表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/4

疾実剛健

4話です。ちょっと時間かかりました。

日が出て1時間と経たぬころ。

『あ~そろそろ見張り時間終わりだー。寝みぃ~』

『フロイ。まだ気を抜くなよ。』

『わかってるって。シャールズ』

予言があり、国からの依頼でこの村に来たが、本当に何か起こるのだろうか。ただただ平穏な時間を過ごしている。思わず口に出る。

『予言なんてほんとうにあたるのかね?“天願姫”なんてたいそうな二つ名つけてるけど、所詮偉いのは立場だけ。大したことないんじゃないの?』

『滅多なことを言うんじゃないよ。フロイ。プレドネ姫は幾度も重大事件を防いでる。そんな彼女がわざわ…』

バァサッ。大きな翼の音と風が吹く。そして、

『ふむ…そちらにも預言者がいるのだな。これは王に伝えねば。』

野太い声。

『『誰だ!』』

俺もシャールズも気づけなかった。声と翼の音が指す方は空。それもあの風の音からして、超高度から急降下してきたのだろう。見上げると更に確信は強まる。それを可能にする圧倒的なガタイの良さそして、プレッシャー。俺の見たことのあるどの生物とも一致しない、恐らく二足歩行だが、人というには角が生え翼が生え構造から大きな差がある。

『フロイっ!早くハルカゼさんたちを呼びに行くんだ。奴は多分…魔人だ。』

『ほぉ俺たちの事を知っているのか。我ら人間界では、永らく極秘裏に動いていたはず。貴様、どこで知った?』

『魔族…書物と化石からしか存在が確認できない絶滅種レッドカード。それが生きてたっていうのか!?』

『そうと思う他に、あれを表せるものがあるか?フロイ!!急いでハルカゼさんをよべ!』

『でもお前が』

『早くッ。このままじゃ皆死ぬぞ』

『…すまん』

わかってる。今はこれが最善なんだろう。でも、自分で、シャールズから遠ざかっているはずなのに、何故かあいつが、一人で遠くでいくように感じる…



フロイは行ったか…。一分一秒でも時間を稼がなくては。

『さて、お前の事を聞かせてくれないか?お前は誰で、どうして姿を現した?』

『ハッハッハ!お前、気に入ったぞ。この期に及んで露骨な時間稼ぎ。その度胸に応じてやろう。』

流石にバレているか。でもなぜかうまくいった。不幸中の幸いと言えようか。

『俺の名前は魔王軍幹部が一人 剛毅のバルバトス。後日に人間界への進軍を控えていてな。その前哨戦だ。俺は戦場に立つもの以外は殺さん。さっきのやつが、その仲間が一般人は避難させるのだろう?そこは安心しろ。さて、疑問はなくなったかな?』

めっちゃ話してくれた。この情報を持って生き残れればいいのだが…流石に難しそうだ。せめて情報だけでも伝えられれば…

『せめて情報だけでも伝えられれば…。とでも思っているか?』

『なっ!?』

『無駄だ。お前ら兵士は全員ここで死ぬのだから。天より戦力を見させてもらってな。一人強い奴は居るようだが、俺を殺せる程ではない。情報は此処で途絶える。これ以上の話は無駄だ。そろそろ始めるとしよう。』

