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スピンオフ:『病室の女王と灰色の騎士(ルル)』

本編で「深淵の王」へと覚醒した佐藤。だが、その狂乱の進化の裏側で、もう一つの「覚醒」が静かに、そして激しく胎動していた。

第一話:硝子越しの呪詛

 真っ白な天井。規則的な機械音。そして、鼻を突く消毒液の匂い。

 それが、十歳の少女・**結衣ゆい**にとっての「世界のすべて」だった。

 生まれながらにして原因不明の筋疾患を患い、喉には気管切開の管、腕には栄養を送るチューブ。彼女は、自らの意思で寝返りを打つことさえ許されなかった。

(……何で。何で私だけ……?)

 窓の外、元気に走り回る同年代の子供たち。彼らにとっての「日常」は、結衣にとっては手の届かない「奇跡」だった。

 不公平だ。神様なんていない。

 心を蝕む黒い感情が、行き場を失って結衣の体内におりのように溜まっていく。

(……こんな世界、壊れちゃえばいい。全部、無くなってしまえばいいのに!)

 その時だった。

 開け放たれた窓の隙間から、一匹の野良猫が音もなく忍び込んできた。

 灰色の毛並みに、鋭い金色の瞳。結衣が密かに『ルル』と名付け、唯一心を許していた「友だち」だ。

 ルルは、結衣の胸元に飛び乗った。本来なら、重苦しさに顔を顰めるところだ。

 だが、その瞬間に「それ」は起きた。

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