自分の気持ち。
立花愛果‥‥いじめをきっかけに死にたいと願っている主人公の高校三年生。優等生。
永田北哉‥‥自称教師失格の少しクズな担任。でもそのクズな行動にも一つ一つ理由があって…。生徒にも人気な先生。消えたいと思っている。
塙玄弥‥‥愛果と北哉と宏哉とは小さい頃からの知り合い。
朝日先生‥‥北哉の命の恩人。
松下宏哉‥‥転校生。玄弥の双子の弟。
真希ちゃん‥‥愛果の友達。
「まっちゃん!」
「げんくん!ひろくん!ほら、お兄ちゃんも早く!」
「待って愛果。お兄ちゃん疲れたー!」
四人で遊んだあの公園、もう七、八年も経ったから遊具も何もかも取り壊されてるかもしれないけどもう一度行きたい。
「よっ。まっちゃん。」あの落ち着いた声をまた聞ける時が来るなんて。げんくんは、何も変わってないな。
翌日、私は宏哉くんと登校していた。そしてなぜかげんくんも隣にいた。
「げんくん…どうしているの?しかも私たちの学校の制服。」
「あ、言ってなかったね。今日から一人暮らしすることになったんだよ。俺。で、ここに転校することになった。ここ偏差値高いからさー、大変だったよ。」
「玄弥は頭良いから普通に入れたと思うけどね。」
「そうだよ、げんくん頭良いし…」
「まっちゃんなんか悔しそう、笑」
「そうだ、愛果今学校トップだから抜かれるのが怖いんだ。」
「ち、違うよ!そんなんじゃ…」
「嘘だー!笑」三人で笑い合っていると後ろから足音が聞こえた。「俺抜きでなに楽しんでるんだ。」先生は私の後ろで呟いた。
「先生、遅刻ですね。」
「今日は大丈夫だ。あと三十分はある。」
「ん?」宏哉くんは自分のスマホの時計を見て、先生のうでどけいをまじまじと見た。
「どうした。」
「いや、先生の時計ズレてますよ。二十五分。」
「え、二十五分早いってこと?」
「遅いってこと。後五分しか時間ないですよ。」
先生は自分のスマホをポケットから取り出し、腕時計とスマホの時計を交互に見た後「うん、やばい。」と言い走って行った。
「ありゃ完全に間に合わないな。」
「私たちが余裕だから先生も「いけるな」とか思ったんだと…。」
「なるほどー。うん。先生っぽい。」
「まっちゃんも宏哉もほく兄のことよく知ってんなー。」
「そりゃ、担任だから。」
「じゃあ俺の担任でもあるんだ。」
「え、げんくんクラス一緒なの。」
「そう。」
「げんくんと宏哉くん双子なのに?」
通常、双子や兄弟は絶対にクラスは一緒になれない。らしい。
「うーん、なんでだろうね。俺にもわからないや。」
げんくんは職員室に行かないといけないと言うのでとりあえず宏哉くんと私だけで教室に入った。
「愛果ちゃん!おはよう!」
「おはよう真希ちゃん!昨日はごめん、私の家で遊ぼうとか言ったのに。」
「いやいやむしろ私こそ急にごめん。久々に会った人がいたんでしょ?それは仕方ないよ!」
「いや謝らないで!今日、また一緒に遊べたりする?今度こそはみんなで私の家で遊ぼう!…先生も?」
「うん!ありがとう!」
「ほらホームルーム始まるぞー、座れー。」
多分遅刻した先生が平然と教室に入ってきた。
宏哉くんと私の視線を感じたのか、「今日は先生遅刻しちゃった」とてへぺろをしていた。
私と宏哉くんは無言で視線を合わせ、無言で先生の方を向いた。
「はいはーい、みんなに今日はお知らせがあります。」
みんなが「なになに!」とざわつく。
「はいはい静かにー。今日は転校生を紹介します!」
みんなは指笛を鳴らしたりして、盛り上げていた。
げんくんが教室に入ってきた途端、女子が一斉に倒れ始めた。
「自己紹介を。」
「塙玄弥です。趣味は本を読むことです。よろしくお願いします。」とお辞儀をすると一人の生徒が「なんか松下くんに似てない?」と言った。するとみんなが「確かに!」と頷いた。げんくんは「えっと…双子です。親が離婚して苗字違うだけで。」とカミングアウトし、一度教室は沈黙に包まれた。そのあとみんな一斉に「えぇー!!!???」と叫んだ。
みんなが宏哉くんの方を向く。「本当なの?」と宏哉くんに聞き、宏哉くんは「う、うん…ていうかなんでそれ言っちゃうかな…。」と答えた。
