お疲れ様でございます。申し訳ありませんが、ご確認をしていただいてもよろしいですか?
筆者は、七年間、葬祭業の生花部にいました。経験を元にフィクションとして、構成しています。極力ぼかしたり、ありえないものにしております。
また、葬祭業界を貶める意図もありません。
前職の都合上、宗教の話に触れるときもありますが、故人様を送る為や想い、祈る為の方法、考え、解釈などが様々に存在するという認識ですので、薦めたり、勧誘、批判、否定等の意図はありません。
また()の部分は余談です。読み飛ばしていただいても大丈夫だと思います。
さて、前回の仕事で関わった組織の社長が殺害されたことから始まる。
社長と評したのは、一応、一般社会における企業として、いわゆるフロント企業であるからだ。
公的には、事故死として処理されている。暴対法が厳しくなった例があるので、派手なことがあったことは隠蔽したいのであろう。うちに依頼が来たのは、手打ちの縁と昔と比べて、斜陽故に表も裏も不況である事情があったのだろう。
懸念なく、確実に隠蔽するのであれば、本元である『葬儀屋』を使うはずなのだ。
繋がりが三親等以下のこちらより手堅く、確実である。
話を戻そう、葬儀は会社を挙げて行われる社葬という大規模なモノだ。
祭壇の飾りは、通常のお客様に見せるカタログには無い特別な飾りである。恐らく、内部な者に暗殺されるのを予見していたのか、プランのある程度、事前相談により決まっていた。
社葬になると、かなり規模が大きい。経営者の一族の繋がり、会社の繋がり、パートナー企業だけではなく、経営コンサルタントや税理士、会計士、法的なトラブルを収める弁護士、行政に関わる者などから弔問にこられたり、お供え関連が大量に依頼がくるのだ。
当家が対応しなくてはならない上、こちらの準備がある。依頼が来て、1日以上のインターバルを置く必要がある。
それに祭壇もかなりの規模であり、うちの会社が所有する会館でもっとも大きい会館を使用する。さらには、一般葬で利用する二つのホールの壁をシャッターのように収納して、一つの大きなホールにできるところで行う。
ホールを使う一般葬で一番下のランクであれば、土台の組み立てから祭壇の飾りの作成に掃除を加えても、1人で1時間半あれば終わる。(土台を作らないさらに下のランクは白木の祭壇というお社やお寺のような大きな飾りのスペースに作業場で1時間程の飾りから繰り返し使いまわせる造花など事前に作成したモノを使用するプランもある)
しかし、この規模の祭壇は生花部のベテラン複数人で1日の業務中に付きっきりになる。
当日の対応スタッフの人員調整の問題もある。弔問に来られた方に渡す会葬品、礼状、香典返し(値段差による対応の為、カタログギフト)、バスや自社の敷地外での駐車場を借りる交渉などの発注と手配義務もある。
ある程度、一般葬と同じ義務であるが規模が違う。
大量にお供えの花に対する依頼が来るのだ。
故人様に近しい方が送られる傾向にある枕花、ステージ上にある大きな祭壇の飾りの左右に配置される。問題は、祭壇とオプションの飾りとのバランス…
そして、何より配置スペースの問題である。枕花の台の高さのを高さを調節する。名札が付いている為、名義がキチンと見えるようにしつつ、祭壇から近い配置であることと高い位置にあるかで並べる優先順位(補足、高さより祭壇に近い方が優位)をつけなければならない。バランスを考えつつ、できる限り圧縮しないと乗り切らないのですよ。
そして、血縁者から故人様の会社関係など様々な方が出される。壁に掛けて、名札が付く壁供花。あらゆる関係者から出されるので、一番注文の多いお供えの花である。準備段階で40対相当(飾りは2基で1対と計算、壁の左右に1基づつ同名義飾る為である。ちなみに1基だけの注文も可)注文が来ている。今も、断続的ではあるが追加注文が入っている。(当家内で注文が確定しているものはあらかじめ打ち合わせで受注している)
枕花も、壁供花も名札と優先順位がかなり大変である。
まず、名前の間違いは御法度である。失礼であり、お客様から激怒されても仕方がない。それに自分の名前の花じゃないから支払わないと言われたらアウトである。だから、細心の注意を払い、名義の確認を責任を持って行わなければならない。
さらに、供花を大量に並べるのは大変だが、その上での優先順位を当家から、確認する。こればかりは、血縁関係でのアドバイスはできても、関連会社や交流関係の判断は当家の判断に委ねられるからなのだ。そして、次々と注文される供花により、優先順位の変動…つまり、並び替えないといけないのだ。今回を例にすれば、もし追加や順位の変更で真ん中の位置に入れて欲しいと言われれば、後ろ半分全ての供花を全てずらして移動しなければならないのだ…
花の話が長くなってしまったが、弔問に来られた方の受付や接客対応もある。
そして、当家を含め宗教関係者の対応や打ち合わせをしたり、仲介をしたりする。通夜が終わり、告別式、火葬の後には、状況によっては初七日法要(四九日まで行われる七日ごと法要の初めの法要)などのその後があるのだ。(今回は法要だけど日本では大半が仏教系だが、宗教によっては例として日本独自の神道系では十日祭などがある)
もう少しだけ法要について、話すと社会人である都合上、日時の予定を合わせる必要がある。七日ごとにきっちり行うのが難しいので、遅れて行うのはアウトなので前倒しにしたり、大切な初七日法要と四九日の法要の二つにするパターンが多い。(ちなみに法要の意味は仏教のとある話から由来する。簡単に言えばあの世で裁判するので故人様が極楽浄土いけるようにする為である。)
説明が長なってしまった…
さて、わたしと彼女たちとの出会いは、わたしがこの大規模な式を対応するために集められスタッフとして来たことから始まった。




