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86:クエストのはずだった?

接触したと思ったら脱出ゲーになる話


 ――セブの墓地でクエストを回収したボクは、墓守少年とお話をして、実際にその泣き声を聞いてから墓地の探索をして……そして、泣き声の主である色の薄い子供を見つけた。


 『だぁれぇ?』

 「通りすがりの、君を探してた冒険者だよ」


 その子は多分幽霊は幽霊なんだろうけど……なんか、少し違うような気もしてて。そう思いながらボクは答えたんだけど……次の瞬間、泣いてたはずの薄い子供はにたりと笑みを浮かべ……夜よりも真っ暗な世界へと引きずり込まれたのだった……



 「……うん、多分答えを失敗した気がする」


 まぁ、どう答えてもここに連れてこられた気もしないでもないけど。そんなことを思いつつ暗視スキルを使い、軽く辺りを見回してみるけど思いのほか見づらくてどういう場所なのかよくわからなかった。とはいえ、おそらくは墓地からは出てないだろうし……改めて薄暗い視界の中で何かヒントになりそうなものを探してみるけどあるのは石でできてる壁と火の灯ってないろうそくくらいで。


 「火、どうやってつけようかな……」


 そう呟いた途端に壁にあるろうそくが一斉に火が灯され、辺りは暗視スキルを使ってる時よりも明るくなった。まぁ、その状態で暗視スキルを使ってたらまぶしすぎるからすぐ切ったけど。

 そして、明るくなってからわかったのは壁には何か書かれていて、それがまた古文字だったり、普通の文字だったりすることだった。ひとまず一番目立って書いてある言葉は


《媒体に導かれし冒険者よ、ここより出たければ問いを解け。道は複数あるが、通り道の全てを解かねばここよりの脱出はない……》


 ……つまりは謎解きをして脱出しなきゃいけないらしい。で、あの泣いてる子が媒体らしい……けど。多分あの子は……


 「まぁ、謎解きって言っても多分兄ちゃん達が作った問題だろうし。本業さんよりは難しくないと思いたいなぁ……」


 それから、時々ログアウトをしたりしながらボクはもそもそと謎解きを進めていき、2日くらいかかってそこから脱出できたわけだけど……まだ、クエストはクリアじゃないんだよね。ただ、もうボクはクエストの理由がわかってきた気がした。



 ――その答えはあくる日の夜、また聞こえてきた例の泣き声にボクは最初の時と同じように近づいた。


 『だぁれぇ?』

 「……君を助けに来たよ」


 泣いていた色の薄い子は目をぱちくりとさせ、ボクを見上げる。やっぱり冒険者ってワードがあの脱出しなきゃいけないとこに飛ばされる鍵だったわけだ。


 「ね、君の身体はどこにあるの?」

 『……とても暗いくらい奥深く、ちちがむらのためになるんだよって……母はぼくをみてくれなくて、痛くて寒くてさみしくて……』

 「大丈夫だよ。ボクが君を連れてくるよ……だから、一緒に行こう」

 『……ありがと……』


 その瞬間、ボクと色の薄い子の足元が大きな闇に包まれ、深く沈んだ……


そう、冒険者という名称がキーワードである。なお、謎解きと言っても多分難しい問題はない。

ついでにクエストの正解は……

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