実は宏哉くんが転校してきた時も、女子が倒れ、その日は私の後ろで女子が集っていた。
あ、今日も、隣で同じことが起きる。私は空いている隣の席をじっと見つめていた。
すると、「ちなみに、先生と立花愛果ちゃんとも七、八年ぶりに再会した感じなので、知り合いです。よろしくお願いします。」
全女子の視線がこっちを向く。
「ま、まあそんなところ?」と言うと、みんなが「へぇ。なんだ知り合い。」とそっけない態度を取られ、あ、終わったな。と心の中で呟いた。でも真希ちゃんら六人が「昨日の!へぇ、すごいじゃん!みんなもっと仲良くしよう!」と言ってくれたおかげで「それもそうだね!」とさっきまでのそっけない態度がなんだったのかと思うくらい明るくしてくれた。そして、「先生は…?」とみんな先生の方を向いた。
「まあそんなところ?」と同じ態度を取ると、「え、立花さんこんなたくさんのイケメンに囲まれて誰も好きになったり付き合ったりしなかったの!?」と私の方を見てみんな同じ質問をしてきた。
付き合ったりはしてないけど…。好きになったことはある。
げんくんと、先生。
でも私は「ないよ。」と俯き、答えた。
顔を上げると、先生はこっちを微笑んで見ていた。
なんなんだ。先生は私の気持ちに気づいてるのか?
放課後、私は少し委員会の仕事をやった後にみんなで帰ったげんくん一人増えるだけで結構な人数で、少し騒がしかった。
「ここ私の家。入って!…先生も仕方ないので。」
「お邪魔しまーす。」
十人家に入るとなると大丈夫かと思ったが、全然余裕で入った。
「いや、愛果ちゃんの家広すぎない!?十人だよ?なのになんでこんなスペースあるの」
「うーん、なんでだろ…元々従兄弟五人とおばあちゃんが住んでたんだけど、引っ越すってなって高校近いしここにしようって。」
「なるほど…。」
「じゃあ、ゲームでもしますか!」
私は二階から十個のコントローラーとゲーム機をもってきた。
「さすが従兄弟。すごいね。」
「なんか、譲り受けたけど私ゲームやらないからさ…。みんなでやろう!」
テレビにゲーム機を繋げてみんながゲームしているのを眺めているとげんくんと宏哉くんが私の両隣に座ってきた。
「まっちゃん、久しぶりだけど相変わらずほく兄には辛辣だね。」
「まあ、うん。」
「俺と玄弥にはそんな辛辣じゃないのにさ、なんで?」
「漫才やってる気分っていうか、ボケとツッコミ的な?先生には私がいないとダメな気がするっていうか、先生のボケに対してツッコミを入れて笑うのが楽しいんだよ。」
「え、いつも一ミリも笑ってなくない?」
「…。まぁうん。」
「でもさー、まっちゃん変わってない。よかった。あの時のままで。」
「げんくんこそ。何も変わってない。…えよかった?」
「うん。よかった。またこうして同じように喋れるし。」
「そうだな。それに関しては本当にそう思う。俺も。」先生が目の前に座りながらそう言った。
「宏哉とまっちゃんが一緒っていうのはなんかわからないけど知ってたけど、ほく兄が担任なんて。これは運命だね。」
「そうだね。私たちは運命の虹色の糸で結ばれてるみたい。」
きっと、赤色も混ざっているその糸で先生と私は結ばれている。そう思いたい。
「なーにいちゃついてるのー?」ゲームで圧勝している真希ちゃんがこちらを向いた。
「でも再会してクラスも同じって、神様もいるもんなんだね。私、神様なんていないって思ってたけど、愛果ちゃんたちが再会して、あ、いるんだなって。もう一度人とか神様とか、人生信じてやり直してみるよ。よろしくね。愛果ちゃん。」
「…うん!」
「家も出る!…こっそり貯金してたんだ。」
「って言ってもそんなすぐ見つかるの?家って」
「いや。見つからないと思う。…だから亜衣の家に数日泊まろうかなって。」と真希ちゃんは亜衣ちゃんと肩を組んだ。
「私は嫌なんだけどねー。仕方ないから。」
「嫌だってなんだよー」
すると宏哉くんが「そういえば一人暮らしだよな。愛果って。部屋もたくさん空いてるみたいだし。」と言った。
宏哉くんが『仲良くなるチャンスだ』とバトンパスしてきてくれた。
「あ、じゃ、じゃあ真希ちゃん私の家に泊まったら?家見つかるまで!」
「え、え!?まじで!いいの?」
