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作戦品
アラームが鳴り響く。
女騎士は私の目論見通り、
ある民家に入ったことを知らせる。
やはりな。
この町の人間で
帝国への忠誠心が最も低い者。
そして、多額の資産を所有している。
この男は帝国の施設がある町の中心部に
旅人を近寄らせなかった。
この町の構造はどの入り口から入っても、
この家を通ることになる。
この町の権力者としての力で建てたのだろう。
だが、今は帝国に家族を人質に取られて
何もできない。
無力に成り下がった。
しかし、この男は旅人を家に招き続けた。
帝国から受けた仕打ちを嘆くために。
そうと分かっていれば。
女騎士の座る、
ソファーの位置を調べる事は簡単だ。
設置した爆弾が壁を破壊する。
その時にソファーに向けて一斉射撃、
隙をこの剣が貫く。
誰も死なない作戦。
これがもっとも大切なことだと私は思う。
女騎士がソファーに座ったとの報告が来た。
私はソファーに座る女騎士を想像しながら
大砲を構えた。