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3-14【再会】

遅くなりすみませんm(_ _)m

「なるほど……興味深い話でした……ううむ……」


 カストールがコップを置き、ほう、と一息つく。今聞いた話を整理しているのか、顎に手を置きうなっている。


 アレから俺はこれまでの事を一通り説明した。勿論隠すところは隠したが、アリシア達の件やこの国に来るまでの事など、気になる点も含めてだ。


「突拍子も無い話だとは思うが、どうか信じて欲しい」


「ええ、疑っているわけではありませんが、話の規模が想像より大きかったもので……」


 国の行く末を決定する賢人にしては、規模が大きいと困惑している。まぁ、個人が持ち込む話しだし精々この国の事位に思っていたのかもしれない。


「それで……何か心当たりはないか? アリシアやマリアベル、それか妙な男……ルーデウスとやらが城に出入りしていたりとかは」


「いえ、流石にそれは無いですね。とはいえ、他の賢人達が裏で会っている……となるとわかりませんが」


 たった四人で国をまとめているんだ、その内二人抑えてしまえば好きな方向へ舵を取れるだろう。


「ひとまずそちらは秘密裏に調べて見るしか無いですね。幸い、その手の事に詳しい人物を知っていますので、後で紹介しますね」


「すまん、助かる」


 末席だ何だと自分を卑下しているが、やはり賢人。それなりに人脈はあるらしい。


「それと……この国について、暴力に関してでしたか」


「ああ、ちょっと極端過ぎないかと思ってな」


「そうですね……私も暴力はいけない事だとは思いますが、そう言われたら少し極端ですね」


 カストールはそう言って顎を撫で考え込む。


「しかし諍いや争いが起きないのは良い事では? 深く気にする事でも無いでしょう」


 茶をすすりながらそう言い切る賢人。やはりどこか考える事を放棄している様にも取れる返事だった。


「この国は昔からそうなのかえ? 魔王が居た時も動かなかったそうじゃが」


 魔王が横から口を挟む。


「すみません、その頃私は賢人ではなかったので……。しかし当時も動かなかったという事は、そういう事ではないでしょうか」



 結局、この国の国民性については特にめぼしい情報は得られなかった。カストールも影響下にあるのか、そもそも思い違いなのか、いまいちはっきりとしない。


「とりあえずアリシア達の居場所だな。この国に居るのは確かなんだ。とっ捕まえて話を聞くのが近道か」


「そう思いますよ。その道に詳しい人物ですが、ツグモリという白狐族の男がいます。恐らく酒場に居るでしょうが、私の名前を出してもらえれば協力してもらえるかと」


「ツグモリだって? あいつがそうなのか」


 カストールの口から出た名前……それは先日会ったばかりの男の名前だった。


「おや、すでにご存知でしたか。ええ、彼なら上手くやってくれると思います」


「わかった、ありがとう。もう一度会ってみるさ」


 果たしてこれは偶然なのか、妙にいろいろ繋がりすぎて逆に不安になる。まぁ、何も当てがないよりは良いんだが……。


「こちらでも調べてみます。ですが、無茶はしないでくださいね? 貴方達を国外追放なんてしたくはないですよ?」


「サラッと怖い事を言うなよ……まぁ、気をつけるさ。ああ、ツグモリといえば、あいつの弟、シロウを見つけたら教えてくれ。ツグモリも探していた様だしな」


「ええ、わかりました。ではまた何かありましたら気軽に来てください」


 そうしてカストールとの話を終え、俺達は部屋を後にする。



「さて、これがこの国にとって吉と出るか凶と出るか……」


 なにやらカストールが呟いていたが、その声は小さく、上手く聞き取ることは出来なかった。




 ◇◆◇◆◇◆◇◆




 カストールが言うにはツグモリを頼ると良いとの事。普段は酒場に居るらしいので来てみたんだが――。


「これは……近付きたくないな」


「酷い有り様じゃのう。酒は飲んでも飲まれるなと言うじゃろうに」


「……日を改めますか?」



 まだ日も高い内だと言うのに、酒場の連中はことごとく潰れていた。床にこぼれた酒や吐瀉物の匂いが混ざり、店は酷い有り様だ。端的に言うと臭い。


 その中でただ一組、ツグモリとウォルナックが酒を飲み続けている。


「お、知った顔が来たな! こっち来いこっち!」


「ちっ、見つかったか。目ざとい奴め」


 本気で回れ右をして帰ろうかと思ったが、見つかってしまっては仕方ない。床に転がっている奴を避けながら、席へ着く。途中で知った顔の女を見た気がするが、きっと気のせいだろう……。


「何事だこれは……」


「ハッハッハ! 俺に酒で挑むなんて百年早いって話だ!」


 大方飲み比べでもしてたってところだろうか。ツグモリは上機嫌で酒をあおり続けている。


「ウォルナックも偶然だな。というかフィーナは大丈夫なのか、アレ」


「……問題ない、だろう」


 床に転がるフィーナをティナが介抱しているが、見た感じ問題は無さそうだな。明日は酷い二日酔いだろうが。魔王もそんなフィーナを揺さぶるのはやめてやれ……。


「ちょうどお前達の話をしてたんだよ! で、どうだ、賢人様には会えたか?」


「ああ、会えたよ。ちょうど俺達もお前に用があったんだ」


「ほう? 何だ何だ! 俺とお前の仲だ、隠さず話せよ! ほら早く!」


 酔ってるせいかテンションが高い。今話して大丈夫何だろうか……。そんな不安も抱えつつ、俺は切り出す事にした――。


ここまでお読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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