これ以上話で時間稼ぎするのは無理か…

私の命でどれ程いけるか…。考えるのは辞めよう。今はただ全力で、

風武メタ・ウェポン

『いい目だ!!いくぞ。』

そう言うとバルバトスは真っ直ぐと向かってくる。その速度はあまりにも早く、気づくと拳が目の前に。

バゴーンと物凄い力で押し飛ばされる。物見櫓から隣の物見櫓へ。しかしダメージはない。

『なんだ。殴ったはずが、殴った感覚がない。まるで…』

風盾ウィドバリア。もっとも基礎的な風の魔法だが、修練と、私の風技で最大限強化している。このまま援軍を待たせてもらうよ。』

『なかなかいい力だ。しかしそれは許せない。攻撃してこそ、されてこその戦い。本気で向き合って貰わないとな。 『魔鎧天叢マガイ・テンソウ』』

そう言うと、バルバトスは紫に怪しく発光するツルの鎧に包まれる。胸には赤い球体がついており、ツルはそこから伸びている。恐らくそこがコアなのだろう。

しかし何だ。その鎧で何が変わるというのだ?私に攻撃を当てるすべができたようには思えないが…

『それでどう攻撃を…そう思っただろう。まぁいい、くらえばわかる。』

物凄い速度で向かってくる。が、認識できれば対応できる。

『『風盾ー剣の舞ー(ウィドバリア MODE:コントラディクト )』』

不可視の風の盾を構える。

『『魔針ディ・ローズ』』

両拳は風の盾でいなしたが、共に細かな傷に斬りつけられる。しかし、傷が深いのは私の方だろう。血が流れ、そして目眩がする。

『俺にカウンターを食らわせるとは。中々やるな。攻撃を受け流す、風のバリアの中に、ツルと筋肉の筋方向への風を混ぜることで、傷をつけたのか。だが足りぬな。』

バルバトスは余裕そうに言う。

『そっちこそ…一度で風盾の性質を見抜きやがって…』

風盾は敵の攻撃方向をいなす強風を起こすことで、ダメージを極限まで減らす魔法。しかし、大きな風は一方向にしか流すことができない。その流れに上手く合わせて針を放つことで、針は風盾を突破し、傷を負ったのだ。こうなると防御戦はだめか…

『『風殺陣フウジン』』

風で生み出した不可視の刀を構える。

極東の剣術を模して生み出した。剣で攻撃を防ぎ、剣で攻撃する。安全策は捨てた私の必殺技だ。

((ふむ。空を構えているようにしか見えぬが。やはり風がどうにかしてるのか…?))

バルバトスはキョトンとしている。

『まぁどちらでもいい。風ごときで俺を破ることはできない。』

そう言うと一気にこちらへ向かってくる。

1..2...私の風刀は切れ味抜群。しかし、その繊細な風力調整がゆえに間合いは、バルバトスの腕の長さより少し長い程度。ギリギリまで…

『今!』

確かな感触がある。バルバトスを確実に切ったは … ドンッという鈍い音と共に私の体は街を囲う柵を破壊しながら、崖に叩きつけられる。もろに一撃を食らってしまった。でも…

『どうして、切ったはずだ。だろ?』

余裕げにバルバトスは言う。その姿を見ると、ツルの鎧に大きな傷はできているが、コアにはわずかな傷しか与えられていない。

『会心の一撃を狙うならコア。そんなことは読めている。常にケアできるよう、ツルを中心に圧縮させていたのだよ。予想外だったのは思いのほか切れ味が良かったことだな。俺のコアに一撃を入れた相手は久方ぶりだ。』

必殺技まで出して、こんな小さな傷一つ。情けないな。すまんフロイ。私は此処で終わりみたいだ………

『でも、最期に一撃だけでも!』

『『風殺陣ー鶴の舞ー(フウジン MODE:フルーレ)』』

風の刀はフルーレへと姿を変える。フルーレは突き技で比較的制御が楽。威力は弱いが長距離でも使える。倒れそうな体を崖にもたれて無理やりささえ、構える。予備動作はほとんどいらない。

射出イグ・ブルーム

『その程度の攻撃、読めるわ。』

『本当かな?』

エペの生み出す渦状の風に魔針や石、葉っぱを混ぜ込んだ。剣自体は防げても、攻撃は防げない。

『喰らええええええ』

『ぐっっ、なんのこれしき』そう言うとバルバトスは全力で風の渦を破壊する。

『確かに恐ろしい一撃だった。いいダメージを貰ってしまったな。でも、これで終わり。残念だ。』

これは死んだ…目をつぶり、崖に倒れる。

強い風が吹く。

『あれ…死んでない。』

目を開けるとそこにいたのはハルカゼ隊長。最後のフルーレから、見つけてくれたらしい。

『ふむ。速いな、貴様。』

バルバトスは感嘆している様子だった。

そうだ…奴の情報を伝えないと……そう力を振り絞り声を出す。

『奴はバルバトス。おそらくは植物を生み出し、操る能力ですが、フィジカルもヤバいです。お気をつけを…』

『あぁわかった。…バルバトス!私は有翼のハルカゼ。シャールズの敵は取らせてもらう!!』

『隊長。貴様が勇者の卵か…?よし、全力で叩き潰させて貰おう。』

『勇者の卵?なんの話だ?』

隊長がそう言うと、バルバトスはにやりと笑う。

『ハッハッハ。そちらの予言者はその程度か。なら心配する必要もないな。おっと、そうだ。シャールズ、お前を殺すのは最後にする。しかし、戦いの邪魔をされては構わん。しばし眠れ。そして安らかに死ね。『昇華』』

魔針が刺さっていたところからツルが成長し、花が咲く。自分が花の養分になったかのように、意識が薄れていく。

『これでお互いに集中してやれるな?ハルカゼ』

『…あぁ。』

シャールズ。書いてる最中に気に入ったので、ひとまず生死不明にしました。いい戦いだったぞ。よく頑張ったな…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