「全然良いよ!むしろ大歓迎!」
「じゃあ…来週末に行きます!ありがとう…!」
「うん!」
宏哉くんは親指を立てグッドサインをしてきた。
私も親指を立て返し『ありがとう!』とグッドサインをした。
「ていうか、先生の前でこれ話していいの?お泊まりとかうちの学校ダメだよね。」と亜衣ちゃんが思い出したように言った。
「あ、確かに。」
「ダメだぞ。…でも俺は何も聞いてないし見てない。だから良いぞ。別に。お泊まりくらい」
先生はそのまま「トイレ」と言い、トイレに行った。
みんな「先生神かよ」「優しすぎる」と褒め称えていた。
帰り道、私は真希ちゃんと二人きりになった。
そして私は、一番気になっていたことを聞くことにした。
「ごめん、あまり聞きたくなかったけど聞くね。」
「ん?」
「私の机に、その…人殺しって書いてたの、あれはなに?」
「あ…。その…前に里親のお父さんを殺してしまったって聞いて…。ごめんなさい!!!」
「いや全然、良いんだけどさ、誰から聞いたの?」
「お父さん。お父さんが警察官だった頃、その事件担当してて。もう警察官はやめちゃって、虐待までするようになってさ。
「そ、うだったんだ…。あの時の。」
「ごめんなさい。もう二度とあんなことしないから。」
「ううん。いいの。ありがとう、教えてくれて。」
あの時、正当防衛で片付けられたけど私は人を殺したということで自分で自分を責めていた。そして、人を殺した自分が怖くて怖くてしかたなかった。でも、警察の人がまだ中一だった私に優しく接してくれた。「大丈夫だよ」って「今まで辛かったね」って。でも、そんな優しい警察の人が今は虐待をするような人になってしまったなんて。
一週間後。
今日は真希ちゃんが泊まりに来る日。
「よろしくお願いします。」深夜に真希ちゃんがスーツケースを持ってきた。
「真希ちゃん、お父さんは?大丈夫なの?」
「お父さん寝てる時に来た。置き手紙も置いてきた。「家出します。探さないでください。一人で暮らすのでもう関わらないでください」って。」
「真希ちゃん…。よし、今日は夜更かしするぞ!」
「おー!!!」
私は真希ちゃんたちが帰った後ゲームをしまくってすっかりハマってしまった。だからゲーム機は今、一階にある。
深夜3時になっても私たちはゲームをしていた。
「まってそれはずるい!真希ちゃん強すぎる!」
「愛果ちゃんもなかなか強いよ!やばい負ける!」
「あ、!負けたー!強いね真希ちゃん!」
「まあこれでも、ゲーマーだからね!」と、真希ちゃんは二個あるスーツケースのうち一個を開けた。その中にはぎっしりとゲーム機が詰まっていた。
「わお。」
「あの家にはもう戻らないから、自分のものは全部もってきたんだ。」
「そっか。真希ちゃんも頑張ったね!お疲れ様!」
「ありがとう愛果ー!」
「じゃあそろそろ寝よっか!」
「そうだね!」笑う彼女の顔には大きいあざがあった。
私はそこに触れずに、楽しむことだけを考えていた。
「今日は一緒に寝る?それとも隣の部屋使う?」
「一緒がいいなー!」
「じゃあ決まり!ベッドで寝ていいよ!」
「いや、いいよ!私、ベッド少し寝心地悪くてあんまり好きじゃないんだよね…」
「あ、そうなんだ、OK!」
ベッドの隣に布団を敷いて、電気を消した。
「おやすみ。」
「うん。おやすみ。ありがとね。」
「ううん。楽しも!嫌なことなんて忘れて。」
「うん!ありがとう!」
私たちは目を瞑り、眠りにつこうとした。でも二人とも寝れずにいた。
「起きてる?」
「うん。」
「そういえば、私たちずっとちゃん付けだったよね。愛果ちゃんとか。」
「確かに。」
「じゃあ明日からちゃん付け無し。」
「…真希…?」
「愛果…?いざとなると少し恥ずいけど、これから慣れてこう。」
「だね。」
私たちはいつの間にか眠りについていた。
翌朝。
私が先に起きて、朝食を作っていると、大きく伸びをした真希が二階から降りてきた。
「おはよう!真希…?」
「おはよう愛果!朝食作ってくれてるの!?ありがとう!」
「いえいえ!さあ食べましょ食べましょ!」
私たちは椅子に座り、手を合わせいただきますをした。
その時、インターホンが鳴った。
