあとは、MRIによる体や頭部の精密検査を受け、その後NCU(脳神経外科集中治療室)へと送られる手筈になっている。検査が終わったあとは私の担当している脳神経外科の病棟に収容されるらしく、これから今までにも増して忙しくなりそうだ。

 検査を進めていく間に少ないながらもわかったことといえば、女の子の名前は柚月ゆずき 蒼空そらといい、その白い毛髪や肌は先天性白皮症……いわゆるアルビノという遺伝子疾患から来ているってことだ。まぁそれは見ればいやでもわかるけど……、蒼空ちゃん……健康な姿でいればさぞかしかわいらしい女の子だったろうに……。そんなことを思うとまたもや涙が出てしまいそうになる。


 一体どんな事件に巻き込まれてこんな痛ましいことになってしまったのか?

 体を調べていくほどにこの子……蒼空ちゃんの異常性があらわになってきた。両手首や腕にある無数の点滴痕。そしてなによりも目立つその頭部の巻かれた包帯と、今もその頭部に繋がったままのドレーンチューブ。その様子から、まだそう遠くない過去に頭部の手術がなされたってことが容易に想像出来る。


 こんないたいけな、まだ幼さの残る少女に何があったのか――。


 ここまでに至った経緯いきさつについてはまだ何もわからないけれど……、ろくでもないことが行なわれていたことだけは聞くまでもないことで、強い憤りを感じてしまう。

 でもまあ事実がどうあれ、看護師わたしたちの仕事は、国立医療研究中央病院ここにきた患者さんが回復し、無事退院出来るようになるまでサポートすることなのだ。私がこの女の子、蒼空ちゃんの担当になるかどうかはまだわからないけれど、無事退院する姿を見ることが出来るよう……お手伝いできればいいなと……心からそう思う。


 蒼空ちゃん、かんばれ!



* * * * * *



 蒼空ちゃんが病院に担ぎ込まれた翌日。

 私は願っていたというと御幣がありまくりだけど……蒼空ちゃんの専属に近い立場で看護をすることになった。

 蒼空ちゃんの担当医は石渡いしわた とおる先生といって、この病院の脳神経外科医の中……ううん、全国的にみても最高の技術を持った医師で、独身の33才、しかも長身のイケメンであり……私たちの中での永久就職先候補ナンバー1の人気の持ち主だ。その石渡先生から、専属になった私は蒼空ちゃんが巻き込まれた事件、そしてその小さな身体からだに起こった驚くべき事実について聞かされされた。(もちろん内容については守秘義務があり、聞かされた内容について一切口外しないことと念を押されてである)


「西森君、彼女の看護については異例だけど君に専属でついてもらうことになった。意識が無い上に色々問題も多くて大変だろうけど、力を貸して欲しい。もちろんサポート要員は付けるけど、すべての状況を把握する人間としては君一人ということになる。解っているとは思うけど、くれぐれも先ほど説明した内容については他言しないよう、気をつけてほしい」


 説明をしているときの石渡先生は、普段の飄々とした雰囲気は欠片もなく、真剣そのものの表情でその事件のあらましについて語ってくれた。

 聞かされた事実はあまりにショッキングで現実離れしていて、その話しをしてくれたのが石渡先生でなければとても信じられないようなお話だった。


 あの蒼空ちゃんの頭の中……脳は別の身体、そう、元々男の子・・・であった蒼空ちゃんの身体から摘出されたものであり、それを今の体へと移植されたという……なんとも信じがたい話……。

 しかも今の女の子の身体自体、蒼空ちゃんの細胞を元にしたIPS細胞から造られたものであるという――。


 そしてそれを実行したのが先日来、世間を騒がしている篠原製薬の研究所副所長であり、過去にはここに勤務していたこともある……脳神経外科の優秀な医師だという。


 篠原 征二。


 なんて恐ろしいことを考え、しかも実行してしまったのだろう。

 

 脳移植にいたるまでの経緯だってあまりに常軌を逸してる。

 IPS細胞から造りだした身体の自我が得られないかといって、元の……遺伝子提供者である蒼空ちゃんの脳を移植しようだなんて。しかもその手段に、わざと瀕死の重傷を負わせ治療の選択肢も無くし、自分で重傷を負わせておきながら、いけしゃあしゃあと無理矢理その移植を実行するだなんて――。


 おかしいよ。

 狂ってる。


 造り出した身体に自我がないからって、別の身体から脳を移植するだなんて。そんなことになんの意味もないってこと……小学生にだってわかる。


 しかも!

