42:フォストの探検と謎アイテム
フォストを探検する話
――第四の街、フォストに来た翌日、ボクがまずしたことはもちろん探検だった。船釣りもいずれはするつもりではいるけど、でもそれはまだ今ではない。
「えっと、昨日は正門の方から埋めてたから……」
正門の横にはいつもの衛兵の詰め所、それから正門の向かいに広場があり、その南側に訓練所、冒険者紹介所があって、紹介所の西側に解体所というやっぱり紹介所関係はちゃんと固まった位置にあり、解体所の西側には市場があり、解体されたケモノの肉とか港であがった魚介が売られる場所らしい。
そして港に続く門があり、門の西側に船の貸し出しの場所があり、港に出てすぐの右側にはカズと改めてきた船関係を管理している場所がある。
「よし、あとはセーフティゾーンの北西方向かな」
そんな感じで時々ログアウトをしながら探検を続けて結局は1日である程度の建物の確認は終わったのだった。ちなみに、船の貸し出しの場所から北に建物1つ開けて休み処があり、治療院に続き、ハウスがあって、ハウスの東側がご飯を食べるところ……いうならばフードコートみたいな場所になっていたのは斬新というか不思議なまとめ方だと思ったのはある意味仕方のないことなのかもしれない。
――それから、フードコートのようなところでフォストのご飯を堪能して、市場で食材をいくつか買ってから今いるフォストからサーディ、セカン、ファスタウンの各訓練所にある図書館を巡り、レシピを集めたのはある意味言うまでもない。
「このレシピは作れそう、あ、でもこっちはまだ駄目そうかな……」
魚料理に野菜料理に肉料理。それらのレシピに載る食材は見たことのない名称もいくつかあり、そのあたりについて悩んでいるとホントにいた司書さんがわかる範囲を教えてくれて、さらに食堂系なら場合によってレシピを教えてくれることも教えてくれた。
『まぁ、ある程度は顔見知りになってからだけどね』
「食堂……」
そういえば1回も入ったことないことを話を聞いてから思い出し、せっかくだしということでボクのこれからの予定は決まったのだった。
ファスタウンの食堂はなんとなく、ちょっと名物女将さんのいる普通のご飯屋さんな感じで、家庭の味感が強いお店で、何故か女将さんは簡単につくれるレシピを教えてくれた。もちろんまたおいでという誘い文句と共に。
「美味しかったからまた来ます」
『そいつはよかった。うちの旦那が作る料理はみんなに故郷を思い出す味だと言われてるからね』
「お料理上手な人なんですね」
『そうとも。何せ私は旦那の作る味に惚れ込んで、旦那は私の愛想に惚れ込んでるからね』
思わず自分で愛想とか言っちゃうんだとか思ったのは口にはしないけど多分しょうがない。ただ、旦那さんはちらりと顔を出して、無言で女将さんを見てからまた顔を隠してたけど……恥ずかしがり屋なのかな……
そんな感じで、その日は寝るまでにファスタウンにあるご飯屋さんを巡り、レシピを集めてまた本が足りなくなったのはある意味いつものことなのかもしれない。だから翌日はまた本作りから始めたのはいうまでもなく……
『お前さん……ずいぶんと本を作ったな……』
「レシピとかいっぱいあってつい……」
そんな感じで本屋さんの店主さんとのんびり会話しに行くのもある意味いつものことになりつつあった。
『そういや、本の管理はどうしてる?』
「えっと、アイテムボックスに入れっぱなしかな……すぐ使うのは装備してるけど」
『ならコレクションボックスというものを知っているか?』
――【コレクションボックス】それは、まだ誰も気づいていないアイテムのひとつであり、便利道具のひとつとも言われているアイテムボックスの一点集中タイプと呼ばれているもの。実は世界では村や都市の一角にも存在していたりもしたが……それを知るのは作り手サイドだけ、だった……この時までは。
謎アイテムは単純に武器系のアイテムの出し入れめんどそうだなと思い!




