40:第四の街に行く話
文字通り第四の街、フォストに行く話である!
――ファスタウンで白鳳と唐ヶさんに工房で作ったナイフをあげれば2人は頭を抱えていて、カズはどことなくですよねーって感じの顔をしていたけど割と平和だった。
「さて、フォストに行くか? ヒカタ」
「えっと、第四の街だっけ? どんなとこ?」
「海に隣接してる港町だな。ちなみに言えば、ファスタウンからは南西の方向で、セカンから見ればほぼ真南のところに位置してる」
「ふぅん?」
とりあえず海産物が食べれるところで、海釣りもできるところという認識を持った状態でボクはカズと一緒に用事が出来たらしい白鳳達とファスタウンの中で別れてその足で第四の街、フォストがあるらしい方向へと歩き出したのだった。
とはいえ、その道のりはほとんどいつもと変わらず、向かってくるケモノとか敵をカズが倒して、時々ボクも戦う練習をして、またカズが誰かと戦って……うん、特に何事もなかった。
「ヒカタ、あれがフォストだ」
「ここはレンガの壁なんだね」
「そういやそうだな……まぁ、いいか」
レンガの作り方はよく知らないけど、これまでの街はレンガでできた壁ではなかったことだけは覚えていて、家の壁はレンガぽいとこもあったけどそれらとはまた違う感じの壁にボクは珍しさを感じながらも登録させるためにセーフティゾーンへとまずは向かうのだった。
この第四の街、フォストのセーフティゾーンは岩の隙間から小さな滝が流れているのを再現したような噴水で、その南側に市場と港に続く道があり、北側にはフードコートみたいな感じの料理の出店が並んでるところがあるとはカズからの情報だった。ちなみにカズは白鳳達から呼び出されたからとファスタウンに戻っていったから今はボク1人なわけで……まぁ、特に何かが変わることもないけど。
「ここの訓練所は何を教えてくれてるんですか?」
『ここは術師系の訓練所だよ。あぁ、君は錬金術師とカジか。……君は調理の方のレシピをどのくらい持っている?』
「え、料理のレシピってあるんですか」
『えぇ。ここの図書室には海鮮料理のレシピがあるように他の街の訓練所にはそれぞれに特化されたレシピが置いてあるよ』
「セカンで図書室行ってたのに気づかなかった……」
『まぁわかりにくいからな……図書室にいる司書に聞くか、入口横にある検索モニターを出せば探すことができるよ』
「なるほど……じゃあ寄ってみます」
紹介所で訓練所のことを聞けば、料理のレシピが実は訓練所の図書室にあることを教えられ、後でここまでの訓練所を回ることがボクの中では決定されたわけだけど……せっかく港町に来たのに船釣りは出来ないらしい。
「どうして?」
『海に出るにはレベルが足りません。また、初期街巡りを完了されていない為進行は不可となっております』
そうさっきから説明されていた。でも、この説明はどう聞いても俗にいうメタ発言というものにも聞こえて……ボクは不服ながらその場を離れるしかなかった。
「レベルが足りないならカズ連れてきたら船釣り出来るのかなぁ……後でメールして確認してもらおうかな」
とは言ってもボクは晩御飯の為にログアウトする時間なんだけど。だからとりあえずカズにメールだけを送り、予定通りにログアウトをしてご飯を食べた後。カズ……もとい隆和から携帯にメールが来ていたことに気付いたのだった。
その、メールの内容は……
そしてまたフラグを拾っていくスタイル