嫌な予感。「お父さんじゃないよね。」真希はそう言い、玄関からは見えないキッチンに隠れた。
私はインターホンを見た。でも背中しか映っていなくてよく見えなかった。だから、ドアチェーンをかけ、鍵を開け、少しだけ扉を開いた。すると「どうだ。同棲一日目は。」と先生がドアの隙間から聞いてきた。
あ、なんだ先生かと思い、私は「先生だった。」と真希に伝えると真希は包丁を持って恐る恐るドアに近づいた。ドアチェーンを外してドアを完全に開けると「え、君なんで包丁持ってるの、俺殺されるの?」と先生は隠れた。
「あ、すみません。おと…不審者かと。置いてきます。」
先生は勝手に家に入り込み、テレビの方を見た。
「君たち何時までゲームしてた?」
「3時半くらいでしょうか。楽しかったですよ。」
「夜更かしはいけないぞー。」
「まあ、今日だけです。ということで。」
私は先生をドアの外に出した。
するとインターホンがもう一度鳴り、「俺も今日朝から大変なんだよ!!」とドア越しに言ってきたので仕方なく開けた。「なんですか。」
「ボイラーぶっ壊れて、シャワー浴びれないしガスが大変な事になったし、家少し焼け焦げたし。今家に行けないの。だから見てこれ。」
先生は隠し持っていたスーツケースを私に見せた。
「一生のお願いです!一、二週間ここに泊まらせてください!先生がやったらダメな事くらいわかってます!でもお願いします!」
先生は土下座をした。
まあ、仕方ないだろうと、「誰にも言わない。これが守れるなら。」と許した。
そして次の日。
今日は登校日だ。私はもう遅刻しないように、と先生のためにいつもよりめちゃくちゃ早く起きて朝ごはんを作った。
「先生起きてください!」
隣の部屋にいる先生を力ずくで起こしたあと、ご飯を食べさせた。
「じゃあ行ってきます。」
「はい。健闘を祈ります。」
「え、俺戦場にでも行くの?」
「ほぼ。…では行ってらっしゃいです。」
私はドアを閉め、時間を確認した。今は午前七時過ぎ。ちょうどいい時間だと思い、私は真希を起こした。
「真希ー!起きてー、」真希を起こした後、朝食の準備をして、真希が朝食を食べている間に髪をセットした。
髪をセットしている時、真希が「愛果の髪型かわいいよね」と眠そうな顔で言ってきたので、「じゃあやってあげる。」といい、長い真希の髪をセットした。
用意するのは白いシルクリボンと黒い小さいゴムと櫛。
そしてロングの人(真希)は32mm、ボブ(私)は26mmのコテを用意。
①まずシルクリボン、またはサテンのリボンでワンサイドアップをする。(左側)
(その時に、リボンのたれは髪の長さと同じ長さにする。)
②ワンサイドアップをしたところ以外コテで最後が外巻きになるようにウェーブ巻きをする。
③ワンサイドアップした髪を三つ編みして完成。
「三つ編み、リボンを巻き込んでもいいけど、私は巻き込まないでやってる。」
「愛果が巻き込まないでやってるなら私もこのままで。ありがとう!」
私はボブだから、26mmのコテで軽くウェーブ巻きをする。
これがいつもの私の髪型だ。
「あ、一つ注意点。ワンサイドアップはぴょんって上がりがちだから、縛った後必ず少しリボンを下ろして。」
「ありがとう!」
「じゃあもうそろそろ出よう!多分、宏哉くんたち外にいる。」
「OK!」
私たちはドアを開け、外に出た。
思った通り、宏哉くんとげんくんは家の前で待っていた。
「おはよう。まっちゃん、真希ちゃん。」
「おはよう!げんくん、宏哉くん!」
「真希、髪型。愛果と一緒?」
「そう!やってもらった。」
「へぇー、似合ってんじゃん。可愛い。」
「ありがとう。じゃあ行こう!」
ところで先生は間に合っているのだろうか…
その頃。
「今日は珍しく遅刻しなかったのね。」
先生はいろんな先生から「意外」と言われていた。
《先生の気持ち》(先生編)
俺は今まで恋がなんなのか分からなかった。
告白されたら断ると面倒な事になるという理由で付き合ってきた。
でも、自分からこんなにもアプローチをしたのは初めてだ。
しかも、生徒に。
「やっぱり先生はバカの変態の思わせぶりですね。」
あれはなんだったのだ?