 脳移植は無事完了したものの肝心の蒼空ちゃんの意識は今だ戻ってない。これでは脳移植……成功だなんてとても言えない。このままでは蒼空ちゃんがかわいそすぎる――。


 私に出来ることってなんだろ……。



「はい、もちろん他言などしません!

 私、少しでも蒼空ちゃんの意識が戻るよう願って、精一杯看護します。移植自体は成功してるんですよね? いつ意識が戻ってもおかしくはないんですよね?

 それにご家族の方が少しでも安心できるようしっかりサポートしていきたいと思います!」


 篠原の末路についてはもう自業自得と言うしかないが、蒼空ちゃんに対し、何の責任も負わないまま居なくなってしまったのは何とも腹立たしく、ご家族もさぞや悔しい想いをしているに違いない。

 蒼空ちゃんと同じく、研究所に拘束されていたという憔悴しきったお母さまと妹さんの姿を見たこともありそんな想いも抱いた私は、先生に自分の強い決意を伝えた。


「うん、ありがとう。心強いよ。

 医局としても彼女の意識を取り戻すための努力は惜しまないつもりし君たちと僕らはチームなんだ。一緒にがんばろう!」


「はい! がんばります」


 こうして私たちは、眠りからさめない雪のようにまっ白であまりにもか細い少女。蒼空ちゃんの意識を取り戻すべく、治療を進めることとなった。


 あ、それと、そういえば……蒼空ちゃんの様子を見に来た警察関係の人の中に大学のサークルの先輩がいたときには思わずビックリしてしまった。運び込まれたその日も実は居たらしいんだけど……。向こうも私に気付いて少しだけどお話もした。

 先輩の名は朝比奈あさひな 麗香れいか。聞いたところによると県警の刑事部、捜査第二課ってとこで巡査部長って役についてるみたい。(それがどんな立場なのか良くわからないけど、とりあえず部長ってつくんだからそこそこすごいのか?)

 麗香先輩は私の1つ上、テニスサークルに入ったら居た先輩で、大学では美人でスポーツも出来る、まさに才色兼備で有名な人だった。ただ浮名もいっぱい聞こえてきて、当時流れてくるウワサを耳にするたびにサークル仲間ときゃっきゃ言っては、はしゃいでた気がする。

 それにしても警察に入るとは聞いてたけど……まさか刑事さんになってただなんて。


 あまりのはまりように逆に納得してしまった。



* * * * * *



 蒼空ちゃんは脳神経外科の入っている棟の上階にある個室病棟の一室に収容された。

 彼女は意識がないため自分で食事はとることはもちろん排泄行為も当然出来ない。そのため点滴による栄養補給に頼るしかなく、やせ細った身体になってしまうのはいかんともしがたく、悔しさを覚える。排泄に関してはまぁ女の子だからここで言うのは自粛。何しろ蒼空ちゃんの身体からは色々な管が出ているとだけ言っておこう。ただ脳移植時に頭部に留置されたドレーンは今しばらく抜けないけど、治癒が進めばいずれ抜かれることになるだろう。

 ところで蒼空ちゃんの体、身体機能についてはIPS細胞から造られた人体ということもあり、それはもう度重なる検査を日数をかけて実施されたけど、結論として普通に母親の子宮から生まれた人間となんら変るところはないと実証されただけだった。そして肝心の今だ意識の戻らない脳の機能についてもこれといって異常が見つかることもなく……なぜ意識が戻らないか? は、石渡先生たちをもってしても謎のままだった。


 まぁそんな状況だから、意識が戻らない以外は健康体といっていい蒼空ちゃんの治療と言うのは特に何も無く、脳波のモニターや体の栄養状態に気を配ることが私の一番の仕事ってことになる。

 あっ、治療というのもおこがましいけど、毎日部屋に入るたび、姿を見るたびに声をかけるっていうのも一種治療のようなものって言えるかな? まぁこれは私だけでなく、蒼空ちゃんにかかわる全ての人が行なってることだけど。


