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科学の知識で異世界旅  作者: 察知
獣人戦争

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18/54

十災魔神の襲来

ラオトがこの世界に迷い込む一ヶ月前、獣人の国にて


月に一回ある獣人の国の重要な会議中、1人の獣人の兵士が「バタン」と勢いよくドアを開け、会議中の会議室へ入ってきた

「報告!魔王軍が魔水晶採掘場の駐屯兵に対し、攻撃を始めました」

その言葉を聞いた瞬間、会議で騒めいていた獣人達が一斉に静まり返った

「魔王軍、ついに動き出したか、やはりこの会議の時期を狙ってきたな、今の採掘場の状態は?」

会議室の中心近い位置に立つ、防衛大臣である虎の獣人が少し焦りつつも、冷静に兵士に質問した

「はい、魔王軍の軍勢に押され、待機していた兵士、約一万人が壊滅、採掘場から撤退を始めています」

「精鋭一万がやられただと、という事は、、」

「はい、十災魔神を2人目撃したとの情報が」

それを聞いた防衛大臣の顔がどんどん険しくなった、会議に参加していた他の大臣や幹部がざわめき始めた時、会議室の中央に座っていた、華やかでありつつ威厳のある服を纏った獣人の国の国王が立ち上がり、声をあげた

「今日の会議は、魔王軍侵攻により中止とする、そして、只今より魔王軍の軍事行動に対する軍事対策会議を始める」


獣人の国の首都にある立派な建物内で、魔王軍の対策会議が始まった頃、採掘場では、、、


「くそ、なぜアイツがこんな所に、、、」

足を負傷しまともに歩けない兵士が物陰に隠れながら呟いた

「足が動かない、このままじゃ、奴に見つかる、、」

「誰に見つかるって?」

その声に気付き声の方向を見た瞬間、男は絶望した、

男の目の前には、黒い角を生やし強い闇のオーラを纏った女性が立っていた

「ノクス、、、」

「あら、私のこと知ってるの?光栄だわ」

「当たり前だろ、、、魔王軍の中であれほどまでに強い闇魔法を使えるのはお前しかいない、、、」

兵士は少しでも時間を稼ぐために、痛みを抑えながらノクスに話しかけた

「確かにね、それにしても、君達獣人って本当に魔法に弱いんだねー、あっという間すぎて少しつまんないなぁ」

その時、兵士でもノクスでもない渋い声が響いた

「ノクス、敵と雑談している暇はない、急いで前線をあげろ」

「もうちょっと良いでしょ、どれだけ獣人が来ようと私がいれば余裕余裕」

「はぁ、お前はあと数時間で別の所へ行かなくてはならないだろ、時間を考えろ」

「はぁ、それじゃあごめんね兵士さん」

そう言い、ノクスは兵士の首を刎ねた

「それでいい、あの者には少し聞かれすぎた」

「もぉ、厳しいなぁ」

「油断していると、いつか痛い目を見るぞ」

「痛い目ねぇ、どんな感じなのかなぁ?」

「はぁ、その話はおしまいだ、とっとと前線を押し上げろ」

「はぁ、はいはい」


その頃、別の採掘場でも事件が起きていた


「嘘だろ、、、デゥア隊長がやられた、、、」

「一体何なんだ、あの人間、、」

兵士達の目線の先には、デゥア隊長と言われる狼の獣人の死体と、その前に立つ仮面を被った男がいた

「アイツ、人間なのになぜ俺たちを攻撃するんだ」

「知るかよ、、、」

物陰に隠れた兵士達が怯えていると、すぐ横にその男が立っていた

「!!いつの間」

兵士が喋り終わる前に、仮面の男が手に持っている双剣で兵士達を1人残らずバラバラにした

「、、、任務完了」

そう言い、その男は獣人の国の方向へ歩いて行った


ノクスと仮面の男が獣人達の兵を一掃した頃、ようやく獣人の国の援軍が虎の防衛大臣と共に採掘場へやってきた

「、、、」

虎の防衛大臣は変わり果てた採掘場を見て唖然とした

「あの、大臣?」

「、、、、何でもない、また復旧すれば良いだけだ」

防衛大臣は強がってはいるが、内心魔王軍の非道さに深く怒りを覚えていた

「、、、、!」

防衛大臣は咄嗟に剣を取り出し、ガードの姿勢をとった

「カキーン」

防衛大臣がガードしたその瞬間、仮面の男が目にも止まらぬ速さで攻撃を仕掛けてきた、もしガードが遅れていたら真っ二つになっていた、攻撃を弾かれた男は後ろへ引き、仮面の男と大臣の間に間合いがとられた

「おいお前ら、俺はこいつの相手をする、お前らは採掘場で暴れている雑魚どもの対処をしろ」

「はい!」

そう言い、兵士達は採掘場へ向かった、仮面の男は隙を見せない為に兵士達を無視した

「魔仮面のゼノ、、、採掘場で暴れていた十災魔神の内の1人だな」

「、、、」

「へぇ、噂には聞いていたが、本当に無口なんだな」

「、、、」

「全く、無口は嫌いだぜ、何にも話さなくてつまんない」

「それは同感だね」

「!!」

突然声が聞こえ防衛大臣が動揺した隙をつき、ゼノが切り掛かってきた、しかし、防衛大臣は咄嗟に魔法を使い、土の壁を形成し攻撃を受け止めた

「あれ、邪魔しちゃった?ごめんね」

そう言い、空からノクスが降りてきた

「はぁ、今日はなんて厄日なんだ、十災魔神を2人も相手するなんて、今まで生きてきて初めてだ」

そう言い、防衛大臣は体制を整えた

「魔仮面のゼノに漆黒の悪魔ノクス、2人の十災魔神はお前らの事だな」

それを聞いたノクスはクスクスと笑い出した

「何がおかしい」

「いや、何でもないよ」

その時、一瞬、微かにため息のようなものが聞こえた

「今のは、、、」

その時、隙をつき、ゼノがまた攻撃を仕掛けてきた、しかし、それも間一髪で防いだ

「くそっ、毎回毎回隙をついてきやがって」

防衛大臣は攻撃を弾き返し、ゼノに反撃に出た、その攻防を見て、ノクスは誰かと話していた

「うーん、一番警戒していたけど、ゼノだけでもいけそうだね」

「もう、説教はいいから!今は時間もないし、どうするの?」

「そうだね、それじゃあゼノに任せよっか」

それを聞いた防衛大臣は、ゼノの攻撃を受け止めながら、ノクスに話しかけた

「おい、俺を弱く言うのは見逃してやるから、こいつを残してとっとと失せろ」

「うんそうするね、ゼノ、あとはお願いねー」

そう言い、ノクスは遥か彼方へ飛び立って行った、そして、そこには防衛大臣とゼノが残された

「はぁ、お前も押し付けられたり、大変なんだな」

「、、、」

「まぁいい、一騎打ちなら心置きなく戦えるな」

「、、、」

「それじゃあ、、、行くぞ!!」

こうして、獣人の国の防衛大臣と十災魔神のゼノの死闘が始まった















魔仮面のゼノ


魔王軍 十災魔神の1人、魔王軍唯一の人間であり、顔に被った仮面が特徴的で、素顔を知っているものは非常に少ない。十災魔神の中でも特に魔王に対する忠誠が強く、命令違反などは一切しない。また、無口である為、何を考えているか分かりにくく、ノクスから「つまんない奴」扱いされており、訳ありな経歴もあり、他の十災魔神からも少し浮いている

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