第九十七話 嵐の前の静けさ
FF7リメイクPS4版をPS5にアップグレード!綺麗すぎてびびったわ!
時代に追いついていないディスプレイだけど、その恩恵は比べたらやばいわ!って一人で興奮してました。
そして次の話から新章……第四章に入っていきます!
ブックマーク、誤字報告、評価、読んでくれた皆様。
ありがとうございます(*'ω'*)
魔王達が帰ってから数日。結局魔導具をどうしたかったのか。特に何かを成し遂げたようには見えなかった。
ツールが店長を助けるために、おすすめしたケーキが強敵すぎたのじゃな。甘い物を食べ歩きだけして帰って行った。
それにしても静かじゃな……
「ジュエルさん。この問題分かりますか?」
「……」
「ちゃんと見てないからだぜ」
「ジュエルちゃん!えっと」
エルが呆れた言い方に、ツールがワシに何か伝えようとしておる。それを手で静止して席を立つ。
ペンを取り書き出そうと……
「高い位置に問題を出すのはいじめかのう」
「あ、そうでした」
「まぁ良い。《フロートアイランド》」
―ビキ……カツ
「ちょうど良いわい。ここをこうして……こうじゃ」
「正解です」
「当然じゃ!よいしょっと」
―スタッ
足場を降りて自分の席まで戻る。
「ボーッとしてるから聞いてないかと思ってたのに」
「授業は聞いていて当然じゃろう」
「ごめんね。僕も聞いていないと思ったよ」
「ツールは教えてくれようとしてたのう。ありがとうなのじゃ」
「俺との態度差!?」
「エルはからかうつもりじゃっただろう?それは違くて当たり前じゃ」
「それじゃエルダーンさんはこの問題をお願いしますね」
「うへ!?どこどこ!」
慌てて教科書を広げるエル。
「ページ数は28じゃ」
「おぉ!さすがジュエル!」
「ちなみに教科は計算学じゃぞ」
「うぉ!?」
思いっきり違う教科書を開いたので、そこはしっかり突っ込んでおく。
「エルダーンさん!教科書はせめて開いて下さい!」
「すいません!」
怒られるのも計算の内。
「当然の結果じゃな」
「これがジュエルちゃんの計算術!?」
「このような計算はお嬢様しか出来ませんよ。ツール様は素直に授業を聞いて頂きたいです」
「ジャムよ?ワシが素直に聞いておらんように聞こえるのは気のせいか?」
「そのような事はありません。エルダーン様への返しに関しては、お嬢様だからこそ出来る芸当という意味で御座います」
「ん?そうか……よく分からんが」
なんじゃかはぐらかされた?まぁジャムが言う事じゃ。悪い意味ではないじゃろうし、深く考えるのはやめておこう。
―ガラガラ!
「失礼致します!」
「ルール先生が授業中にまた来るって事はオーブ関係か?全く……嵐が過ぎ去ったかと思っておったのに」
「それなら僕も行こうか?」
「皆静かに!まだルール先生は何も言ってませんよ?」
そうじゃった。数日前に同じ事がおったから、きっとそうじゃおうと考えておったわ。
皆が教える先生の言葉で静まり、ルール先生が教壇の前まで行く。
「緊急な事で……授業中に失礼致します」
「いえいえ。それでジュエルさんが何かしましたか?」
「教える先生よ。ワシが何かした前提の話は……」
「あ、そうでした。エルダーンさんですか?」
「俺か!?」
「これは冗談でもなんでもありません。心して聞いて下さい」
いつにも増して、真剣なルール先生。ボケた教える先生は完全放置か。
「このクラスでは魔界のことに関して、どこまで学びましたか?」
「ここ最近始めたのでさわり程度ですが。どうかされましたか?」
「魔王戦について話は?」
「魔界での王を決める戦とこの前教わりました」
ルール先生の問いにファクターが答える。
「それなら話が早いですね。その魔王戦が始まろうとしています」
「ほう。確か三人一チームで、力を見せ合う試合じゃな。となるとオーブとあの二人も出るのか」
「それが問題でして……ジュエルさん。それとツールさん」
「ワシとツールがどうしたのじゃ?」
「お二人の名前が……申込されてしまったと連絡がありました」
申込されてしまったと?その意味がよく分からんのじゃが?