 みんな一日でも早く、蒼空ちゃんが目を覚ましてくれるのを待ってる。それこそ祈るような気持ちで。


 蒼空ちゃんの専属の担当として仕事を進めていく中、当然のことながらご家族の方とも親しくなっていった。初めてお見かけしたときの憔悴しきった様子も今は無く、表面上は落ち着きを取り戻されたようでなによりだと思う。

 お母さまの名前は日向ひなたさんといい、女性の中では背が高めの私よりも更に少し高く、170cmを越えていそうだ。その姿は背筋が伸び颯爽としていて、目鼻立ちもすっきりとした綺麗な顔した素敵な女性で、2児の母親だとは思えないくらいだ。あんな事件に巻き込まれ、旦那さまも奪われ、さぞや傷心されただろうに……ほんとに気丈な方だと思う。そんな日向さんと私はすぐに意気投合し、病室に見えれば何かと世間話をする仲になれた。10才以上年上の日向さんだけど、やさしく気さくな人柄は私にとってお姉さん的な雰囲気がし、思わず頼りたくなるような人だ。


 そして蒼空ちゃんの妹さんである春奈ちゃん。

 中学1年生になったばかりだと言う彼女は、丸めの顔につぶらな瞳が輝き、ふわっとした髪をポニーテールにしてなんとも可愛らしい。ただその可愛らしい顔も今はくもりがちで元気がない。


 彼女の心境は複雑だと思う――。


 なにしろお兄さんであった蒼空君・・・があろうことか女の子となり、しかもその体は妹である春奈ちゃんより小さくなってしまったのだから。

 日向さんによれば蒼空ちゃんと春奈ちゃんはそれは仲が良かったらしく、二人が調子に乗って騒ぎ出すと抑えるのに一苦労だったし、ブラコンだったのよ……などと苦笑まじりで懐かしげな表情で語ってくれた。


 そんなお兄さんが今や女の子となり、見た目的には逆に妹と言った方がいい状況になってしまったのだ。日向さんがブラコンと言ってしまうほど懐いていたのだとすれば、そのショックは他人の私なんかではとても計り知れないものだったろう。

 それでも事件から日が経っていき、騒騒しかった周囲も落ち着きを取り戻すにつれ、春奈ちゃん自身もゆっくり時間をかけ冷静になる余裕も生まれてきのか、このところ病室で会うと笑顔を見せてくれるようになってきた。元来とても明るい性格でうるさいほどだったという日向さんの言葉もあったから、ようやく普段の春奈ちゃんの姿に戻りつつあるのかも知れない。

 もちろん本当に意味で元に戻れるわけではないだろうけど……それでも、表面上だけでもそういう振る舞いが出来るようになってきたというのは喜ばしいことなんだろうと思う。


「香織さん。いつもお兄ちゃん……っと、もうお姉ちゃんだった……のお世話してくれてありがとう。私、香織さんがお姉ちゃんの専属で付いてくれてほんと良かった! お姉ちゃんだってきっとそう思ってるに違いないよ~、えへへぇ」


 私にとても懐いてくれた春奈ちゃんは、かわいらしい笑顔と共に色んな言葉かけてくれるようにもなってきて、私自身小さな妹が出来たみたいでこそばゆい気もする。


「春奈ちゃんこそ、いつも学校帰りにお姉さんのお見舞いに来てえらいね。ふふっ、蒼空ちゃんのことなら私がしっかりお世話してるんだし、お友だちと遊んできてもいいのよ? お母さんにも言われてるんでしょ?」


 表面上は元気な姿になってきた春奈ちゃんだったけど、学校が終わってすぐ、一目散にこの病室まで来ているらしい。せっかく中学に入って新しいお友だちも出来、遊びたい盛りだろうにそれもせずお姉さんの見舞いに来るとか。

 ……やはりまだまだその心の傷はそう簡単に癒えるものでもないのだろう。


「うん。でもまぁ、お友だちとは学校でも十分お話出来るし、休み時間にはちゃ~んと遊んでるよ。

 それに……、私は学校じゃお友だちと一緒だし、お家に帰ればお母さんがいるもん。でもお姉ちゃんは病院でいつも一人ぽっち……なんだから。あ、もちろん香織さんがいっぱいお世話してくれてるけどね。

