悪魔の技術
城の周りをぐるりと回り、4人は城の正面へと辿り着いた
「いよいよ城に突入だな、少し緊張してきたな」
「罠が仕掛けられているかもしれないし、みんな、気を引き締めて行こう」
ラオト、ウィンディ、ホルスの3人は城門中へと歩みを進め始めたが、スティアはその場から歩き出さず、城を深刻な表情で見つめていた、それに気づいた3人は足を止め、スティアの方に振り向いた
「、、、」
「スティア、どうしたの?早く行くよ」
「いやいやいや、みんなこそどうしたの?あんな見え見えの罠が張られている所なんて危ないでしょ!」
「罠?」
3人は城門周りをよく確認したが、特に罠らしき物は見つからなかった
「罠なんてどこにも無いぞ」
「外じゃなくて、城の中だよ!」
3人は城門から恐る恐る城の入り口を覗き込んだが、何の変哲もない普通の廊下が見えただけだった
「うーん、特に何の変哲もない廊下が見えるけど」
「えぇ?みんなにはあの黒い霧が見えてないの?」
スティアは城の廊下を指差し、ラオト達に霧があることを伝えようとした。しかし、ラオト達から見た城の中には黒い霧はなく、ただの澄んだ景色が広がっていた
「黒い霧?そんなのどこにも見えないけど」
「黒い壁を霧と間違えてるとか?」
「それを間違えるほど私はバカじゃないよ!」
「うーん、それじゃあ俺が城内に入って、どうなるか確かめてくるから、スティアは俺が霧に入ってたら教えてくれ」
そう言うと、ホルスは一人で城の中へと入っていった。廊下をしばらくウロウロしたホルスは、3人が待つ城門へと戻ってきた
「どうだ?俺は霧に入ってたか?」
「うん、バッチリ入ってたけど、、、体に異変とかない?」
「あぁ、特になんも、痛みとかは感じないな」
「そっか、それじゃあ特に罠とかじゃないのかな?」
「うーん、特に影響が無いなら、ひとまず入ってみるか」
四人は問題の正門前へと移動し、ラオトから順番に、ウィンディ、ホルスと城の中へと入っていった。3人共、先程のホルス同様に、特に体に異変などは感じなかった。その様子を見たスティアも、ついに意を決して、目の前に広がる黒い霧の中へと突入した、しかし、入ってすぐに身体中に強烈な痛みを感じたスティアは、悲鳴を上げながら即座に黒い霧の中から、城の外へと飛び出した
「痛ったぁぁぁぁ!!」
勢いよく外へ飛び出したスティアは、その勢いのまま地面に倒れた
「大丈夫か!」
3人は急いで、外に倒れるスティアの元へ近寄った
「スティア大丈夫!?」
「て、手が、足が、頭が、、、身体中が痛い、、、」
スティアは必死に身体中の力を振り絞り、痛みに震える手を動かして、自分自身に回復魔法を掛けた
「ふぅ、危なかった」
「スティア、大丈夫?」
3人は心配そうな目でスティアを見つめた
「大丈夫大丈夫!、これしきのことでやられる程、私は弱く無いよ」
「そうか、良かった、、、それより、本当に罠が掛けられてたんだな」
「そうだね、私達には見えないし影響もないけど、スティアには見えるし害がある、これって、、、」
「あぁ、恐らく悪魔の技術だな」
「けっ、やっぱりね、あの霧を見ていると、あの悪魔と同じくらいムカムカするのよ」
「いや、それを先に言えよ!」
「うーん、これじゃあスティアは城には入れないね」
その言葉を逃さなかったスティアは、先ほどまでの苦痛な表情から一転し、何やら悪いことを考えているような、ニヤニヤとした顔を浮かべた
「そーだね、この霧がある限り私は城に入れないね、いやぁ、残念残念」
そう言うと、スティアは近くにあった石の上に座り込んだ
「それじゃあ3人で頑張ってねー、私はここでゆっくりとサボ、、、じゃなくて見張りをしておくからー」
「、、、」
3人は、石の上で優雅にくつろぐスティアをじっと見つめていたが、スティアが行けない事には変わりないので、仕方がなく3人で城の中へと向かっていった