「それのどこに問題があるのじゃ?申込なんぞ断れば良いじゃろう」
魔王戦は任命されたからと言って本人が断ればそれで済む話。まして参戦用紙の様な紙面で残しておったり…………
ワシはそこである事を思い出した。
♢
オーブ達が来て、一緒にスイーツ巡りを始めた頃。
「そう言えば、ジュエルとツールは随分と強いのね」
「ワシとツールは共に学園で鍛えておるからな」
「僕はジュエルちゃんや、クラスの皆と比べたらまだまだだよ」
「そうかしら?その冷静な判断力と話術。それにジュエルを上手く使えるのは、ツールの強みだと思うんだけど違うかしら?」
「別にジュエルちゃんを使うって、物みたいに考えた事はないけど。ジュエルちゃんは僕にとって、とても大切な存在って事だよ」
「「…………」」
恥ずかしい事をサラッと言ってしまうツール。私の顔が熱くなるのが分かる。
「ジュエルは愛されてるのね。聞いてるこっちが恥ずかしくなってきたわ」
「言葉にしないで。恥ずかしいから…………」
「ジュエルの口調が普通に……これが彼の力!」
「もうからかわないで!」
「はは。すまない」
「それで!私とツールが強いってなんで聞いてきたの?」
無理やり話を違う方向に持っていく。特に理由もなく聞いてきただろう話に戻す。
「あ、そうだったわ。助けて欲しい時があったら、二人にもお願いしようかと思って」
「助けが必要ならいくらでも。ねぇツール?」
「そうだね。お友達が困っているなら、助けに行くよ!」
「お友達…………これがお友達なのね」
「そうじゃな。遠慮はいらないわよ」
「ありがとう……」
今度は魔王が顔を赤くする。
「あ、そうだわ。せっかくだから二人に書いて欲しいものがあるの」
魔王が懐から何かのスクロールを取り出した。
「二人の名前を書いてもらっても良いかしら?最初に聞いたけど。人族の名前はまだうまく書けなくて」
「それくらいなら。ここに書けば良いか?」
魔王が指した場所の下にワシが名前を書く。そしてそれに続くツール。
「これが魔王の名か?言葉は人族とは異なるのだな」
「魔界の言葉は発する音は変わらないの。だけど魔導が主とする種族の魔界は、文字に起こすと人族とは少し違うのよ」
「この文字がオーブと読むのか?」
「そうよ」
ワシが文字を読んでおると、ツールが後ろから覗き込んでくる。
「魔法学の呪文や詠唱で見たことある字だね」
「そ、そうじゃな!」
「今度遊びに行くなら、文字はどこかで勉強した方が良さそうだね」
「そ、そうね!」
「ふふ。ツール。ジュエルが困ってるわよ?いえ、喜んでるのかしら?」
「オーブ!?」
「あはは。ごめんね。ジュエルの反応が可愛くてつい!」
魔王の手玉にされている感が……
「もう良いでしょ!はい!返すわ!」
「ありがとう。近いうちに正式な書面で送るわね」
「そんなかしこまらなくても。手紙なら気楽に送ってくれれば良いわ」
「そう?ジュエルがそう言うのなら」
♢
なんてやり取りが、なぜか今になって鮮明に思い出される。
「何か分からないスクロールに名前を書いた気がするのう……」
「あ。そう言えば書いたね」
「そこには何が書かれていたか、お二人とも確認しましたか?」
「オーブの名が書いてあったくらいか」
「そうですね。僕達の使う言葉と書き方が違うなって印象しか」
「そうですか……サインしてしまったんですね」
ワシとツールが揃って首を傾げる。サインって何の話じゃ?
「お二人がサインしたのが、きっと王戦参加者名簿だったんでしょう」
「「へ?」」
「二人に正式に参加要請が来ています。学園長が先方に確認しているので、私が当事者二人に確認に来たのですが。どうやらこれは……はぁ〜やってしまったものは仕方がありませんけど。はぁ〜」
凄いため息を吐くルール先生。ことの重大さによく分からんワシとツール。何の事かさっぱりの他のクラスメイトに教える先生。
「ジャムよ。これは結局どう言う事で、どうなるんじゃ?」
「私も詳しくは分かりませんが……魔王戦と言うだけに、魔界に行かなければならないのでは?断る事は出来ないようですし」
「ほう。早速魔界にお呼ばれされるのか。ならば出かける準備と……向こうの食の事情を調べる必要があるのう」
「食の事情と?あちらの文献はあまりないかと思いますが」
「何を呑気な事を言っているんですか?魔王戦ですよ?」
ルール先生が真面目な顔で、ワシとジャムの言葉に参加する。
「魔王戦は始まると最低でも数ヶ月。もしかすれば一年は向こうに行かなくてはならないのですよ?」
「そんなに!」
「もう留学の規模じゃな」
「留学?」
「向こうの文化に学ぶための修行と言うか、現地ならではの勉学をする感じじゃろうか」
上手く説明が難しいが、大まかはこんな意味じゃろう。
「留学か〜世界を知る良い機会かも」
「ツールさんまで……戦いに行く事を忘れてはいませんか?」
「そんな事ないですよ。それに戦いならここ最近結構あったので、慣れてしまったのかもしれません」
「このクラスは割と戦闘寄りな授業構成ですしね……」
確かにキャンプよりダンジョンを選ぶワシらだからのう。戦闘寄りな授業構成はさすが教える先生と言った所か。
「それでルール先生。魔王戦とはいつから始まるのじゃ?」
「十日後です」
「ふむ。そんな時間がないんじゃな。出来れば食の文献は読んで置きたかったが」
「食もそうだけど。言語や金銭関係とかも忘れないようにね」
「ツールさんが一緒なのが不幸中の幸ですわね……」
クラスの一同が大きく首を頷く……解せぬ。
そんな訳でワシは魔界に行く事になった。オーブが帰って、しばらくは平和な時を過ごせるぞい。なんて思っておったんだがのう。
オーブが帰って静かだったのは、嵐の前の静けさってところか?魔界が嵐って事がないように、てるてる坊主でも作っておくか。
ジャムストーン「それでは私は先に図書館で、魔界に関する書物を探して参ります」
ジュエル「お?お願い出来るかのう?」
ジャムストーン「畏まりました」
ツール「でも名前書いただけで、凄い事になっちゃったね。僕は手紙に使うとばかり思ってたよ」
ジュエル「ワシも人族の言葉を学びたい程度にしか思ってなかったぞ」
ツール「初めはケーキ屋さんのメニューも見れなかったのにね」
ジュエル「結局自分達だけで食べ歩きしておったしのう。案外オーブも賢いのかもしれんな」
オーブ「くしゅん!」
ソース「風邪ですか?」
オーブ「甘いもの食べて元気いっぱいだけど?」
アルダーン「なら噂されてんだな」
オーブ「魔王戦も近いしね…………ジュエル達は大丈夫かしら……」