 でも、やっぱ家族が一緒にいてあげなきゃお姉ちゃんさみしいと思うの。だから私、出来る限り毎日お見舞いに来るって決めてるの。もしお姉ちゃんが目を覚ましたとき近くに誰もいないと寂しいでしょ? 不安でしょ?」


 そう言う春奈ちゃんの顔は少しつらそうで、私は思わず春奈ちゃんを抱きしめてしまった。


「春奈ちゃんはいい子だね。うん、大丈夫。春奈ちゃんのそんな気持ちはきっと蒼空ちゃんにも通じてるよ。私も今まで以上に協力するよ! 蒼空ちゃんがもう寝てるのがいやって思うほど、いっぱい話しかけちゃう」


 私はそう声をかけながら抱きしめた女の子、春奈ちゃんの頭をやさしくやさしく撫でてあげた。春奈ちゃんはそんな私の胸に顔をいっそう埋めるようにし、私は抱きしめる腕の力をかすかに増した。

 私たちは長いようで実際はさほどではなかったろう時間、しばらくそのままで居たけど、私から離れたときの春奈ちゃんの表情はすでに笑顔で埋められていて、私の胸の中でかすかに震えていた様子を伺うすべは残っていなかった。


 まだ中学1年生だというのになんて出来た子なんだろう。私はふと自分が中1だったころのことを思い出し、苦笑いするしかなかった。



 そんな風に蒼空ちゃんを取り巻く環境や、その家族の方も時間とともに落ち着いていったけど、肝心の蒼空ちゃんはといえば変らず意識は戻らぬまま。

 最初の内こそ手術の傷が癒えるころには……、とか、1ヶ月もかからずに目を覚ますさ……とか、多少楽観的な意見を述べる人たちもいたけど、そんな意見も最初の1ヶ月が過ぎ、それでも目を覚まさない蒼空ちゃんの様子を見るにあたり、あきらめの言葉へと変わりだす。


 そして半年も経てばもう目を覚ますと思う人のほうが少数となってくる。

「これはもう植物状態だ」などと心無い言葉を吐くやからまで出てくるしまつだ。


 病室で眠る蒼空ちゃんの、まっ白なその姿はどこか神々しく、穏やかなその表情はとってもかわいらしい。今にも瞼を開けて、きっとかわいらしいだろうつぶらな瞳を見せてくれそうな思いにかられてしまう。

 

 でもそれは未だかなわない夢。


 頭の手術の傷も完全に癒え、包帯も取れ、ドレーンも外され、手術で一部刈られてしまっていた箇所の髪もかなり伸びてきていた。


 そう。


 傷は治っていった。蒼空ちゃんはちゃんと生きてる。成長してる。


 日向さんは時々眠ったままの蒼空ちゃんの髪に愛おしそうに櫛を入れ、整えてあげている。そのまっ白な髪が光にあたってキラキラと輝きとっても綺麗だなと思う。ただアルビノであるその体は太陽の光にとても弱い。今は閉じられているその瞳も同様だろう。


 その見た目のなんともいえない綺麗さとは裏腹に、色々なハンデを背負う事になるだろう蒼空ちゃん。例え目が覚めたとしても苦労がたくさん待ち受けているのは間違いない。それに……、男の子から女の子に変ってしまったと知ったらどう思うだろう?



 だけど。


 それでも。


 私たちは一日でも早く蒼空ちゃんに目覚めて欲しいと願う。


 きっと可愛らしいだろう声を聞きたいと思う。




 蒼空ちゃんは誰が言い出したのか? いつしか、個室病棟の眠り姫などと呼ばれだし、直接かかわっている私たちにとっては少しばかり歯痒く、苦笑するしかないけれど。


 そんな呼び名なんてきっと過去のものに出来る。

 して見せる。


 日向さんや春奈ちゃんの想いはきっと通じる。


 蒼空ちゃんが来たのは1年少し前の春。

 2度目の春が過ぎ、再び夏が来ようとしてるけど……私たちはあきらめない。



 かわいらしい女の子の……その目が開かれるその時まで……。


 あきらめるなんて、絶対、しない――。



次回は本編に戻ります。


読んでいただきありがとうございました。

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