俺は立花愛果が好きだ。でも、それを言葉にしようとすると、心臓が…。
ふざけて、冗談で「好き」とかなら言えるんだけど…
俺は一人立花愛果の家で叫んでいた。
立花愛果が「何事ですか。」と部屋に入る。
「いや、なんでも。ていうか、今日日曜日だよね。何もしないのー?」
「先生が部屋にこもってる間、ゲーム三昧でしたよ。」
「え、俺抜きで。」
「こもってる先生が悪いんですよ。…今、真希がゲームしてるので参加します?」
「いいの!?」
「まあ。」
俺は今、家が大変な事になっているので直るまで極秘で立花愛果の家に泊まっている。
「真希ー、先生も参加するって。」
「先生には勝てるな。勝負だ先生!」
「おう、手加減はしないぞ。今だけはガキになる。」
俺はコントローラーを持って本気を出してやった。
そしたら勝ってしまった。
「しゃあー!!!!!!!!!」
「うっわ!!負けた!大人げないね。」
「言っただろ?今だけはガキになる!って。」
「ずるー!」
「へっ。」
俺は再びコントローラーを持って第二回戦を始めた。
「やっぱり先生はバカの変態の思わせぶりですね。」とか怒らせて、JKの家に生徒が居座って、俺はダメ教師。教師失格。でも教師も人間。恋はする。
それが叶わない恋でも、許されない恋でも。
一度好きになったらもう戻れない。
俺は、立花愛果が好きだ。
3時ごろ、俺はどうしても寝れなくてリビングに行った。
すると立花愛果がソファで寝ていた。
「おい、こんなところで寝てたら風邪引くぞ。」
「…」立花愛果は起きなかった。
「仕方ねぇな。」俺は立花愛果をお姫様抱っこしようとした。その時、立花愛果の目から一粒の涙が流れ出していた。
そして「どこにも…行かないで…。一人にしないで…。」と俺の袖を力強く握った。
この言葉を、俺は忘れていなかった。
五年前。立花愛果が中一の時、立花愛果は里親を殺してしまった。俺はそこから一年間面倒を見た。そして、教師になるために勉学に励んでいた。
教師の採用試験に受かって、今の高校に行く事になり、引っ越さなきゃ行けなくなった時、「どこにも…行かないで…。一人にしないで…。」と泣きじゃくってしがみついてきた。
「ごめん。仕方ないんだ。俺のばあちゃんと従兄弟呼んであるから一人じゃない。じゃあな。」
「まって!」
それが立花愛果との最後の別れ。
「あん時は、傷つけてごめんな。」俺は立花愛果をソファに一度寝かせて、涙を拭ってあげた。
好きなやつを傷つけるなんてクズだ。
…だったらとことんクズになろう。
俺は立花愛果にキスをした。
立花愛果は少し寝返りを打った。俺は起きたかと思って焦ったが、ぐっすり寝ていた。
俺は再び立花愛果をお姫様抱っこして、部屋に運んだ。
「よっ、先生。」ベッドに立花愛果を寝かせた時、真希が起き上がって俺を見上げた。
「本当、私愛果に悪いことした。あんな酷いいじめしたのに愛果、超絶優しくしてくれてさ。だから私、やり直す。親から離れて、やり直す。愛果と友達になれて、よかったって心の底から思ってるんだ。」
「そっか。こいつ、泣くの我慢しがちだし、すぐ死にたがるし、面倒だけど、真希が言った通り超絶優しい奴だからよろしくな。」
「おう。任せて!…それよりもさ」真希はニヤニヤしながら「先生、愛果のことこれでしょ」と手でハートマークを作ってきた。
「え?あ、え?んなわけないでしょ!せ、生徒と教師だぞ?!」
「正直に言えってー!す?」
「言わないよ!」
「リピートアフターミー。す?」
「す…。」
「き?」
「き…。…す、、、きだよ!もう認める!」
「そう!気持ちは正直に言おう!ね!まあ頑張ってよ!…おやすみ。明日学校だから寝るね。」
「うん、おやすみ。」
俺はそういい部屋に戻った。
「…言っちゃった…。」好きをいざ言葉にするとなると恥ずかしくて死にそうだった。俺はそのまま一時間寝つけなかった。
朝、立花愛果が起こしてきて、俺は寝不足すぎて起きれなかった。だから引きずって起こしてきた。
俺はそのおかげで完全に目が覚めた。
職員室に行くとみんなに「遅刻しなかったの。意外。」と言われた。
次回。
アプローチ




